レースレーティングの平均値で“グレード”を再分類してみた【2023年版】

【はじめに】
この記事では、JRAなどが発表する「レースレーティング」の平均値をもって、日本競馬の重賞のグレードを私(Rx)が大胆に再分類してしまおうと考えています。どんな考えか、早速みていきましょう!

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本記事での基本的な考え方

JRAなどが発表する「レースレーティング」について、私もそれが万能だとは思ってませんが、客観風であることや国際的な基準とされていることから、今回はこれを絶対視した形での「グレード」を検討していきたく思います。

ちなみに、日本競馬は『芝 > ダート』、『中長距離 > その他』という傾向が顕著ですが、全般的には『国際基準を基本的に上回っている』ということは自信を持って言えるところです。

これについて基本情報を纏めると、以下の通りとなり、大体「2.5ポンド」ぐらいは上となっています。

国際基準JRA平均(概算)
G1115.0117.5(+2.5)
G2110.0112.5(+2.5)
G3105.0108.5(+3.5)

国際基準を遥かに上回っているからこそ、『国際基準に満たず、降格が懸念されるレース』はJRAには数える程度しかないのです。

ただ一方で、国際基準を文字通りの基準としてしまうと、『G2の上の方は国際基準ではG1』、『G3の真ん中以上は国際基準では全部G2』という状況になってしまいます。そして、レースによっては諸事情で『G2 < G3』となる逆転現象が起きてしまっているものも見受けられるのです。

そうした結果、多くの競馬ファンが感じているとおり、同じ『G1』、同じ『G2』といった格付けの中でも、レース間にレベルの高低が見受けられます。それを大胆に再分類しようというのが今回の記事の趣旨となります。

Rxレースレーティング・グレード案

ここから、私(Rx)の考えた「グレード」案についての説明に移ります。暫定名として『Rxレースレーティング・グレード』とでもしておきます。概要は以下のとおりです。

  • レースレーティング(年始に発表されるもの)を集計対象とする
  • 集計期間は、JRAなどの倍の「直近6年間」とする
  • 2歳戦は「+5ポンド」、牝馬限定戦は「+4ポンド」の調整を行う
  • レースレーティングを「2.5ポンド刻み(切り下げ)」でまとめる

以上を基本とした上で、『2.5ポンド』で“実際のレースの格”をまとめていきたいと思います。なお、この企画の趣旨は『G1やG2を減らす』ことではなく、今の現行の格付けはそのまま『実力のグレード(格)』を把握し直して、競馬に関する様々なことを検討する際のヒントとしてもらいたいだけです。

パート1国となって以降、かつてのようにJRAやNARの気分で重賞を増設したり、商業的な理由で格上げを行うことが困難になりました。まだ『新設』や『格上げ』は出来ても、現状『ギリギリG1/G2』という状況のレースを積極的に格下げする動機は、私としても全くありませんとお伝えしておきます。

  • 案①:国際基準に則り「G1:115ポンド」、「G2:110ポンド」以上
  • 案②:国内平均にもとづき「G1:117.5ポンド」など、国際基準+2.5ポンド

とし、中央に「117.5ポンド以上」を配置。両端に行くに連れ、2.5ポンド刻みでレートが下がっていきます。左側に2~3歳限定戦、右側に古馬重賞を並べているイメージです。(↓)

なお、表示してるのは「110ポンド」以上で、国際基準ではG2以上、国内平均でみるとG3のじょうです。

冬競馬(1~3月)シーズン

まずは、ドバイワールドカップ・デーや高松宮記念が開催される3月最終週までを見ていきましょう。

恐ろしいことに、この時期に開催される国内G1/Jpn1は6年平均が115ポンドに達しておらず、厳しく言えば『G1の目安に達していないG2レベル』という見方になってしまいます。

むしろ単純平均では、京都記念、中山記念、金鯱賞といった方がG1に近いレートを示しており、中東の高額賞金の多い大型開催に一流馬が流出していることも納得せざるを得ない状況となっています。

また、あれだけあったはずの3歳トライアルレースも、2・3月に牡牝で1レースずつに収斂してしまっているのも注目に値するでしょう。この表に掲載されていないトライアルG2と、2月に記載されているのに間隔が広く優先出走権が付されていないからか、G3に据え置かれているレースといった具合に、逆転現象が顕著なことがここからも窺えます。

春競馬(4~6月)シーズン

いよいよ中央で芝G1が開幕してから、地方・中央の春競馬の総決算までを一つの表としてみましょう。

牝馬限定G1は4ポンドを加えても115ポンド級です。牡馬混合のクラシック+古馬中長距離路線が全て117.5ポンドを超えている昨今は、春競馬も相当に充実していることが分かります。

また、安田記念こそアーモンドアイなど中東返りの一流馬も参戦したことで117.5ポンドを超えていますが、高松宮記念やNHKマイルCは115ポンドすら下回っているなど厳しい状況です。

夏競馬(7~9月)シーズン

夏競馬という観点でいくと、やはり『札幌記念』のレートの高さが際立つ反面、他は110ポンド未満が殆どです。そういった中でも、クイーンSや札幌・新潟の2歳Sは110ポンドを超えており、9月になるとようやくG2付近のレースが増えてくるようになります。

「凱旋門賞」のステップに使える国内の中長距離重賞が全くないことが一つの苦しさだという風に感じてしまうのはこの辺りです。『札幌記念』を夏競馬唯一のG2とすることが果たして本当に良いのかは、意見が分かれるところだという風に感じています。上の記事もご参照下さい。

秋競馬(10~12月)シーズン

過密っぷりが極端にも思える秋競馬シーズン。各路線が雑多に混在していますが、20世紀のような「月1回ペースで4回出走」していた頃のレーシングカレンダーは既に古く、一線級は2回ぐらいしか使わない前提に立ってのレースカレンダーの整理も必要ではないかと感じています。

課題もかなりあって、それこそ本気で地方競馬の国際化を目指すのであれば、「JBC競走」と本家・米BCが同じ日程というのはナンセンスですし、2歳重賞が11月、2歳G1が12月に集中しているのも疑問です。古馬中長距離については、1着馬に優先出走権が与えられるのに該当G1はほぼ素通りされていますし、『ジャパンC』の開催時期については効率的な資源分配ではないようにも感じています。

そして、この表に入っていない「平均110ポンド未満」の重賞についても、重賞馬を輩出するといった意味で有意義ですが、G1に直結していないという点において上の表に登場する重賞とは少し視点を変えて捉える必要すらあるのかも知れません。

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ややシビアな見方をしてしまっているかも知れませんが、『G1馬』や『G2馬』と言われる様な形での「グレード」の表面的な部分だけでなく、実質的な格付けをもって捉え直すことによるメリットもあるのではないかと思いを巡らせていただければ幸いです。

ご意見などありましたら、ぜひコメント欄にお寄せ下さい。皆さんなりの分類も記事として頂ければ、より楽しくなろうかと思います。

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