【はじめに】
皆さん「ウィキペディア小旅行」へようこそ、ツアーコンダクターのRxです。今回は、「アラブ首長国連邦」を巡っていきます。素敵な旅をお過ごし下さい。
アラブ首長国連邦(UAE)
アラブ首長国連邦(アラブしゅちょうこくれんぽう、アラビア語: الإمارات العربية المتحدة、英: United Arab Emirates)略称UAEは、中東に位置し、7つの首長国からなる連邦制国家。首都はアブダビ市。
アラビア半島の、ペルシア湾南岸およびオマーン湾西岸にあり、対岸のイランと向かい合う。東部ではオマーンと、南部および西部ではサウジアラビアと陸上国境を接する。カタールとは国境を接していないが、カタールとの間のサウジアラビアの一部地域の領有権をめぐる論争が発生している。
日本では口語や俗称として単に「アラブ」と呼ばれていたが、アラブ世界との混同があるため上述のUAEという事が多い。
歴史
1892年までに全ての首長国がイギリスの保護下に置かれた。1950年代中盤になると、この地域でも石油探査が始まり、ドバイとアブダビにて石油が発見された。ドバイはすぐさまその資金をもとにクリークの浚渫を行い、交易国家としての基盤固めを開始した。
一方アブダビにおいては、当時のシャフブート・ビン・スルターン・アール・ナヒヤーン首長が経済開発に消極的だったため、資金が死蔵されていたが、この状況に不満を持った弟のザーイド・ビン=スルターン・アール=ナヒヤーンが宮廷クーデターを起こし政権を握ると、一気に急速な開発路線をとるようになり、ペルシャ湾岸諸国中の有力国家へと成長した。
1968年にイギリスがスエズ以東撤退宣言を行うと、独立しての存続が困難な小規模の首長国を中心に、連邦国家結成の機運が高まった。連邦結成の中心人物はアブダビのザーイドであり、当初は北西のカタールやバーレーンも合わせた9首長国からなるアラブ首長国連邦 (Federation of Arab Emirates:FAE) の結成を目指していたが、カタールやバーレーンは単独独立を選び、一方アブダビとドバイは合意の締結に成功した。
アブダビとドバイの合意により、残る首長国も連邦結成へと動いた。 1971年にアブダビ、ドバイ、シャールジャ、アジュマーン、ウンム・アル=カイワイン、フジャイラの各首長国が集合して、連邦を建国。 翌1972年、イランとの領土問題で他首長国と関係がこじれていたラアス・アル=ハイマが加入して、現在の7首長国による連邦の体制を確立した。
地方行政区分
首長国 | 首都 | 面積 km2 | 人口 2015年 |
---|---|---|---|
Emirate of Abu Dhabi アブダビ首長国 | アブダビ市 Abu Dhabi | 67,340 | 2,784,490 |
Emirate of Ajman アジュマーン首長国 | アジュマーン市 Ajman | 259 | 263,000 |
Emirate of Fujairah フジャイラ首長国 | フジャイラ市 Fujairah | 1,166 | 213,712 |
Emirate of Sharjah シャールジャ首長国 | シャールジャ市 Sharjah | 2,590 | 1,405,843 |
Emirate of Dubai ドバイ首長国 | ドバイ市 Dubai | 3,885 | 2,446,675 |
Emirate of Ras al-Khaimah ラアス・アル=ハイマ首長国 | ラアス・アル=ハイマ市 Ras al-Khaimah | 1,683 | 470,000 |
Emirate of Umm al-Quwain ウンム・アル=カイワイン首長国 | ウンム・アル=カイワイン市 Umm al-Quwain | 777 | 65,000 |
スポーツ
サッカー
アラブ首長国連邦(UAE)ではサッカーが最も人気のスポーツとなっており、1973年にプロサッカーリーグのUAEプロリーグが創設された。国内屈指の名門クラブであるアル・アインは、3連覇を含むリーグ最多14度の優勝を達成している。さらに同クラブは、AFCチャンピオンズリーグでは2003年大会で優勝し、FIFAクラブワールドカップでも2018年大会で準優勝に輝いている。元サッカー日本代表の塩谷司も2017年から2021年まで所属しており、中島翔哉も2021年1月にレンタル移籍し半年間在籍していた。
アラブ首長国連邦サッカー協会(UAEFA)によって構成されるサッカーアラブ首長国連邦代表は、FIFAワールドカップには1990年大会で1度出場を果たしている。AFCアジアカップには10度の出場歴があり、1996年大会では準優勝の成績を収めた。また、UAEはサッカーの国際大会の誘致に積極的な国としても知られており、AFCアジアカップは1996年大会と2019年大会の開催国となり、FIFAクラブワールドカップは2009年大会、2010年大会、2017年大会、2018年大会、2021年大会と、最多8回の日本に次いで5回の開催実績をもつ。
その他の競技
クリケットはサッカーに次いで2番目に人気のスポーツとなっている。ドバイにはクリケットの国際競技連盟であるICCの本部がある。また、競馬はドバイ首長家であるマクトゥーム家が特に力を入れており、ドバイのメイダン競馬場で3月下旬に開催されるドバイワールドカップは、1着賞金が世界最高金額の競馬競走として知られる。
UAEはブラジリアン柔術も盛んで、ヨーロピアン柔術の国際競技連盟であるJJIFの本部はアブ・ダビにある。2019年の世界柔術選手権では、寝技柔術の男子7階級中3階級で優勝者を輩出した。なお、伝統的な競技としてラクダレースや鷹狩りも人気である。
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