「スーパーG2」を3つの基準で分析してみた(最新:2023→24Ver.)

競馬レースレーティング

【はじめに】
この記事では、『スーパーG2』と呼ばれる基準を3つほど考え、ここ数年の実績から比較することで、漠然とした『スーパーG2』という概念を考える際のヒントになることを目指していきます。

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記事で用いる3つの基準について(おさらい)

細かい過程は当初のバージョンの記事に譲るとして、この記事で用いる「3つの基準」を紹介します。

  1. 「GI複数勝利馬」の出走頭数
  2. 「GI馬」の出走頭数
  3. 「重賞馬」(≒非重賞馬)の出走頭数

1998年の毎日王冠のように歴史に残る名馬が複数頭出走していたり、『G1馬が◯頭集結』だったり、『メンバー中1×頭が重賞馬』みたいな形で見出しになっている重賞に見覚えはありませんか? ざっと上の3つを基準にデータを分析してみました。

基準1.「G1級・複数勝利馬」の頭数

2017~23年の7年間の出走頭数をコンパクトにまとめてみるとこちらのようになりました(↓)。

1位:延べ12頭「中山記念」

もっとも多いのが、実は「中山記念」だという結果になりました。なお、種明かし(?)をすると、

  • 2019:ウインブライト、ラッキーライラック、スワーヴリチャード、ディアドラ
  • 2020:ラッキーライラック、ソウルスターリング、インディチャンプ、ウインブライト

と2頭が被っていて、国内の中距離G1を勝った馬ばかりではない点には注意が必要です。それでも、G1を複数勝っている馬が4頭も2年連続で集結するというのは非常に稀なことだと 感じるはずです。コロナ禍になって(≒ サウジ遠征が本格化)以降は、G1を複数勝っている馬は参戦していません。

2位:延べ10頭「札幌記念」

これに続くのが「札幌記念」の延べ10頭です。令和に入ってから4年連続で複数頭が出走をしており、4年連続で出走しているのはこのレースしかありません。逆に2017・18年はそういった馬がおらず、ここ数年のような『スーパーG2』に乏しかった時期があったことも覚えておきましょう。

各所で触れていますが、令和に入ってそのレースの華やかさは『スーパーG2』をまさに体現している感があります。2021年のソダシがラヴズオンリーユーを下したレースや、2022年のジャックドールとパンサラッサのマッチレースは令和の『スーパーG2』として語られていきそうな感じがします。

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3位:延べ8頭「京都記念」

そして、2023年のデータを加えて3位となったのが「京都記念」です。こちらは距離が中長距離と、「サウジカップ」など中距離路線より長いこともあって、仲春(3月の「ドバイシーマクラシック」や4月の「大阪杯」)のG1の前哨戦としての立ち位置を保っていることが大きいと思われます。

2023年に、エフフォーリアとドウデュースが同時に出走したのも、こういったG1をとりまく環境から受ける影響が大きかったと見られます。

基準2.「G1級勝ち馬」の頭数

次の基準は、シンプルで分かりやすく「G1級勝ち馬」の頭数です。
別の記事でも代表例としてあげている1998年の「毎日王冠」について冷静に考えてみると、勝ち馬の【サイレンススズカ】は『基準1.G1複数勝利』に該当しない訳ですから、この『基準2.G1級』も案外侮れません。近年のキセキやマカヒキ、そしてレイパパレなどもここにしか該当しません。

1位:延べ27頭「中山記念」

こちらでも実は「中山記念」が1位です。2020年までの蓄えが大きいことと、G1馬の4割近く(12/27)がG1複数勝利馬であることは注目に値すると思います。

2022年にこのレースを逃げ切った【パンサラッサ】は、そのまま「ドバイターフ」を制してG1馬に輝いていますが、『サウジカップ』なども充実し始めたここ最近はややメンバーの層が薄くなってきている印象を受けます。かつての繁栄を取り戻せるのかが注目されます。

2位:延べ25頭「毎日王冠」

こちらもやや減少傾向にありますが、集計2位となったのが「毎日王冠」です。実は「G1・1勝馬」が多いのが特徴のレースでもあるようです。

  • 2017:リアルスティール、サトノアラジン、マカヒキ、ワンアンドオンリー、ソウルスターリング、ウインブライト
  • 2019:ダノンキングリー、アエロリット、インディチャンプ、ペルシアンナイト、モズアスコット、ケイアイノーテック

このように、上の2年はG1馬が(後を含めて)6頭も出走していました。ただメンバーを見ると、気づけば「天皇賞(秋)」というより「マイルCS」などの前哨戦といった意味合いも出てきている感じがしており、1998年とは隔世の感があるのは事実でしょう。

3位:延べ24頭「札幌記念」

こちらでも平均して高いアベレージなのが「札幌記念」です。2018年からは連続して3頭以上が出走をしています。特に2022年は豪華G1馬6頭が集結。
しかも、そんなパンサラッサ、ウインマリリン、ソダシ、グローリーヴェイズ、ユーバーレーベン、マカヒキといったG1馬を【ジャックドール】が競り落とした姿は強く印象に残っています。

基準3.「非重賞馬」の少なさ

最後に少し目線を変えて、「非重賞馬」の少なさという基準でも見ていきます。こちらはこれまでの表とは逆に数の少ない方が優秀という捉え方となります。

注目に値するのは、毎日王冠と金鯱賞が4年連続で1~2頭という時期があったことです。これは裏を返すと『少頭数の年が多い』ことを意味していて、出走頭数あたりの比率で求めると少し違ってくるのかも知れませんが、この2レースに「中山記念」を足した3レースの優秀さが際立っています。

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もちろん、札幌記念や京都記念の延べ24頭というのもアベレージが「4頭」ですから非常に優秀なのですが、出走枠があれば頭数が揃ってしまう『神戸新聞杯』などと違って、『少頭数でも非重賞馬が出走してこない』タイプのレースというのも、ある種の「格」というか「威厳」というかそういったものも兼ね備えて見えてきませんでしょうか?

さて、今年はこのデータにどういった値が追加されるのでしょうか。今から『スーパーG2』と呼ばれるようなレースでの名勝負に胸が踊ります。皆さんの思い出のレースもコメント欄にお寄せ下さい。では次の記事でお会いしましょう、Rxでした。

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