「愛知県東部」で起きた地震をまとめてみた(1997年3月・最大震度5強ほか)

【はじめに】
この記事では、「愛知県東部」(の内陸部)を震源とする地震についてまとめていきます。2022年4月7日に震度4の地震が発生したことを受けての公開です。

「愛知県」周辺の地震について

まず気象庁の「震度データベース検索」で、「愛知県」周辺の地震についてざっくり把握しましょう。任意の領域で検索し、1919年以降に起きた中規模地震(M5以上)をプロットしました。約40例です。

(出典)気象庁 > 震度データベース検索 より検索結果画面

実はこのうち、大半は昭和時代までの地震です。1945年(昭和20年=終戦の年)に起きた三河地震という地震の余震が断層に沿って分布しているのが分かるかと思います。三河湾を斜めに貫くような点の集まりの部分です。

この三河地震では、当時の震度階級で「震度5(強震)」:上から2番目の強い揺れを気象台でも観測しています。戦時中で詳細は不明ですが、犠牲者は1,000名を超えたと伝わります。

一方、気象庁の「震央地名」に基づくと、実は「愛知県東部」という内陸部分は結構狭い領域だったりします。下の図をご覧ください。

(出典)ホーム > 知識・解説 > 地震情報について > 地震情報で用いる震央地名(日本全体図) 一部分を加工し引用

「愛知県東部」と書かれている部分と、その左下にある3ブロック分の領域を合わせて「愛知県東部」という震央地名になっています。これは天気予報などともイメージが近いかと思います。では今度は、震央:愛知県東部で有感(震度1以上)となった地震を「震度データベース検索」にかけてみます。

(出典)気象庁 > 震度データベース検索 より検索結果画面

規模の大小を加味しなければ、かなりの数が広域に分布していることが分かります。ではここからは、規模の比較的大きかった地震を振り返っていくことに致しましょう。

中規模地震(M5以上)は片手で数えられる程度

今度は中規模地震(M5以上)に限定してみますと、こういった結果が出力されました。

(出典)気象庁 > 震度データベース検索 より検索結果画面

左下は画面上は「三河湾」に入りそう(1945/1/11・M5.6)なので、これを除くと、昭和以降で全部で4例となります。いずれも現在の新城市付近(深さ30~40km台)に集中しています。

(出典)気象庁 > 震度データベース検索 より検索結果画面

この4例と、2022年4月7日に起きた地震の震度を「気象官署」などに限定して纏めてみました。

観測点’47’58’97’18’22
静 岡
御前崎
浜 松×
伊良湖×
名古屋
岐 阜
 津

ここ100年での最大地震:1997年3月16日・M5.9・震度5強

この中では、最大震度5強を観測した1997年の地震がこの領域では一番目立った活動といえそうです。マグニチュード6に近い(Mj5.9)で、地震・震度計による観測網が整備され始めた1997年において、豊橋市内で震度5強を観測しています。

ちなみに、「名古屋地方気象台」で震度4を観測したのは、平成年間で2回(1997年のこの地震と2011年の東北地方太平洋沖地震)だけです。「伊良湖(田原市福江町)」に関しても、ここ半世紀では4例しかありません。

(出典)気象庁 > 震度データベース検索 より検索結果画面
 https://www.data.jma.go.jp/svd/eqdb/data/shindo/index.html#19970316145139

この地震では、東海地方だけでなく、首都圏や近畿圏でも震度2前後の揺れを観測しています。当時の観測網では新城市内唯一の観測点で「震度3」を観測したのみでしたが、極浅発地震ではないといえ、M5.9という規模であれば、その直上では強い揺れになっていてもおかしくなかったかと思います。

こういった地震(2022年4月現在において、7日に起きたよりも大きな地震が新城市内を震央として)起きたことがあることを今一度知っていただき、冷静に対応していただければと思います。

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