「プレバト!!」俳句査定【減点】句

【はじめに】
この記事では、「プレバト!!」俳句査定で出場者のコメントを受けて夏井先生が『減点』の評価とした作品を振り返っていきたいと思います。

ぜひ皆さんには、『夏井先生がどう詠んで、どこが違ったか』を理解して頂きたいと思います。そうすれば、自分で句を作る方は『反面教師』になりますし、作句されない方も俳句を詠むスキルが大きくアップすると思いますので!

才能アリからの減点句

才能アリ → 才能アリ

番組初期に、特待生出場前の【梅沢富美男】さんは、「才能アリ1位」から2位に落とされる憂き目にあっています。当初は72点の1位でしたが、【竹財輝之助】さんの71点に逆転され2位となりました。それがこちらの句です。

  • 14/08/07・梅沢富美男
    1位72点『雲海や朝日をうみて富士光る』
           ↓
    2位70点『雲海の産める朝日や富士山頂』

描こうとした情景は非常にシンプルで、「上五+や」の基本形にはめたおっちゃんですが、添削例では「や」の位置を変えることで詠み手の位置などがより明確となりました。

才能アリ → 凡人

おっちゃんの例は「才能アリ」をキープできたから良かったですが、以下のように「才能アリ」だった句が「凡人」に減点された例も幾つかあります。特に、1位70点だった句が凡人査定となった2回は、すなわち『才能アリ0人』という俳句査定では滅多にない結果です。

日付詠み手当初減点後俳句(添削前後)
16/03/10二階堂高嗣1位70点2位65点『窓際に寂しさ残る桜草』

『窓際に残る寂しさ桜草』
21/01/28福田麻貴2位70点2位60点『寒暁やバックミラーの父のクマ』

『クマ深き父寒暁のバックミラー』
21/06/17高岸宏行1位70点(凡人)『夏の朝丸太をもってはおろしては』

『夏の朝丸太かついでランニング』

しばらく2016年のキスマイ・二階堂高嗣さんが唯一の例でしたが、2021年に2例続けて誕生してしまい、5年ぶりに『才能アリ0人』の回が起きたりしました。

特待生候補の福田さんは『クマ』が「熊(テディベア)」でなく「目の隈(クマ)」である点が、ティモンディ高岸さんの句は、「労働の句」ではなく「野球部の朝練」という点が伝わっていなかった点が減点理由でした。

才能アリ → 才能ナシ

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そして恐らく史上初、「才能アリ」から「才能ナシ」となってしまったのが、乃木坂46・【鈴木絢音】さんでした。2022年8月11日、当初は「才能アリ2人、才能ナシ2人」のはずだった展開が、「才能アリ1人、才能ナシ3人」となってしまった作品がこちらでした。

日付詠み手当初減点後俳句(添削前後)
22/08/11鈴木絢音2位70点2位35点『琉金の絵はがき二枚かき氷』

『絵はがきを買う琉金とかき氷』

『琉金(りゅうきん)』が金魚の品種であると分かると、原句はフジモンや夏井先生と同じく、『琉金(≒金魚)の絵はがき二枚 / かき氷』と12音と5音で分かれる句となります。買ったハガキは2枚で、金魚は絵柄ですが、かき氷は実物のものとなります。これならば定型の句として2つの季語に強弱がついていることから十分才能アリ……だと思いました。

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しかし、鈴木さんは買ったハガキは「3枚」だと仰り、「かき氷」も実物の季語ではないということだったので、これでは作者の意図が全く詠み手に伝わらないとして、史上最も大きな減点幅となる35点減点(番組中では半分)という評価となりました。

但し、鈴木さんの仰った内容を夏井先生が聞いておられたら、普通に才能ナシとなっていたであろう点で、これは致し方ない部分もあったという風に思います。

凡人からの減点句

凡人 → 凡人

続いて、凡人の句の減点の例です。政治家の【金子恵美】さんが詠んだ句は、3位から4位へのランクダウンとはなったものの、5点減点にとどまり50点台をキープ。その結果、凡人→凡人となりました。

日付詠み手当初減点後俳句(添削前後)
19/12/05金子恵美3位57点4位52点『小春日や夫も鏡に試着室』

『夫という鏡小春の試着室』

金子さん曰く、「夫を鏡代わり」にしているということなので、添削後の句のようにすることで、誤読される可能性も減りますし、『小春の試着室』というフレーズに温かみが増すように感じますよね。

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凡人 → 才能ナシ

そして、最も頻度が多いのが「凡人」から数点減点で「才能ナシ」となるパターンです。以下に示したのは、後述するもっとも多いパターンと違った減点幅となった事例です。

日付詠み手当初減点後俳句(添削前後)
18/12/20酒井美紀3位50点3位35点『湯気まとう母の背もまた雪景色』

『雪景色めく厨の湯気の中に母』
18/11/08森公美子3位45点3位38点『変わらぬ景うつむき見たり草紅葉』

『渋滞の窓より愛でん草紅葉』
19/07/11藤井隆5位45点才能ナシ『夏探し頬触れる風肩をすくめる』

『夏がゆく風か野を行く頬さやか』
19/11/28粗品2位40点2位38点『白き皿蜜柑が好きで茜空』

『白き皿を蜜柑のスイーツで満たす』

いずれも夏井先生(字面)と詠み手の思いに大きな差があり「才能ナシ」に減点となっています。この言葉がどこに掛かるのか、或いは季語の意味の勘違い、そして前提の相違などが典型でしょうか。特に2018年11月の森公美子さんの時は番組的にも少し『久々』であり、森さんの鬼気迫るショックの表情も相俟って大きな話題となりました。

そして、最も多い事例が「凡人40点 → 才能ナシ35点」となるケースです。句の内容は紹介しませんが、これは比較的頻度も多いので、皆さんも見かける機会が多いかと思います。

  • 16/03/03・加藤茶
  • 16/11/03・高橋ひとみ
  • 18/11/15・アンミカ
  • 19/04/25・松尾諭
  • 21/03/04・片瀬那奈

「プレバト!!」を見ている限りは結構、他人事として笑えるのですが…… いざ本当に自分で創作をするようになると中々笑えなくなってきます。「人の振り見て我が振り直せ」ではないですが、誰もが陥る危険性のある落とし穴/トラップなので、ぜひ皆さんもご注意ください!

今度、句を作った時に「あっ、ちゃんと自分の思いが他人に伝わるかな?」という視点を持つだけでもグッと変わってくると思いますよ?

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