プレバト!! 俳句特待生に2回以下で昇格した参加者をまとめてみた

どうも、Rxです。
今日は「プレバト!!」の俳句査定に挑戦2回以下で特待生を決めた出場者をまとめました。

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長らく3回は才能アリを記録しないと特待生になれない時代が続いていますが、それ以前は僅か1回で特待生に昇格した人もいましたし、ここ最近はまたトレンドが少し変わってきているようにも感じます。2020年の下のnoteの記事から最新情報も追加しましたので、一緒に楽しんでくださいね~

プレバト!! 俳句特待生に2回以下で昇格した参加者まとめてみた【2020年版】/Rxのnote
https://note.com/yequalrx/n/n4bfefeae25fc

1.現行制度以前(2015年秋~)

2015年10月に「特待生制度」が始まりましたが、当初とそれ以後で制度や基準が明らかに違うので、分けて紹介します。

制度が本格的に整備される前(つまり『特待生●級』のような細かな区分けっがなく『特待生から一発で名人、その上に師範』という3段階しかなかった時代)は、才能アリ一発で特待生に認められ、次に呼ばれた時は知らないうちに『特待生になっていた』なんてこともあったのです。

要するに、昇格のハードルが今より緩めだったようなのです。ここでは参考までに載せますね。

(1)2015年:福澤朗

① 2015/07/16・才能アリ1位 80点
「診察を終えて広がる夏の海」

元日本テレビアナウンサーの福澤朗さんは2015年7月の初挑戦時に80点を叩き出します。2位は後に永世名人となるキスマイ横尾さん。横尾さんも78点と高得点だったのですが、そちらを抑えて福澤アナは一発特待生になりました。俳句査定史上初の快挙です。

(2)2015年:東国原英夫

続けて宮崎県知事だった東国原英夫さんも初登場で才能アリ1位を獲得し、一発特待生となりました。

① 2015/11/26・才能アリ1位 70点
「紅葉燃え五右衛門殿が屋根に立つ」

1例目の福澤アナは80点と高得点でしたが、東国原さんは70点と才能アリの下限。当時は、決してハイレベルの才能アリだから特待生となるという感覚ではなく、『特待生』という文字通り、見込み違いだったら剥奪すれば良いという雰囲気が見て取れます。

(3)2015年:羽田圭介【昇格後、即剥奪】

史上初めて「特待生剥奪」の憂き目にあったのが、小説家・羽田圭介さんでした。1回目の挑戦は68点と才能アリあと一歩だったところから、年末に再度出演し、技巧的な詩情を高く評価して2回目での特待生昇格となりました。

① 2015/10/01・凡人2位68点
「ワーグナー聴こえてくるよ秋の田に」


② 2015/12/10・才能アリ1位70点
「ジオラマかアクリル性の冬の波」

(4)2016年:三遊亭円楽

翌年春の三遊亭円楽師匠が初出場で72点を獲得し、通常回では最後の「一発昇格」を果たしています。その時の句が暖かく柔らかい印象のこちらでした(↓)。 ※ちなみに木久扇師匠は75点を獲得したこともありました。

① 2016/04/14・才能アリ1位72点
「み仏の指やわらかく春の風」

2.現行制度【タイトル戦 改変前】(2016年春~)

ここからは現行ルールでの昇格者を紹介します。徐々に「3回連続才能アリ」が事実上の基本となっていった中で、それを覆すこととなる2回以内で特待生になるのは本当に難しいことです。

(1)2016年:村上健志

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『特例』的に2回で特待生昇格を果たしたのが今や永世名人のフルーツポンチ【村上健志】さんです。

① 2016/09/29・才能アリ1位 75点
「コスモスや女子を名字でよぶ男子」

② 2016/11/24・才能アリ1位 78点
「テーブルに君の丸みのマスクかな」[秀]

