ウェザーニュース🐯山口さん(ぐっさん)の季節観測の「平年値」をまとめてみた

【はじめに】
この記事では、ウェザーニュースの名物予報士である🐯ぐっさんこと「山口剛央たけひさ」さんが行っている『季節観測』についてまとめていきます。

ウェザーニュースLiVEのフリートークで🐯さんが喋るものをこの記事での主なソースとしているため、正直、正確性は担保できていない部分もあります。あらかじめご了承ください。

「生物季節観測」と「生活季節観測」について

まずは用語解説です。どちらも気象庁が行っていた項目なため、言葉が似ていて、漢字6文字中5文字が一緒という点で困惑しますが、「生」と「生」という2種類の『季節観測』です。

まずは、一般に想像しやすい『生』の方から行きましょう。その名のとおり、桜の開花などです。

生物季節観測(せいぶつきせつ かんそく)は、気象庁が行う、生物季節現象(気温日照など季節の変化に反応して生物が示す現象)でを目や耳で確かめて、現象の確認できた日を記録する観測日本気象庁が、季節学に基づいて行っている。

生物季節観測は、1953年(昭和28年)に始まった。日本全国に分布し、一律に観測しうる「規定種目」と、地域特性などから各地の気象台が独自に選んだ「選択種目」を観測している。サクラの開花やカエデ紅葉など生活に身近な生物に着目するので人々の季節感に訴える手軽な指標である。同じ生物現象を毎年定点観測することによって、観測地点の季節の進み具合を過去と比較したり、季節の進み具合を他の地点と比較したりすることができる。

生物季節観測
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

そんな「生物季節観測」は、21世紀に入って縮小の一途を辿りました。主なトレンドの変化はこちら。

2003年(平成15年)、気象庁は16年ぶりに対象となる動植物を見直した。これまで測候所でも観測されていたが、測候所の廃止が決まっているので従来のようなきめ細かい地点での観測ができなくなってしまうことになる。
                     ↓

2020年(令和2年)11月10日気象庁は生物季節観測の種目・現象の変更を発表し、2021年(令和3年)より、気候の長期変化(地球温暖化等)及び一年を通じた季節変化やその遅れ進みを全国的に把握することに適した代表的な種目・現象を継続し、その他を廃止するとした。令和3年1月以降の対象は、アジサイ(開花)、イチョウ(黄葉・落葉)、ウメ(開花)、カエデ(紅葉・落葉)、サクラ(開花・満開)、ススキ(開花)の6種目9現象となる。

しかしその後、日本自然保護協会などの自然保護団体や日本生態学会などの学会などをはじめとして、様々な団体・メディアから調査継続を求める声が寄せられた。それを受けて気象庁では2021年(令和3年)3月31日に、気象庁および国立環境研究所が事務局となり、全国の市民の手も借りて本調査を継続する努力をすることを表明した。

( 同上 )

これについて、2020年の見直しの直後にテレ東BIZの「天羅万象」で、久保田解説委員が熱弁しています。そちらも参照してください。(↓)

そしてもうひとつ。似た名前の『生活季節観測』についても解説しておきましょう。こちらは、生物とは異なり、人間の文字通り『生活』から季節観測を行うといったものです。

生活季節観測(せいかつきせつかんそく)とは、気象庁1956年までは中央気象台)がかつて行っていた生物季節観測の一種である。

1952年から1953年にかけて中央気象台に開設された生物季節観測法審議委員会において、『生物季節観測指針』が作成された。これをもとに、1953年から、他の生物季節観測と同様に全国の気象台測候所で同一の基準にのっとり、生活季節の諸事の初日や終日の観測が行われるようになった。しかし、生活環境の変化や、利用する者が減少したことなどから、予報は1963年限りで廃止され、1964年には生活季節観測についての規定のない新しい『生物季節観測指針』が制定された。

生活季節観測
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

これについては、noteにもまとめ記事を書いているので宜しければぜひ読んでみてください。

昔、気象庁がやってた「生活季節観測」について調べてみた|Rxのnote
https://note.com/yequalrx/n/n2582fe8cbecf

ウェザーニュース🐯山口さんの平均/平年値

さてここから、「生物/生活季節観測」の実例をご紹介しましょう。YouTubeでも話題となっているのが、ウェザーニュースLiVEに出演する名物予報士さんこと「🐯山口剛央さん(ぐっさん)」です。

