【はじめに】
この記事では、私(Rx)がTwitterで頻繁に呟いている「(NHKのど自慢の)禁止曲」について、今、改めて私見を整理してみようと思います。
「禁止曲」という言葉の基本情報について
NHKのど自慢における「禁止曲」に関する基本情報……というか、誤解を解いておきたいと思います。
見かけたことのある方は、まずご存知かとは思いますが、誤った理解をあらかじめ解消するためにも、初歩中初歩に感じられる方もいるかも知れませんが、基本情報を書かせて下さい。
この2点を決して誤解されないよう、基本情報の確認をさせていただきました。仮に、本戦に出場できたり、予選を通ったりした方でも、NHKの方やテレビの放送上で、この言葉を使うことは私からも決してオススメできませんよ(^^;
一般的な意味での「禁止曲」について
まず、私の使うニュアンスと違う意味合いでの「禁止曲」についても軽く触れておきたいと思います。
- この曲、人気なのは分かるけど、流石に歌われ過ぎじゃない?
- NHKに関連する曲だから、どっか贔屓してるんじゃないのー?
- なんか前もこの曲を歌ってる人いなかった? そんなに人気?
みたいな事情というか感想が前提にあって、毎週のように「NHKのど自慢」を観ている人からすると、
みたいな(半分冗談で)言うネットスラングのノリに基づくフレーズかも知れません。一昔前でいう所の『 ま た お 前 か 』(ニコニコ動画などで見かけた表現)のニュアンスを多分に含んでいる様に感じます。
むしろ、私が本格的に「禁止曲」という言葉を下の意味で使うようになる前は、このニュアンスで使っている人の方が多かったように記憶しています。
ちなみに私は最近「定番曲」という言い方をしています
私はここ最近、上のニュアンスを含んだ曲に対し、別のフレーズを命名しています。それは「定番曲」です。実態として、歌われている頻度・回数が多いという意味では、「定番曲」というフレーズの方が正しいんじゃないか? と思うようになってきている次第です。
私(Rx)の使う(本当の意味での)「禁止曲」について
では、私(Rx)の考える、本当の意味での「禁止曲」とは何か、ここから本題に移っていきます。上の「定番曲」には、考慮されていない要素があります。それは「合格率」という概念です。言い方を少し穿った見方で言い換えさせてもらえれば、「合格のしやすさ」となるかと思います。
一つ代表的な歌手を紹介しましょう、「AI」さんです。典型例を3曲ほどお示ししますね。
(合格率の低い例)『ハピネス』/AI
- コカ・コーラ 2011クリスマスキャンペーンCMソング。
『ハピネス』は手元にデータのある2017年度以降だけでみても9連敗を記録、2023年10月にようやく長期連敗を止めました。平均した合格率が3割であることを思うと、(30%の9乗は4%ですから、)かなり厳しい評価が続いていたことが窺えます。
他にも、『みんながみんな英雄』や『ママへ』といった感動を呼びそうな楽曲であっても苦しんでいることが窺えます(2023年度末時点)。他方、もちろん歌う人の歌唱力や周囲の環境に左右される面もあるものであるため、これが絶対的なものでないことは申し添えておきます。
(合格率の低い例 → 高い例)『アルデバラン』/AI
上記最後に書いた文言の典型例となったのが、朝ドラ『カムカムエヴリバディ』の主題歌でもあった『アルデバラン』です。歌われ始めた当初は連敗が続いていたものの、途中からトレンドが代わり、「●」:不合格から、「◯」:合格が連続していることが窺えます(↓)。
このように、初登場から5連続不合格で、6回目にして初合格となり、そこから連勝となっています。もちろん、楽曲そのものが変わった訳ではないため、トレンドの違いといったフワッとしたものでしか認識することができません。
(合格率の高い例)『Story』/AI
こちらは、私の手元にある「2016年度」以降に歌われた、AIさんの『Story』の星取表です。ちなみに「◎」はその回のチャンピオンを意味しており、合格の意味も含まれます。
- 2016年度:○○●C
- 2017年度:○◎○○●
- 2018年度:●○◎●○
- 2019年度:●○●○
- 2021年度:◎
- 2022年度:C○●
- 2023年度:○●