2回連続で70点台後半というハイレベルな成績で特待生に昇格した「スーパールーキー」は、約1か月後に行われた2017年新春の一斉査定でもすごかったです。『初日記とめはねに差すひかりかな』が絶賛され、俳句査定史上初となる「2ランク昇格」を果たしました。

その後は約2年間、3回以上での特待生昇格が続きます。むしろ、4回以上参加して特待生昇格が叶うケースが増えつつあった中、2019年に入ったところで状況が大きく変わります。

(2)2019年:鈴木光

2019年新春スペシャル「番組対抗戦」で、プレバト!!チーム(立川志らくさん)を破る句で「75点」を獲得した【鈴木光】さんが、2年3か月ぶりに見事な活躍を見せてくれました。そして、2回で特待生昇格を果たしています。

① 2019/01/03・才能アリ1位 75点
「賽銭の音や初鳩青空へ」

② 2019/02/14・才能アリ1位 72点
「教室のわたしを富士へ白き梅」

1回目は直しなしで大絶賛されました。2回目も『白き』で少しアドバイスが入った程度で、助詞の使い方を讃えられるなど、ほぼパーフェクトな成績を残し、結果的に師匠(?)と仰ぐ村上名人以来となる「2回目昇格」を果たしました。

師匠同様のスピード出世が期待され、タイトル戦などでも活躍する『才媛』ぶりを発揮してましたが、特待生3級を最後に出演が終了。2021年をもって芸能界を引退され、あの『東大王』でも直接テレビに出演されなかったことを思うと、再出場は東国原名人以上に難しいかと思われます。輝かしい活躍ぶりばかりが記憶に残ります。

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(3)2020年:春風亭昇吉

翌2020年に「2回目昇格」を決めたのが、【鈴木光】さんと同じく東京大学出身で、高学歴落語家などと紹介される【春風亭昇吉】さんでした。

① 2020/05/07・才能アリ1位 72点
「風信子数にあまれる失意あり」

② 2020/06/04・才能アリ1位 75点
「万緑に提げて遺品の紙袋」[秀]

夏井先生からは2回とも『俳句の骨法が分かっている』などと評され、難しい句に挑戦していることが絶賛されています。そして、鈴木光さんに続き東京大学から2人目の「2回目での俳句特待生」が誕生することとなったのです。

鈴木光さんは初出場時でしたが、昇吉さんは2回目で「75点」を叩き出しました。どちらも年間最高得点を叩き出した句を引っさげての鳴り物入りで特待生に昇格となっています。

(4)2020年:林修

これまで「特別」な査定は行われてこなかったプレバト!!ですが、一発名人査定として、東京大学卒で現代文・塾講師の【林修】先生が登場しました。その時に示されたのが以下の3句(↓)。

① 2020/09/24・才能アリ
 「望月や無駄一つなき我が板書」
→「望月は明し無駄なき我が板書」
② 2020/09/24・才能アリ
 「おつかいの坂や新米二十キロ」
③ 2020/09/24・才能アリ
 「月煌々実朝のやぐらをぐらし」
→「実朝のやぐらをぐらし月煌々」
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3句中2句に添削が入りましたが、結果として3句とも「才能アリ」クラス。最終結果は、名人にこそ届かなかったものの、飛び級で特待生1級に格付けされました(結果的に林先生はその後番組に出演していないので、単発企画だったと認識しています)

通常回で挑戦していたら、3句目で特待生1級に昇格するほどの圧倒的な感じではなかったかもしれません。
でも、「名人初段」を基準とした企画だったからこそ、この「特待生1級」からのスタートになったのかなと思います。もし「1回で特待生昇格?」という企画だったら、文句なしとはいえ特待生5級からのスタートだったかもしれません。

いずれにしても1回目の挑戦で特待生に昇格するのは、現行制度になってからは初めてです。それに、「1級」からのスタートというのは、他の査定を含めても類を見ない形かと思います。

(5)2020年:武田鉄矢

ここまで3回連続で東京大学出身者が続きましたが、次はちょっと特別です。夏井先生の方から「特待生」を認める発言があった(国語の教育啓蒙活動でも知られる)歌手・タレントの【武田鉄矢】さん。