京都で暮らした学生時代から、自宅で気象観測(雨量、天気、風速etc)を行い、毎日夜の「NHK気象通報」を地図から自分で書いて天気図を書いてて、それが現職につながったというエピソードの持ち主。面白いエピソードが多数載っている記事については、下の記事でも解説しています。

🐯さんは、千葉のウェザーニューズ社に入社してから、順次『生物季節観測』を気象庁に準じて行っていて、2020年に動物の観測を気象庁を取りやめてからも継続しておられます。項目については御本人の興味の有無によっていて、なおかつウェザーニュースキャスターからの提案などを受けて増減をしていますが、個人が趣味でやっているものとしてはかなりのものだと感じます。

🐯さんが、ウェザーニュースLiVEの中などで断片的にお話しされる内容をかき集め、🐯さんの門外不出の「平年値/平均値」などを(勝手に)まとめていきたいと思います。

当初は、上のように書いていたのですが、記事を公表した翌日(2023年3月6日)、🐯さんが公式に(?)Excelデータを公表してくださいましたので、そちらをまずは画像引用させていただきます。

(画像引用元)【LIVE】夜の最新気象ニュース・地震情報 2023年3月6日(月)
https://www.youtube.com/watch?v=DwBXkqSo4mM&t=26350s

あくまでも🐯さんの日々の集計の成果物であり、基本的に権利は🐯さんに帰属します。そして、毎年データが更新されていくかと思いますので、日々のウェザーニュースLiVEでその進みを楽しみにしていただければと思います。

以下、私の記事では、上の記事を『季節統計』に馴染みの薄い方にも楽しんで、興味のある人は真似ができるようにするお手伝いをすることを主目的としていきたいと思います。

「春」:皆さんおなじみのダンゴムシとか

世間一般的には「桜の開花」などが春の生物季節観測の代表格かと思うのですが、🐯さんは他人の敷地に侵入したりしないといけなくなる植物の開花は観測していません。

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🐯さんにとっての「春」の生物季節観測は【アリ】と、🦔のんちゃんの言い間違いが1,000万回再生を記録している【ダンゴムシ】です。

分類項目最早平年値最遅備考
生物ダンゴムシ
初見
03/27
’21
04/06
’23/7年
04/17
’17
生物アリ
初見
03/12
’23
04/03
’23/5年
04/16
’19
生活暖房
終日
03/26
’18
04/17
’22/8年
04/29
’15

自然な形で道端を歩いているときに見かけるものを対象としているため、各動物の「初見」日となっています。いわゆる🦔さんとの「ダンゴムシ記念日」は2022年3月27日ですが、これは1年前(2021年)のこの日に観測史上最早のダンゴムシ初見を記録したことが由来でした。

ちなみに、🐯さんは、気象庁の「平年値:8年以上」を厳格に守っておられるため、8年以上の観測実績のあるものに限って『平年値』という言葉を使い、7年未満のものは『◯年間の平均値』などと表現しています。ぜひ聴き比べてみてください。

「夏」:冷房、水シャワー、セミ数種類

「夏」は、生活の項目も加わって、暑いさなかにも非常に幅広い観測項目が見て取れます。ただ各項目の初日は結構近い時期にあって、1ヶ月ほどの間に、🐯さんの『~~初日』のエピソードが連発される可能性があります。

分類項目最早平年値最遅備考
生活冷房
初日
06/11
’20
06/29
’22/11年
07/18
’19
生活シャワー水10
初日
06/30
’22
(07/11)
(’22/2年)
07/22
’21
22/06/30
生物ミンミン
初鳴
07/10
’21
07/20
’22/10年
08/01
’12
生物アブラ
初鳴
07/12
’18
07/20
’22/8年
07/27
’15
生物ツクツク
初鳴
07/23
’21
08/05
’22/11年
08/12
’12

蝉も現在3種類を観測していて、『初鳴(しょめい)日』を逃さないよう毎日、暑い中を歩いて耳をそばだてておられるそうです。

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ちなみにこんな項目にも言及したことがありましたが、上表を見る限り半袖は観測してないようです。