約8年半で22回も歌われている「定番曲」であることは間違いないのですが、前述の『アルデバラン』と決定的に違うのは、白星(合格)の多さ、率の高さです。22回中14回合格していて、合格率にすると63.6%となります。
繰り返しになりますが、全体の合格率の平均が「3割」であることと考えると、『Story』の合格率は、通常の曲の「倍以上」という偏った値となっているのです。
恐らく大半の方は、こうして「合格率に差」があることを全く気にしておられないのではないかと思います。仮に毎週見ていたとしても、そういう目線で見ていなければ、気づかないのかも知れませんね。
曲や選曲者を叩くのが目的ではなく、合格しやすさに差があることを広めたい
SNS上でやや過激な表現を使ってしまうことがありますが、もともと、この概念を生み出した時点での本来の目的は、(今もそうですが)楽曲そのものやその曲を無意識に選んだ人を叩くことを目的としているのでは決してなく、
「多少過激表現を使ってでも『合格しやすさに差』があるのを多くの人に広めたい」というだけです。ここをまず前提として共有したいと思います。
それに加えて、「合格しやすい曲」が仮にあったとしても、そのこと自体に当然罪はないですし、番組から禁止されていないのですから、選曲しても歌っても問題はありません。楽曲にも貴賎はないです。(ここの誤解も早い段階で解いておきたいと思います。)もし、「合格しやすさ」に差があることがある程度の人々に定着をしたら、私の「のど自慢」実況は役目を終えるかも知れませんね。
「合格しやすい曲」になりやすい曲の傾向について
「禁止曲」には、幾つかパターンらしきものもあるので、それを経験則で少しまとめてみました。
- 一般に「名曲」として認識されているもの
- 雰囲気が壮大だったり、歌詞が泣かせるもの(← 雰囲気曲)
- エピソードトークとリンクしやすいもの(← 家族愛や哀悼の思い)
- カラオケなどでの高得点の定番曲
- 一見すると難しそうに聞こえるけど、それなりに上手い人には武器になる曲
例えば、『花/中孝介』や『花束のかわりにメロディーを/清水翔太』、『花になれ/指田郁也』、『home/木山裕策』といった曲だったり、『魂のルフラン』や『紅蓮華』といったアニメソングなどは、上の基準を幾つか満たしていることもあり、安定して高い合格率を維持しています。
一方で経験則的には、「定番曲」のうち『365日の紙飛行機/AKB48』、『負けないで/ZARD』、『TOMORROW/岡本真夜』などは合格率がかなり低い(1桁の時期も)傾向にあります。
もちろん「うまく聞こえる曲」や「人々の心を動かす名曲」を選ぶことは作戦として有力なのですが、これを全国の出場者のかなりの方々がやってしまった結果、合格率が跳ね上がってしまっているのも、またある程度、「合格率の歪み」として露出してしまっているのも事実なのです。
番組側にも「迷った時の『禁止曲』疑惑」
半分、エンターテインメントとしてお読み頂きたいのですが、番組(NHKのど自慢)側としても、やっぱりこういう分かりやすい曲は、番組を構成・盛り上げる上でも重宝されると思います。そこで私が、タイムライン上でも時々感じる疑惑(?)の一つに、「迷った時の『禁止曲』疑惑」があります。
- なんか、おんなじぐらいの歌唱力だけど、こっちの方が良く聞こえる気がするから、こっちを「合格」させよう とか、
- 皆んな歌がうまくてチャンピオン選ぶの難しいなぁ~ でも、あの曲は感動的だったし、この人をチャンピオンにしようかな
みたいな本能が、NHKの審査員の方々(念のため言っておきますが、のど自慢の審査をしているのは、鐘を鳴らしている秋山気清さんではなく、裏方の方々です)の心理にも影響を及ぼしているのではないかと感じるのです。
そんなことは……ないと信じたいのですが、番組を一定期間見てると、そういう傾向が垣間見える瞬間に結構出くわすので、そこがちょっと気になります、正直(^^; 皆さんも興味のある方は番組をご覧になってみてください。私の気のせいかも知れませんし!
「禁止曲( ≒ 合格しやすい曲)」に関する注意点
そして、こうした「禁止曲(≒合格しやすい曲)」について、主体によって幾つか注意すべき点があるかと思いますので、主語で分けて幾つか雑感を述べていきたいと思います。
【視聴者編】皆さんは雰囲気に流されないで!
