ここ最近の「NHKのど自慢」で歌われた『ボカロ曲』などについてまとめてみた

【はじめに】
この記事では、ここ最近の「NHKのど自慢」で歌われた『ボカロ(ボーカロイド)曲』などを、広めにジャンルをみて振り返っていきたいと思います。若い世代の方々を中心に「NHKのど自慢」に応募する際の参考にしたり、視聴する際の振り返りに役立てば幸いです。

1級:純正ボカロ曲

2016年:『ホシアイ』/レフティーモンスターP

歌唱例が無い訳ではないものの、やはりハードルが高いのは、(見出しに書かせてもらいましたが、)「純正ボカロ曲」です。(こんな言葉は無いので、雰囲気で感じて頂ければ幸いですww)

直近での該当例がこちらです。中島愛さんの声からなる「Megpoid【グミ】」の歌った楽曲です。確かに歌い手などを通じて知名度を伸ばした楽曲かも知れませんが、「NHKのど自慢」の歌手枠にもちゃんと「レフティーモンスターP[GUMI]」として初出した点は、特筆すべきことかと思います。

(※)以下、原則、私の持つ2016年度以降のデータを対象としています。また、記号については、「◎:チャンピオン」、「◯:合格(鐘3つ)」、「●:不合格(鐘2つ)」を意味しています。

《 純正ボカロ曲 》

  • 161030 ● ホシアイ/レフティーモンスターP[GUMI]

この純正ボカロ曲で単騎切り込んでいったのが、2016年10月30日、石川県野々市市大会3組目に披露された、レフティーモンスターP[GUMI]の楽曲『ホシアイ』です。

『レフティーモンスターP』とは、VOCALOIDを使用してオリジナル楽曲を発表しているプロデューサーである。

2012年6月22日投稿、『【GUMI】ホシアイ【オリジナルPV】exit_nicovideo 』でニコニコ動画デビュー。初のVOCALOIDオリジナル楽曲でありながら、投稿2日後の6月24日にVOCALOID 総合ランキング5位を獲得。

ニコニコ大百科 > レフティーモンスターP より抜粋

こういった内容については、ニコニコ大百科に一日の長がありますね(^^

紺色のセーラー服を着た当時、女子中学生の方が、客席のお祖父様に向けて歌われました。これには、当時のタイムラインも驚きに包まれ、話題になったことを記憶しています。(下記の世間知名度の高い楽曲でもないゴリゴリのネット文化の楽曲が、GUMI+Pの名前と共に紹介された点において。)

6年近くこういった純正楽曲の登場例はありませんが、もし再び歌われることがあれば、きっとそれだけで大きな話題性を呼ぶことになるのは間違いないでしょう。ハイリスク・ハイリターンなタイプです。

2022年:『ゆめゆめ』/DECO*27 feat.初音ミク

ゆめゆめ」は、DECO*27の楽曲。彼の3枚目のシングルとして2012年4月18日SOULTAGから発売された。

表題曲「ゆめゆめ」は、ニンテンドー3DSソフト『初音ミク and Future Stars Project mirai』の主題歌。ボーカルは音声合成ソフト・初音ミクを用いている。初回限定盤はDVDが付属している。ジャケットイラストをはakkaが担当した。


ゆめゆめ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

「ゆめゆめ」が世に出てから10年あまり。NHKのど自慢で「DECO*27」さんや「ゆめゆめ」といった名前が登場します。『MAG・ネット』や『バーチャルのど自慢』ではなく、NHK総合テレビの日曜日の昼間に流れるというのはある種の衝撃、しかもチャンピオンに輝く歌唱に一部界隈はザワつきました。

《 ゆめゆめ 》

  • 221113-08 ◎ ゆめゆめ/DECO*27 feat.初音ミク
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2023年:『ロキ』/みきとP feat.鏡音リン

ロキ』は、日本ボカロPみきとP2018年に発表したボーカロイド曲である。使用VOCALOIDは鏡音リン。

他者からの評価
歌詞サイトのUtaTenでは、『ロキ』は「四つ打ちダンスロック」を主軸とした中毒性の高い曲調を特徴とし、平成最後の年を代表する曲といっても良いレベルだとしている。

