「遠州灘」を震源とする地震についてまとめてみた

【はじめに】
この記事では、気象庁の「震度データベース検索」を利用して、「遠州灘」を震源として起きた、過去の地震についてまとめていきます。

2022年5月9日に起きた地震は、速報値では「伊勢湾」が震央とされていました。その時に作った記事は下にあるので、そちらもぜひお読みください。

「遠州灘」を震源とする有感地震は2桁回数

浅め(深さ0~100km)の地震

まずは、規模(M)が特定されている深さ100km以浅の地震から。10年ごとの有感地震の回数をまとめました。下の図になります。

気象庁 震度データベース検索 より画像内の条件で引用(該当のない震度5強~7を削除する加工済)

「昭和東南海地震」が起きた1940年代は回数が増えていますが、その他は足許でも「5回以内」という値になっています。静岡県中西部から志摩半島付近までの太平洋を領域としていますが、地震の回数としてはかなり少ないといった印象です。

深め(100km~)の地震

一方、深めの地震については、震度3に達することも稀で、大体震度1~2が最大です。下の図のとおり、2010年代が少し多いですが、基本的には数年に1回あるかどうかというペースで推移しています。

気象庁 震度データベース検索 より画像内の条件で引用(該当のない震度5~7を削除する加工済)

震源の深さとしては、昭和以降の有感地震は全て250kmより深い深発地震で、例外なく関東地方などで震度が大きくなる特有の震度分布(俗にいう「異常震域」)をたどります。

中規模地震(M5以上)は二十数回

次は中規模地震(M5以上)に絞ってみてみます。まずは浅めの地震からです。

浅め(深さ0~100km)の中規模地震

気象庁 震度データベース検索 より
・地震の発生日時 : 1920/01/01 00:00 ~ 2022/05/11 23:59
・地震の規模 : M 5.0 以上、M 9.9 以下
・震源の深さ : 0km 以上、100km 以下
・震央地名 : 遠州灘

最大震度は、一番下にある臙脂色の丸です。1944年12月7日、昭和東南海地震の起きた当日、本震の起きた直後に発生したM5.8の地震です。断片的にしか震度データが残されていないのですが、三重県の「津」で震度5(強震)を観測しています。

M6クラスに広げると、1971年(M6.1、愛知・三重県の5地点で震度4)、1997年(M6.0、伊良湖などで震度3)が発生しています。そして、直近では2011年8月12日に、M5.2(最大震度2)が発生しています。

深め(100km~)の中規模地震

こちらは、2022年の最新のデータまでを含んだ「深め」の地震群です。1924年の地震を除いて、全て深さ300km前後の深発地震(青い丸)となっています。

気象庁 震度データベース検索 より
・地震の発生日時 : 1920/01/01 00:00 ~ 2022/05/11 23:59
・地震の規模 : M 5.0 以上、M 9.9 以下
・震源の深さ : 100km 以上、999km 以下
・震央地名 : 遠州灘

おおよそ十数年に2回程度といった頻度で起きている印象です。震度3に達した事例は2回のみで、1924・1952年の事例が該当します。

気象庁 震度データベース検索 より
https://www.data.jma.go.jp/svd/eqdb/data/shindo/#19521026174106

1952年のこの事例(296km、M6.4)に限りませんが、やはり深発地震ということで、関東地方を中心とした東日本で震度が大きくなっています。この傾向は、2022年に起きた2例でも顕著で、東北から北関東を中心に震度2に達しました。

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