計測震度6.4(あとちょっとで震度7になってた)地震をまとめてみた

【はじめに】
この記事では、気象庁震度階級が最大震度6強だった地震のうち、「計測震度:6.4」という、極めて俗な言い方をすれば「あとちょっとで震度7になってしまっていた」地震を纏めていきたく思います。

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ウィキペディアで学ぶ「震度」に関するポイント

「日本語版ウィキペディア」から今回の記事に関係する部分を引用します。ただ、内容が難しいので、深追いはせずに行きたいと思います。


気象庁震度階級
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

よっぽど興味のある方でなければ、我々庶民には非常にハードルが高い内容かと思います。今回は、

へー、何かこんな風にして「震度」って出してるんだー

ぐらいに思っていただければ結構かと思います。知らない方に押さえて頂きたい部分は最後2行です。

  • の小数点以下第3位を四捨五入し、小数点以下第2位を切り捨てたものを、計測震度とする。
  • 計測震度を四捨五入したもの(ただし負なら0、8以上は7)を 0 から 7 までの震度階級とする。震度5と6では切り上げられるか切り捨てられるかによりさらに弱と強に分けられる(表参照)。

要するに、整数(+強・弱)で表される「震度」も、実際には小数点以下の値がある。そうして、小数点以下第2位を切り捨てて、小数点第1位までを表示したものを「計測震度」と呼ぶ。

ここをざっくり理解してもらえれば結構です。一口に「震度3」と言っても、実は「震度2.5~3.49..」という計測震度を四捨五入して整数値にしているものなのだということです。

日本語版ウィキペディア > 震度7 より引用

そもそも「体感」で図っていた4→7→8段階の「震度階級」を、機械で計測するようになり、加えて「震度5・6」を被害の度合いに応じて区別するべく「弱/強」に分類しました。実はこれも、日常会話で「5割弱/強」と言うのと同じく、四捨五入をした時にその値を上回るか否かという単純な基準によるものなのです。(← 余談でした。)

そうして考えてみた時に、「震度7」というのは「計測震度:6.5以上」を指すことになるのですが、「震度6強」と呼ばれる中でも「計測震度:6.0」のものもあれば「計測震度:6.4」という震度7にも近い揺れがあることを理解しやすくなるのではないでしょうか。

今回の記事で見ていきたいのは、その最大「計測震度:6.4」の地震たちです。タイトルの俗っぽい表現の意図をご理解いただけましたでしょうか?

平成時代:

1995年:阪神・淡路大震災「神戸中央区中山手」

阪神・淡路大震災を引き起こした兵庫県南部地震。当時の気象庁震度階級で「震度6(烈震)」だった気象官署の一つが「神戸(神戸中央区中山手)」です。

兵庫県南部地震
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

注意すべきは、この気象官署「神戸」が、兵庫県南部地震で最も激しい揺れを観測した地点という訳でも、神戸市を代表する揺れだった訳でもないという点です。

あくまで「神戸市中央区中山手」にあった機器が観測した値が「計測震度6.4」だったに過ぎず、場所によっては「計測震度6.5以上(=現基準でいう震度7)の地点もあったことは想定に難くありません。

2007年:能登半島地震「輪島市門前町走出*」

地方公共団体・独立行政法人防災科学技術研究所の震度観測点が増加した21世紀以降、計測震度6.4という地震は数年に1度のペースで発生することとなりました。

例えば、2007年3月25日に起きた「能登半島地震(M6.9)」では、石川県「輪島市門前町走出*」で「計測震度6.4(合成:1,303.8gal)」が観測されました。

輪島市内には、気象官署「輪島(輪島市鳳至町)」もあって、震度階級としては同じく「震度6強」を観測しているのですが、鳳至町の計測震度は6.1(同473.7gal)であり、大きな差となっています。

2011年:長野県北部地震「栄村北信*」

東北地方太平洋沖地震翌日に発生した「長野県北部地震(栄村地震)」では、最大震度6強を県境付近の栄村で「計測震度6.4」の地震が発生しました。

気象庁 > 2011年03月 平成23年3月 地震・火山月報(防災編) より

非住居を含めた値で、全壊率が3割近い地域もあったことを裏付けるように、計測震度は6.4、合成値で最大加速度は1,250.9galを記録しています。何より注目すべきは「震央距離:1.6km」という点。ここまで近くに震度観測点があること自体が稀だと思います。

令和時代:

2021年:福島県沖地震「KiK-net山元」

2020年代に2年連続で起きた福島県沖の大地震では、どちらも「震度6.4」の揺れを観測し、家屋被害が認められました。まずは、2021年2月13日夜に起きた地震です。

震源は福島県沖ですが、宮城・福島県境で強い揺れが観測され、特に「防災科学技術研究所」の強震観測網「KiK-net山元」(宮城県山元町)が計測震度6.4となりました。

周囲の被害状況などは、東北大学災害科学国際研究所の柴山・大野両氏が速報版として発表されている『福島県沖の地震における現地調査について ~宮城県南部と福島県中通り北部の建物被害~』などをご参照ください。(↓)

2022年:福島県沖地震「国見町藤田*」「相馬市中村*」

福島県沖地震 (2022年)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

前年のものと『ほぼ双子地震』として起きた2022年3月の福島県沖地震。こちらでも震度6.4を観測しており、今回は福島県内の2地点(複数)で観測されました。複数点というのは上の事例を見ても稀なことだったことがお分かりいただけるかと思います。

地震が起きた直後に日本テレビ「日テレNEWS」で下のように報じられていました。『震度6.4』というワードがトレンド入りしていたのも、一部の方がこの値の持つ重みを十分理解していたからでしょう。

そして、気象庁の「地震月報(防災編)」を画像引用しますと、国見町と相馬市が最も強かった様子。合成で1000galを超えています。

(出典)気象庁 > 『令和4年3月 地震・火山月報(防災編)』 P69
https://www.data.jma.go.jp/eqev/data/gaikyo/monthly/202203/202203tokushuu_1_3.pdf

これについて、地元の福島テレビが一般向けに分かりやすく解説してくれています。(↓)

気象庁は福島県相馬市と国見町にある震度計のデータを解析した結果、震度7に最も近い計測震度6.4を観測したと発表した。

[注3] これらの地域では、2021年福島県沖地震や11年前の東北地方太平洋沖地震をも上回る、戦後最大級の激しい揺れであったという指摘もある。実際、2021年福島県沖地震において相馬市と国見町で観測された計測震度はそれぞれ6.0と6.1であり、いずれも2022年福島県沖地震(両者とも6.4)よりも小さかった。

福島県沖地震 (2022年)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

【引用】【2011年の東日本大震災を超える揺れの場所も 3.16福島県沖地震】空ネット(3月23日放送)|福島ニュース [福テレ]

数字の上では「震度6.49」と「震度6.50」は0.01しか違いませんが、丸めた後は「震度6強」と「震度7」という1ランク差となり、報じ方、歴史への刻まれ方が全く異なります。しかし、気象庁震度階級が1ランク違うからといって、実際の被害が0.01の差で大きく変わる訳ではありません。

「震度6.4」などという見慣れない表現が出た場合でも、実は「震度7」の被害として我々が想定するような現象が(地震直後でまだ現地にメディアが入れていないだけで)起きているかも知れないと、過去の事例から想像をしておいて頂けるだけでも災害リテラシーが高まるのではないかと思います。

この表を更新するような地震が起きないことを願うばかりですが、数年に1回は「震度6.4(以上)」の地震が起きていることに鑑みれば、正しく備えることの必要性を改めて感じます。以上、Rxでした。

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