【俳句書籍紹介】『音数で引く俳句歳時記』/岸本尚毅

【はじめに】
この記事では、岸本尚毅さんが監修・西原天気さんが編集し、草思社から2023年に発刊された俳句書籍『音数で引く俳句歳時記』をご紹介します。一般的な俳句歳時記と少し違った特徴を持っているので、どういった特徴があり、どういった方にオススメしたいのかについて掘り下げていきます。

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なお、編集を担当された西原天気(@saibara_tenki)さんに私の記事をご紹介いただき、(↓)

出版元の「草思社営業部(@soshisha_eigyou)」さんにもリツイートしていただきました。

「AIチャット」にまとめてもらった

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『音数で引く俳句歳時記』ってどんな本?

『音数で引く俳句歳時記・春』は、草思社から2023年3月に発売される本です1。岸本尚毅さんが監修し、西原天気さんが編集したこの本は、季語を音数別に分類して紹介しています2。五七五の定型に合わせやすいように、季語の使い方や例句も掲載されています3。俳句を作るときに便利な一冊ですね。

BingAI(2023/03/05)

調子に乗って(?)筆者についても質問してみましょう。

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岸本尚毅さんについて教えて?

岸本尚毅さんは、1961年に岡山県で生まれた俳人です1。東京大学を卒業後、赤尾兜子さんや波多野爽波さんに師事しました1。写生派の俳人として知られており、現在は「天為」「秀」の同人や角川俳句賞の選考委員などを務めています12。また、秋田魁新報電子版で俳句レッスンの連載もしています3

BingAI(2023/03/05)

『秋田魁新報』電子版の「俳句レッスン」は無料公開とは思えない充実度で、書籍1冊分以上(?)の学びがあるので、ぜひ検索して読んでみてください!

「書籍紹介」から学ぶ本のコンセプトと活用法

まず、書籍の基本情報について、「版元ドットコム」さんの冒頭部分を画像引用します(↓)。

(画像引用元)版元ドットコム さん

2023年3月に「春」が発売され、季節を追って4分冊で発刊される予定となっているようです。

良い季語を思いついたのに、五七五の定型に合わない。
そんなときにとても重宝な俳句歳時記です。
定型を大切にしながら季語を生かす句づくりに必携。

――監修者・岸本尚毅

上の監修者の文章の最後に『句づくりに必携』とある通り、「俳句を作る方」が特に重宝をする書籍となっています。もちろん、季語を色々と知りたい方や俳句鑑賞に興味のある方も手に取る価値はありますが、白黒で写真もなく作品の掲載も最小限であるため、一般的な「俳句歳時記」とは全く構成が異なる点は予め注意していただく必要があります。

定型にどう収めるかには音数がまず大事。
いままで多くの人がひそかに悩んでいた音数と季語の問題をはっきりとさせ、
実作に役立つように考案された画期的歳時記。

(↑)このあたりについては、実例をもとに、後ほど後述しますね。

俳句実作(5・7・5に調整)において、音数は決定的に重要です。

例えば、紫陽花(4音)はそのままでは下五に使えず、濃紫陽花(こあじさい・5音)で音数を調整する。牡丹(3音)を「ぼうたん」と読ませて「ぼうたん+切字や」で上五に使う。こうした音数調整は、実作では通常作業として俳人に定着しています。あるいは、12音(5・7、7・5)をまず作り、5音の季語をくっつけるといった作業も同様です。

そこで、音数ごとに季語がまとまっていれば、きわめて便利な作句ツールとなります。これまで、音数でまとめられた歳時記は管見の範囲で存在しません。なぜなかったといえば、おそらく、そうした「実用」は、文芸=芸術の態度とは相容れないとみなされたからです。

しかしながら、俳人のアタマの中では「音数優先」で思考が動くことはきわめて多い。この歳時記は、俳人の「実際」のニーズに応えるものです。

上に書籍の思いが詰まっています。文芸という観点から書籍が作られてこなかった「作句ツール」を、名の知れた俳人(俳句博士)が、『実際のニーズ』に応えるべく編纂した歳時記なのです。個人的に、今までの議論をまとめると、こういったまとめになります。

  • 通常の「俳句歳時記」と全く異なり、むしろ「辞書」(漢字辞典の『総画数索引』)に近いイメージで手に取るべき
  • 『他にもこんな季語があったんだ、自分の作ってる(途中の)俳句に音数がピッタリ合う』みたいな経験をしたい中級者以下に特にオススメ

最近の「プレバト!!」での事例で、活用方法を探る

ここからは直接的な関係はないですが、岸本教授も褒めている「プレバト!!」俳句査定(における夏井先生の添削)を例にとって、今回の本の活用方法を探ってみようと思います。

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例えば、「父が職場でもらったチョコの数を、娘らが正の字で数えている」というバレンタインデーの光景を描きたかった作品。「バレンタインデー」なら8音、「バレンタイン」が季語かは置いておいて6音。音数を縮められる表現として、こんな言葉があることをご存知でしょうか?

(2023/02/09)
37点『バレンタイン娘らが正の字父の数』/山﨑ケイ
      ↓
   『愛の日(4音)~~

上の記事で数時間をかけて書いた記事の内容を、今回紹介の『音数で引く~』では検索しやすくなっています。これは名人・特待生であってもぶつかる壁なようでして、

(2022/09/22)
『星合や長き鉄橋ひた走る』/中田喜子
      ↓
『ひた走る長き鉄橋星祭(5音)

中田喜子さんが「ふるさと戦(茨城県)」で披露した作品も、4音の「星合」を使ったために『や』で上五に据えてしまい後半がこの形に展開したのですが、『星祭』という5音の季語を使っていれば、より効果的に12音のパートを展開できたと夏井先生は添削しています。

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他にも、2022年5月19日に10点で才能ナシとなった【坂東龍汰】さんの作品では、「山椒さんしょうの実」が、6音となってしまうため全く別の単語を上五に据えていましたが、

「山椒(さんしょう)」ではなく、俳句では「山椒さんしょの実」として字余りを解消する工夫があることを、この歳時記を通じて知ることが出来るでしょう。

ちなみに、上のような「傍題」を知るだけなら普通の歳時記でも問題ないのですが、『音数で引く~』の魅力に、『傍題以外の隣接した季語』を知ることが出来る点も挙げられます。ぜひ書籍でチェックをしてみてください!

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