「禁止曲」の説得力は凄まじく、時に「NHKのど自慢の審査員」すら雰囲気に飲み込んでしまっているのではないかと感じるほどです。確かに、過去の合格率の高い曲を選んだ方の歌唱を聴くと、押し並べて全部良く聞こえてしまうのは事実です(^^
ただ視聴者の皆さんには、どこか冷静に「合格しやすい曲」があるのかも知れないという概念を頭の中に持っていて頂けると幸いです。即ち、上の例でいくと、
あっ、AIさんの『Story』をこの人は歌うんだ。
この曲は3回に2回は合格する曲だから、
ひょっとすると合格しやすいのかも。
この目線を持ち合わせているだけでも、逆の言い方をすれば、『さっきの人の方が歌唱力が上な気がするのに、なんでこっちだけ合格するんだ、審査員おかしいんじゃないか?!』などと怒り心頭に発することが減るかも知れません。『ああ、この曲は合格しやすい傾向にあるもんね。まあそんなもんか。』ってな感じです。(←そんな視聴者も嫌っちゃあ嫌ですがww)
遥か昔の『電車男』の「爆撃 → 衛生兵!」のAA(アスキーアート)ではないですが、この曲は要注意という見方をすることで、番組の違った側面が見えてくるのかも知れません。私がTwitter実況を始めた頃は、確か『WINDING ROAD/絢香×コブクロ だ、逃げろ!』みたいなネタツイートをしていた覚えがありますが、そんな感じです。
【審査員編】横だけでなく縦の目線でも審査をお願いしたい
見ていないに決まっていますが(^^ もし仮に「NHKのど自慢」の関係者の方がご覧になっているとしたならば、ぜひ「のど自慢の審査」に当たって、「横だけでなく縦の目線」ももう少し採り入れて頂きたいと思います。具体的に説明しますと、
結構あるのが「この曲を歌う人はみんなこれぐらい歌う」パターンです。『毎週のカラオケが趣味で、自身をもってこの曲を選んでくる』人が毎週数名いらっしゃいます。確かにそういう方は平均しても、通常の出場者よりもワンランク歌唱力が高いです。
しかし、そういった方々は経験則で「自分がうまく聞こえる」曲を選ぶスキルにも長けていて、場合によっては『禁止曲』の力を頼って合格を狙いに来るパターンも無いとは言えません。だからこそ、楽曲による差があることを認めたうえで、『今回の出場者の中では多少うまいけど、過去にこの曲を歌って合格した人たちに比べたら遥かに劣るよなぁ……』みたいな視点も持ち合わせて欲しいのです。
そうしないとどこまで行っても、差は縮まるばかりか広がっていく一方です。
そして、この前提にあるのは、「合格組数に目安があるのではないか、過去の組数に応じて『調整』が入るのではないか」という疑惑です。もし仮に、前半で合格者がたくさん出すぎた場合、後半で合格のハードルが上がってしまうケースが無いかという点です。これは結構由々しき問題で「出場の順番で、合格の難易度が変わってしまう」ことに直結します。もちろん多少の調整は否めない部分もあろうかと思いますが、出来るだけフェアであって欲しいですし、番組側が偏りに拍車をかけるようなことは避けて頂きたいと思いますね。
【出場者側】お願い! あんまり悪用はしないで~
上の事実を全て纏めると、「NHKのど自慢」には『合格しやすい曲』があり、それを歌えばひょっとすると合格の可能性が何割か上がるかも知れない …… こういう結論になろうかと思います。
で、ある意味困ったことに、どうやらこれがある程度、現実にそうらしいのです。もちろん気のせいだとは思いたいのですが(^^;
だからこそ、出場を目指されている皆さん、特に「歌がそれなりにお上手な皆さん」には、『お願いだから、あんまり悪用はしないで~』というのがこちらとしての本音となります(^^
これがドラマチックであり、なおかつ清々しい「禁止曲」の使い方だと個人的には思います。一方で、
ことによって、合格してしまうケースが毎週必ずと言って良いほど誕生しています。これが仮に、周囲の状況に関わらず合格・不合格を判定しているならば全く問題ないのですが、合格者が一定程度の目安があるのではないかと思う状況で、こういった合格者が頻発してしまうと、他の方の合格枠が必要以上に狭まってしまいます。
もちろん、歌いたい曲を思う存分歌って頂きたい場ではあるのですが、できれば上に書いてきたような「合格しやすい曲」を悪用することはお控え願えればと思います!(切実なお願い)
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