ロキ (曲)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

二宮直樹アナウンサーが初司会を務めた2023年4月9日、香川県善通寺市大会で4番手として歌唱されたのが「ロキ」です。ステージ狭しと派手に歌い、ゲストの南こうせつさんに近づいたりする「トリックスターぶり」(?)を披露した『合格』の鐘を鳴らしました。

《 ロキ 》

  • 230409-04 ◯ ロキ/みきとP feat.鏡音リン
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2級:カバーボカロ曲…『千本桜』/黒うさP feat.初音ミク

純正には及ばないものの、ボカロ曲が出自であるものの一般歌手がカバーして「ボーカロイド」の範疇を超えて知られるようになった楽曲が「NHKのど自慢」で歌われる例もあります。その最もイメージしやすい例が『千本桜』でしょう。平成の終わりに2例ほどありました。

《 カバーボカロ曲 》

  • 16/04/24 ● 千本桜/小林幸子
  • 17/06/18 ● 千本桜/小林幸子
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2016年・2017年の2例とも、番組内での字幕は、「『千本桜』/小林幸子」であり、厳密にいえば、ボカロ曲として「黒うさP」や「初音ミク」の名は示されていません。しかしそれでも、タイムラインは大騒ぎになり、特に1例目の2016年4月の時は、「のど自慢でボカロ曲が!」と強いインパクトを、ネット世代の視聴者に与えることとなりました。

「千本桜 feat.初音ミク」(せんぼんざくらフィーチャリングはつねミク)は、2011年に黒うさPが作詞・作曲・編曲し、ボーカルに音声合成ソフト「初音ミク」を使用してインターネット上で公開した楽曲である。

インターネットを中心とするVOCALOID初音ミクの人気ボカロ曲(VOCALOID楽曲)の一つとして知られ、2012年8月に行われた、レコチョクによる「好きなボカロ曲ランキング」調査において、1位を獲得した。
カラオケ曲としても人気があり、2012年度カラオケランキングではVOCALOID史上初となる総合カラオケランキング3位を獲得する。公開後3年たった2014年においても、JOYSOUNDカラオケランキング2位を記録し、配信後常にボカロ曲ナンバーワンの人気を維持している。同楽曲のミュージカル化や小説化も行われ、千本桜のキャラクターのコスプレやライブも数多く開催されており、「歌ってみた」「演奏してみた」等の二次作品制作も盛んに行われている。

2015年12月31日には、歌手の小林幸子第66回NHK紅白歌合戦に特別枠で出演し、同曲を歌唱した。

千本桜 (曲)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

タイミング的には、2015年年末に小林幸子さんが「特別枠」でNHK紅白歌合戦への出場を果たした直後で、2016年4月の「NHKのど自慢」北海道稚内市大会に小林さんが出演して、ゲスト歌唱した楽曲でもあるという位置づけでした。こうした要因があるものの、タイミングがうまく行けば、ボカロ曲であっても「NHKのど自慢」に出場できる可能性がゼロではない と言うことは出来ます。

但し、冷静に考えてみると、令和に入ってからは例が無いうえに、カラオケ人気などから考慮しても、相当数の「応募」が寄せられているはずなのに、僅か数例しかないということは「ボカロ曲」での出場は相当狭き門だという見方もできると思います。ですので、出場するハードルは物理的に高いという事は、覚悟の上で応募されることをオススメします。

3級:ボカロP関連楽曲

特に令和に入って、「ボカロP」がJ-POP・アニソン業界に参入して制作された楽曲が歌われる機会が、増えていますので、そちらも参考までに簡単にご紹介していきたいと思います。

今後、該当例が増えることが予想されますので、更新頻度は控えさせていただきますが、トレンドを抑えるという程度の参考として捉えて頂ければ幸いです。

CHiCO with HoneyWorks

CHiCO with HoneyWorks
160828 ● 世界は恋に落ちている
181111 ● プライド革命

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最初に触れるのは、「HoneyWorks」です。「CHiCO with HoneyWorks」となって初期の楽曲が中心ですが、それだけ非オタクを含め「さとり~Z世代」に広く浸透していて、愛唱されていることが窺えます。『世界は恋に落ちている』が2014年、『プライド革命』は2015年で、2000年生まれの方だと、中学生の多感な頃(告白実行委員会とほぼ同世代)でしたから世代どストライクな可能性もあります。