  • 22/05/18)半袖初日:『今年から取ります』とは発言
  • (22/07/08)ニイニイゼミ:2022年より統計開始(6月30日)
  • 22/07/08)クマゼミ:(今の生活リズムでは時間帯が合わず)観測休止中
  • 22/09/30)蚊・初見:(京都時代のみ)

「秋」:セミの終鳴 から 寂しい季節へ

「秋」が深まれば深まるほど、🐯さんとしては寂しい季節となっていきます。夏の終わり頃から「蝉」の声が減っていって、終鳴日があの日だったのか? と感慨に浸りながら、秋の公園などに赴くのです。

分類項目最早平年値最遅備考
生物ミンミン
終鳴
08/26
’21
09/04
’22/9年
09/16
’15
生活シャワー水10
終日
08/31
’21

’22/3年
09/18
’20
生物アブラ
終鳴
09/07
’16
09/17
’22/10年
09/30
’22
生物ツクツク
終鳴
09/13
’17
09/26
’22/11年
10/12
’20
生活冷房
終日
09/05
’14
09/27
’22/14年
10/12
’19
生物キンモクセイ
初香
09/28
’22/1年
🦔
22/09/30
生活シャワー湯10
初日
10/19
’21

’22/2年
10/24
’22

ミンミンゼミとアブラゼミといったあたりは夏の終わり頃には鳴き止んでしまう印象ですが、ツクツクボウシが鳴き止むとなると、本格的に夏から秋への移ろいを感じてしまいます。

終鳴日は、初鳴なかなかこの日と断定できないため『速報』を打ちづらい弱点があります。それ故に、ウェザーニュースLiVEでも話題にのぼりにくいのですが、表として公開してくださったので、より追いやすくなったように感じます。

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「冬」:暖房を我慢して(?)初冬の到来

「冬」は生物季節観測がありません。そうした意味で、日々暑い中で公園などを巡っていた夏とは異なり、観測する項目が減ってしまうことによる『寂しさ』を覚えるのも分かります。

冬唯一の生活の項目が「暖房」初日です。一般常識に照らせば、ウェザーニュースという天気会社としても、庶民生活からしても馴染みのある生活季節観測なのですが、🐯さんの場合、どこかで『我慢してしまう』節があるようで、そこは御本人も自認しておられました。

分類項目最早平年値最遅備考
生活暖房
初日
10/18
’12
11/11
’22/16年
11/27
’21
生物コオロギ
初鳴
11/27
’22/1年

ちなみに自然現象という観点では「息が白くなる日の初日」だったり、生物季節観測では「女郎蜘蛛」などを観測していたようですが、長続きせず、今は「暖房初日」などに限られているようです。

  • 22/09/30)息が白くなる日の初日:(学生時代)
  • 22/09/30)女郎蜘蛛・終見:(鳥や掃除で巣が無くなるので2年ぐらいで終了)

(参考)貴方も🐯さんを真似してみよう!

そんな🐯さんの「生活季節観測」や「生物季節観測」については、あくまでも気象庁がやってきたものの延長線上にあり、こだわる方は🐯さんと気象庁に習って、8年観測による『平年値』を一つの目標に据えていただければと思います。

ただそうでなくても、例えば貴方の近くの『桜の開花』の日の記録を留めたり、「冷房をつけた初日」を意識しておくだけでも、上に書いた🐯さんの記録のスタート地点には立てるのです。

また、この話をする前段として、🐯さんのような『天気・気象観測』を行うのも有意義です。🐯さんも最初は「雪の深さ」をものさしではかるところから始めたと聞きますし、天気や気温などの簡易的に観測できるところから始めても良いでしょう。

そして上の記事にも書きましたが、今や「SNS」なども活用して、『1億総観測点』時代が訪れていると考えても良いんじゃないかと考えるほどです。TwitterでもFacebookでもInstagramでも自分の日記でも何でも良いですが、『今朝寒かったから今年初めて暖房をつけた』とか『近所の桜が散り始めた』とかそういったものを記録に留めるだけでも、大きな意味を持つようになるでしょう。

いずれ、🐯さんほどでなくても、そういった多くの方の記録が、日本全体にとって有意義な情報となっていくのかも知れません。皆さんもぜひ🐯さんのような『生物季節観測/生活季節観測』にトライしてみてください!

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