① 2016/06/16・才能アリ1位 75点
「あじさいや三日続けて昼は蕎麦」[優]

② 2020/12/03・才能アリ2位 71点
「寒き喪の列にジーンズひとりあり」
 →「寒き喪の列ジーンズの人ひとり」

初登場で75点という高得点を獲得し、才能アリ1位になった【武田鉄矢】さん。日常の些細な出来事を『あじさい』という季語と組み合わせ、17音で俳句に仕上げられることを絶賛されていました。そして発表から4年後の2020年6月放送の特別企画「歴代俳句ベスト50」では、名人・特待生の句の中に混じって「優秀句」に選ばれ、ベスト50入りを果たしています。

そして2020年の年末には4年半ぶりに通常査定に参加し、上智大学卒のサーヤさんに惜しくも首位は譲りましたが71点の2位という高評価を得て、同年3例目の2回目での昇格を決めたのです。なお初出場から4年を経てというのは最長スパンです。

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ちなみに、通常昇格する場合は浜田さんから「特待生」に上げても良いか講師に諮問されます。しかしこの時はまだ2回目の挑戦で、機運がそれほど高まっていなかった中、浜田さんが声をかける前に夏井先生の方から『特待生』の声が上がったのです。これはかなり珍しい例でした。

3.現行制度【タイトル戦 改変後】(2021年~)

コロナ禍が進んだ2021年は、番組で年に4度やる「タイトル戦」にも改変が行われました。即ち夏は、『俳句ポスト』を模した『才能アリ経験者全員参加可能』な大会となり、冬は、前年の優秀作品を詠んだ人物であれば段位を問わず出場することが叶うようになりました。

2021年の炎帝戦は『犬山紙子』が、2022年の冬麗戦は『森迫永依』が一般参加者ながらタイトル戦優勝の下剋上を果たし話題となりましたが、反対に『通常回2回のみ出場』での特待生はしばらく誕生しなくなります。答えは単純で、『2回出場のみで特待生』となるほど優秀な作品を詠めば、1回出場した段階でタイトル戦に招致されるためです。

また、(特別)永世名人の出場が毎週のように行われるようになったり、一般参加者の出場枠が4人となったりするなど、マイナーチェンジが続いたことも『特待生』がなかなか生まれにくい状況を作っていったと分析しています。結果的に、2023年2月16日の放送で特待生が複数誕生(上記の森迫を含めると3人同時)するなど、ルールの模索を経て、約3年ぶりに新たな事例が誕生することとなります。

(6)2023年:水野真紀

これまで2回で特待生となる人物は、2回のうちいずれか片方が75点という年間最優秀句レベルであることが事実上の条件となっていました。しかし、2023年後半の水野真紀さんは、そこまでの表面的な実績がある訳ではないものの、2回連続才能アリで特待生昇格となりました。

① 2023/07/06・才能アリ1位 72点
「冷やし中華明日も朝練あるってよ」

② 2023/10/19・才能アリ1位 71点
「オーディション帰り渋谷の秋そぞろ」

1句目は私も好きですし、2回とも添削ナシだったことは評価しますが、ここらへんから若干事実上の緩和が起きたようにも感じています。

(7)2024年:内藤剛志

今言った傾向が顕在化したのが2024年の内藤剛志さんでしょうか。河井ゆずるさんが1回の凡人査定を挟んだものの73点や久々の74点というハイレベルを重ねて実力が認められたのと比べると、内藤さんは点数は地味でしたが2回出場で特待生を掴んでいます。

① 2024/02/15・才能アリ1位 71点
『本職に黙礼される今年も春』

② 2024/05/09・才能アリ2位 70点
『虹の下クレヨンの箱踊り出す』

1回目は、刑事ドラマ常連の内藤さんらしさ全開で夏井先生も強く評価していました。それでも句材は良い一方で添削が入るなど満点ではないデビュー。そして2回については決してずば抜けた出来ではなかった上に接戦での2位だったことを鑑みると、過去3年間出ていなかった2回出場が連発するようになったのは、事実上の緩和措置かも知れません。