ハニワ楽曲は、当初から「ニコニコ動画」+「YouTube」で、CHiCOバージョンとボカロバージョンが動画アップロードされていたこともあり、アニメ・ボカロ両方の界隈からの流入があってスタンダードなナンバーとなっていきました。

ヨルシカ 【2022年グランドチャンピオン大会にも出場】

俗に「夜好性」と括られることとなる【ヨルシカ】が、「NHKのど自慢」で初歌唱されたのは、2020年2月のこと。コロナ禍によって開催が中断される直前のことでした。

ヨルシカ
200223 ◎ だから僕は音楽を辞めた
211003 ● ただ君に晴れ
220504 C だから僕は音楽を辞めた

この2020年は、後述する『夜に駆ける/YOASOBI』がビルボードチャートで年間1位に輝くなど、「ボカロっぽいサウンド」がチャートを席巻することとなったのですが、当時はまだ今ほどの知名度もない中で、「NHKのど自慢」で歌唱されたため大きな衝撃がありました。

ボカロP出身でギターと作曲担当のn-buna(ナブナ)が、ボーカルに女性シンガーのsuis(スイ)を迎えて2017年に結成した。バンド名は最初のアルバム『夏草が邪魔をする』に収録の「雲と幽霊」の歌詞”夜しかもう眠れずに”から取られている。

ニコニコ大百科 > ヨルシカ より

そして一聴しただけで「ボカロ」界隈の感じが漂う同曲で、NHKのど自慢に本戦出場するだけでも快挙なのに、驚くべきは長野県辰野町の「合格 → チャンピオン」となり、2022年5月に開催グランド・チャンピオン大会に出場(10組のみの狭き門)することとなった点でしょう。

辰野町大会出場当時は高校生だった彼女が、プロの声優(アーティスト)を目指して専門の学校に通い勉強を重ねておられるとのこと。何よりも、「ヨルシカ」を歌って“チャンピオン大会出場”を果たすというのは、あまりにも劇的なシンデレラ・ストーリーかと思います。(まだ夢は始まったばかりでしょうが。)

(参考)YOASOBI

ビルボード年間1位という快挙を引っ提げて、翌月には「NHK紅白歌合戦」に満を持して初出場することとなる「YOASOBI」も、ヨルシカから遅れること9か月(コロナ禍による中断期間を挟むので、実質的にはそこまで大きな差はなかったと推定されるが)、『夜に駆ける』が歌唱されました。

YOASOBI
20/11/08 ● 夜に駆ける
22/07/03 ● 群青

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「Ayase」さんについては下の記事にまとめていますが、厳密には「ボカロP」が本業ではなく、バンド活動休止を余儀なくされた療養中に触れたところが入り口なので、今回は「参考程度」の掲載に留めます。それでも「ボカロサウンドみ」を感じる楽曲を、J-POPのメインストリームに押し上げる功績は、「NHKのど自慢」にも大きな影響を与えたものと信じて疑いません。

(参考)supercell

どちらかというと「HoneyWorks」に近いグループ系かも知れませんが、「supercell」の『君の知らない物語』も参考として掲載しておきましょう。

supercell
20/11/22 ○ 君の知らない物語

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2020年11月の福井県越前市大会では、セーラー服姿で出場した彼女が合格の鐘を聞いた瞬間に喜んだ表情を見せ、緊張感がこちらまで伝わってきたものの堂々とした歌唱だったことを記憶しています。

(参考)ハチ(米津玄師)

ボカロP出身の代表格といえば、「米津玄師」さんです。もちろん『Lemon』などは複数回歌われていますが、「ハチ」時代の楽曲が具体的に取り上げられたことは今のところ無いようなので、今後、ハチの名が「NHKのど自慢」で地上波に載ることが令和の時代にあるのか注目していきましょう。

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