レースレーティングまとめ【本当の目安値って?】(2023→24Ver.)

【はじめに】
この記事では、競馬のレースレーティングを一歩踏み込んでまとめていきたいと思います。今回は、各グレードの“本当の目安値/平均値”を探っていきたいと思います。

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ウィキペディアにみる「国際グレード降昇格の目安」

JRAのホームページには、“レーティングとは、競走馬の能力を示す客観的な指標となるもので、着差・負担重量などをもとに、国際的に統一された基準により、数値化したものです。”と書かれていますが、私の記事でも良く使うレースレーティングについては以下のような説明がウィキペディアにあります。

レースレーティング
各競走の1〜4着までのレーティングの平均によって当該競走のレベルを表す値。古馬のパート1(G1競走)の場合、牝馬のセックスアローワンスを加えてクラシフィケーションレートが115以上であることが条件となる。G2ではこれが5ポイント低くなり110、G3では更に5ポンド低い105となる。

ワールド・ベスト・レースホース・ランキング
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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そして(レース)レーティングが話題になるときに基準となるものが以下の表でしょう。引用します。

日本グレード格付け管理委員会が定める、国際グレード昇格条件は以下のとおり。なお、IRPAC直轄傘下のアジアパターン委員会(APC)の規則に準拠している(2021年の格付より適用)。
過去3年間に実施された競走の最終レースレーティング(FRR)の平均値、及び直近年のFRRの両方が以下の条件を満たすこと(単位:ポンド)。

競馬の競走格付け
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
馬齢条件GIGIIGIIIリステッド
2歳牝馬1061019691
牡馬・牝馬混合11010510095
3歳以上牝馬限定11110610196
牡馬・牝馬混合115110105100
( 同上 )

4段に分かれていますが、「3歳以上&牡馬・牝馬混合」をベースに、2歳戦は5ポンド、牝馬限定は4ポンド(セックスアローワンス)を減じている計算になります。以上を簡単に説明する時などに、

「GIの目安:115」、「GIIの目安:110」、「GIIIの目安:105」

ポンドになるという風に纏めています。これが教科書上の「国際基準」となります。(ここまで前フリ)

本題「実際のGI・GII・GIIIの目安」ってどれぐらい?

上に示された数値は、「昇格」や「降格」を議論する上で重要になってくる“目安”ですが、そういった話題に全く上らないような重賞競走が大半です。最上位と最下層をみても実像が掴みづらいので今回は本当の「目安」を探るところまでは行かないまでも、『平均値』を抑えてみたいと思います。案外このデータは検索してもヒットしにくい部分もあるので、ご存知ない方も多いかも知れません。

  • 対象競走:3歳以上の中央競馬での重賞競走
         (=2歳戦、地方の交流重賞は除外)
  • 対象時期:2016~2023年(直近8年間)
         (通常は3年平均だがスパンを倍以上とした)
  • 集計方法:単純な8年平均での値
         (他記事の最低年を除く平均などとは別)

以上のルールのもと、JRAのホームページに記載されている「レースレーティング」の値をもとに集計をした結果、実際のレースレーティングの平均値は以下のとおりとなりました。

レーティング
(8年平均)
国際基準
での目安
全レース111.0
G1117.44115.0+2.44
G2112.10110.0+2.10
G3108.34105.0+3.34

国際基準での目安と比較しても、すべての格で、平均値が目安を大きく(2~3ポンド)上回っていることが分かります。平均105ポンドあればG3に昇格できるとされていますが(葵S他)、実際のところ平均して「108ポンド」以上あるということで、その気になれば、『G1やG2昇格』をすれば通りそうなレースが沢山控えているということになります。

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上の表を前提に置き直すと、『このレースの平均レートは108.00ポンド。GIIIの目安の105.00ポンドを上回っていて優秀』などと表現してきたのが果たして正しいのか疑問になってきてしまいます。中央におけるGIIIは(世界の実測値がどうか分かりませんが、)世界的にはGIIに近いような、かなり優秀なものなのかも知れませんね。

各Gの平均値と比較して気になるのはやっぱりあのレースたち

上に示した「現実的な“目安”」と比較して、各グレードごとに気になるレースを幾つかピックアップをしていきたいと思います。プラスの方面は「スーパーG2」や「スーパーG3」の記事をご覧ください。

G1(平均値:117.44ポンド)

目安となる平均値付近にあたるのが、「マイルCS」・「皐月賞」(←118ポンド台)や「オークス」・「菊花賞」(←116ポンド台)です。これらを大きく下回るレースを列挙してみましょう。

牡馬も出走できる3歳のG1としては非常に低い値となっているのが「NHKマイルC」です。菊花賞より2ポンド近く低く、創設から数年の頃のような綺羅びやかさは褪せてしまいました。2022年は近年で最も高い117.25ポンドまで回復し、春2冠に次ぐ高レートとなりましたが、4着に敗れたセリフォスのような活躍馬の存在の有無に大きく影響される点は引続き注意が必要そうです。

古馬のレースとすると、ダート戦と短距離戦の2レースが並びます。この中でも特に深刻なのが「フェブラリーS」です。2019年以降で111.75-112.75-112.75ポンドと「115ポンド」すら大幅に下回る状況となっていました。2022年には115.25ポンド、2023年には116.00ポンドと基準を上回ったとはいえ、特に「サウジカップ」デーの創設によって中東への遠征が一流馬の中心となり、フェブラリーSをパスする馬が増えてしまったことが挙げられるでしょう。

G2(平均値:112.10ポンド)

続いてG2です。国際基準での目安が110ポンドです。その基準を3ポンド以上下回る年が続いたとして「ニュージーランドT」が降格の警告を受けて話題になったのはご承知の通りかと思います。ランキングをみても距離や特徴がバラバラなG2が並んでいます。

参考までに2歳戦も含めて記載していますが、「ステイヤーズS」は深刻な状況で、2歳戦にすら平均で負けてしまっている状況かつG2の維持基準に平均するとピッタリ沿ってしまっています。中山3600mという距離設定が有馬記念と関連性が薄まった現代の形態ではなかなか厳しい状況と言えそうです。

また、「ニュージーランドT」だけでなく「フィリーズレビュー」や「京都新聞杯」も2023年は何とか110という基準に乗せましたが、厳しいことに変わりはありません。本番G1との関連性が低い年も多く勝ち馬が活躍できないと存在意義自体が問われかねない恐れも出てきましょう。

G3(平均値:108.30ポンド)

おしまいにG3です。G3はそれぞれ設置されている意図もあるため、単純には言えませんが、これらは平均値からかなりレートが低くなっていることを取り上げておこうと思います。

こちらも参考までに2歳戦も含めていますが、「アイビスサマーダッシュ」の低さが目立ちます。実は重賞の基準を保つにギリギリという状況がここ数年続いています。もちろん国内唯一の1000m重賞であり、1000mがベスト距離という馬が他でレースを高める余地が殆どないことを考えると、なかなか環境を整備する難しさがあるように感じます。

その他は3歳戦を中心とした夏競馬の重賞です。「ユニコーンS」も東京開催最終年に103.75という近年最低を叩き出してしまいましたが、京都開催に移って改善が見られるかが注目です。そして、古馬でいうと「七夕賞」が105ポンド台となっており、中距離路線の過剰供給が窺えます。

これらのレースの改善提案はまた別の記事で予定しています。

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