この記事は『偉業』レベルの2回特待生を取り上げてきた訳ですが、とりわけ2023年以降は、少しその価値が従来の印象と比べて下がり、年に複数回など頻発しやすくなっているかも知れません。

(8)2024年:蓮見翔(ダウ90000)

まさかYouTubeでパロディー企画をやっていた蓮見さんが、本当に特待生になるとは何たるドラマ……
ダウ90000・蓮見翔さんは、通常査定ではその実力は未知数でしたが、むしろその後が凄かったという印象です。

従来の基準ではなかなか考えにくかったのですが、2024年5月には前述の内藤さんに続いて同月で2人目の『2回出場特待生』が誕生しました。1回目も2回目もまだ荒削りな面はあるものの詩心や着眼点は目を見張るものがあったことは事実です。

① 2024/04/18・才能アリ1位 71点
『故郷と同じ遊具や春の風』

② 2024/05/30・才能アリ2位 71点
『部屋からは洋画の予告夏の雲』

他方やはりここでも特待生昇格の回が『2位』だったことを思うと、相対的な得点でなく、句の出来や特待生としてやっていけるかを見定めるという初期の風潮に戻ってきた感すらあります。

蓮見さんの存在を名人たちに認めさせたのが、一発でなく実力が問われる予選決勝方式で行われる2024年夏のタイトル戦でした。

北海道・東北ブロック1位
『釧路駅知らないコンビニの冷房』


2024年炎帝戦・決勝1位
『夏暁の納沙布FMのノイズ』

1句目は中七以降が破調ですし、2句目は句またがりがしっかり成功しています。1句目は村上名人のような、2句目は東国原名人のような実力者を彷彿とさせる出来であり、少なくとも特待生5級でなく只者ではないと感じさせるには十分すぎる内容でした。

そもそも『特待生』なのだから、上げてダメなら落とせば良いというスタンスも、夏井先生の根底にはあるように見え、その期待に答えられず特待生5級で足踏みする時間が長い人も少なくない中で、蓮見さんは新たな『スーパールーキー』感をどこまで示せるか注目です。

(9)2025年:三宅香帆

2025年に入ってタイトル戦常連の【かたせ梨乃】さんが特待生となり、似た境遇の【安藤和津】さんが特待生に続くかと期待された2025年2月。1位が特待生となることが事前に明かされた中で、安藤さんを抑えて1位となったのが『俳句』の実力は未知数だった三宅香帆さんです。

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『新書大賞』を堂々1番人気で制した『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』もさることながら、これに続く著作に『「好き」を言語化する技術』などを執筆しているため、浜田さんから煽られ気味な三宅さん。それでも京都大学文学部卒で書店店長で学生著作家デビューしたりとエピソードには事欠かない中で、「プレバト!!」俳句査定にうまくチューニングしてきた印象だったのが2回目の句でした。

① 2024/11/21・才能アリ1位 70点
『冬ざれの砂丘踏む音や置き土産』

② 2025/02/27・才能アリ1位 71点
『春宵や初稿とエレシバター缶』

直接的な文学を書く作家ではない印象ですが、1句目でも『詩心』を高く評価されていましたし、2句目はオリジナリティが担保された上で、何より『エシレバター』が見事にきいていました。夏井先生やおっちゃんのようにご存知ない方は(↓)こんなパッケージのものですよとお伝えだけしておきます。

フランス・パリから日本の高級スーパーなどに並ぶ長い名称の商品を句に織り込むことすら平然とやってのけるあたり、これは特待生に上げたくなる気持ちは分かりますし、すでに2026年の冬麗戦に一般参加者からお声がけがあってもおかしくないと感じてしまう完成度だったように思いました。今後が楽しみです。

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