「プレバト!!」俳句査定の年度ごとの最高点な俳句をまとめてみた【2023年度:75点まで】

【はじめに】
この記事では、「プレバト!!」の俳句査定で、年度ごとに最高得点を獲得した俳句を纏めていきます。2013年度に始まった俳句査定において、各年度の最高得点をみていくだけでも色々なことが見えてくるかと思いますので、ぜひ最後までお読みいただければと思います!

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80点台の時代:2013~16年度

「プレバト!!」の俳句査定は、2013年12月に始まり、すでに10年近い歴史があります。平場のルールが極端に変わった訳でないのですが、結構大きく変わった点として挙げられるのが「得点分布」です。

プロキオンさんなどのブログ記事をご覧になっている方や番組初期の視聴者の方はご存知でしょうが、初期は才能アリの得点が今よりもかなり高かったのです。

番組途中で今のような70点台前半に収斂していくのですが、そうなる2017年度までは、結構80点台が出たこともあったので、それを軽く振り返っていきます。

2013年度:85点『頬紅き少女の髪に六つの花』/梅沢富美男ほか

番組最初期は、出場者が今の倍近くだったことに加えて、○点以上が凡人といった基準も明確でなかったこともあってか、今とは異なる得点分布でした。(詳細については下のnoteをご覧ください)。

当初は本当に100点満点で評価しようとしていたのであって、最初期には「80~85点」が1位の目安という頃もあったほどだそうです。初期の85点の中でも最も著名だと思われるのが、おっちゃんこと後の特別永世名人・梅沢富美男さんの初挑戦の1句。

『頬紅き少女の髪に六つの花』/梅沢富美男

この句に始まったおっちゃんと俳句との旅の幕開けに相応しい1句だと思います。

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2014年度:88点『空の底強き風恋ふ水芭蕉』/杉山愛

そして、番組史上最高得点であり、おそらく今後塗り替えられることのないであろう「金字塔」となっているのが、2014年6月19日に、ピース又吉直樹さんの85点の句を抑えた、杉山愛さんのこちらの句です。「88点」で、高得点が減っていく前の俳句査定はじまって半年の傑作です。

『空の底強き風恋ふ水芭蕉』/杉山愛

杉山さんも又吉さんも番組初期の功労者であり、梅沢さんの一般参加者時代の実績と比較しても遜色なかったことを思うと、まさに『伝説の特待生・名人候補』といえると思います。

まだ俳句の基本も十分に視聴者も参加者も理解できていなかった時代に、平然と『一物仕立て』の句を投げつけてきては、夏井先生も高評価せざるを得なかったのだろうと感じますね。

2015年度:83点『向日葵の波に逆らひ兄逝きぬ』/筒井真理子

番組当初のように85点が連発することがなくなった2015年度の中にあって、突出した高得点だったのが、後に特待生となる【筒井真理子】さんの代表句です。

『向日葵の波に逆らひ兄逝きぬ』/筒井真理子

おじさんが学徒出陣によって戦争に駆り出され戦死。その経験をした母に成り代わって詠んだという句だそうですが、『逆らひ』と『ぬ』という古さを覚える言葉遣い/表現によって様々な想像が広がる点で強く印象に残る作品でした。

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2016年度:80点『ベル鳴りて立つ七色の夏帽子』/ミッツ・マングローブ

2016年度をもって80点台の登場はなくなり、本格的な「特待生」の時代へと移っていきます。実力者が特待生に昇格していくことで、得点をつけられる場面が減ったことも一因としてありますが、この年の秋から冬にかけて70点台後半を連発した“スーパールーキー”ことフルーツポンチ村上さんであっても80点の壁が越えられなかったことを思うと、この80点は金字塔だと思います。

『ベル鳴りて立つ七色の夏帽子』/ミッツ・マングローブ

2015年1月に初挑戦した時の『家路就くコートの波をご出勤』(史上唯一の74点)の印象が強かったのに対して、こちらの句は実に優しくハツラツとした感じを受ける作品です。音読した時の「な」の音の畳み掛けも、色彩的にも、ベルの聴覚的にも、夏の触覚的にも楽しめる傑作でした。

70点台の時代:2017年度~

そして2017年度に入ると、76点以上が登場することもなくなり、「75点」が事実上の満点となっていきます。そうした意味で、ここから先は下の記事と大部分が重複していくこととなります。(↓)

具体的に書いてしまえば、「年度」という区切りで行くと、2019年度を除く他の年は「75点」が年度内の最高得点となっています。

  • 2017年度:75点(2組)
    1. 『もてなしの豆腐ぶら下げ風の盆』/柴田理恵
    2. 『子らの引く綱の雄々しく匂ひけり』/武井壮
  • 2018年度:75点『賽銭の音や初鳩青空へ』/鈴木光
  • 2019年度:73点(複数名)
  • 2020年度:75点『万緑に提げて遺品の紙袋』/春風亭昇吉
  • 2021年度:75点『冬天よ母を泣かせて来る街か』/福田麻貴
  • 2022年度:75点『喪服着てメロンソーダの列に居る』/犬山紙子
  • 2023年度:75点『鯖喰ふや係船柱の錆硬し』/武井壮

鈴木光さんの新春の俳句が2019年1月(=2018年度)という区分けとなるため、2019年度は73点が期間中の最高点でした。そこからは年度ごとに1作品程度「75点」が誕生しているのですが、実際には1年半とか2年近い間隔が開くことも珍しくないレアな高評価なことは抑えておきましょう。

もちろん「75点」が最高点という公式のアナウンスがあった訳ではないので、76点以上が誕生する可能性もゼロではないと思います。「5点 → 3点」や「2ランクアップ」の時がそうだったように、夏井先生は1度その得点を出すとハードルが下がって頻度が高まる傾向にあります。

今年度以降、75点(以上)が出てくるのか、楽しみに待ちたいと思います。To Be Continued…

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