【はじめに】
この記事では、二十四節気「小満(しょうまん)」について見ていきます。
ウィキペディアでみる「小満」について
まずは、日本語版ウィキペディア「小満」の冒頭部分を引用してみます。
小満(しょうまん)は、二十四節気の第8。四月中(通常旧暦4月内)。
現在広まっている定気法では太陽黄経が60度のときで5月21日ごろ。暦ではそれが起こる日だが、天文学ではその瞬間とする。平気法では冬至から5/12年後で5月23日ごろ。期間としての意味もあり、この日から、次の節気の芒種前日までである。
小満
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』( 以下略 )
俳句歳時記などでもそうですが、立夏(5月上旬)からを「夏」とし、夏では「立夏」に次ぐ2つめの節気となるのがこの「小満」です。円形にした図でみると、左下にある太字のところが該当します。
季節の特徴
万物が次第に成長して、一定の大きさに達して来るころ。『暦便覧』には「万物盈満(えいまん)すれば草木枝葉繁る」と記されている。麦畑が緑黄色に色付き始める。
沖縄では、次の節気と合わせた「スーマンボースー」(小満芒種)という語が梅雨の意味で使われる。
日付
1983年までは5月21日、5月22日のいずれか(稀に5月20日)。 1984年からしばらく5月21日が続き、2016年からは5月20日、5月21日のいずれか(稀に5月22日)になる。
いわゆる「閏年」(夏のオリンピックが開催される年)は5月20日、それ以外は5月21日というのが、2030年代までは続く様です。この日が「小満日」となり、そこから次の節気までの約2週間が「小満」という期間になります。
七十二候
二十四節気「小満」の期間を3つに分けた「七十二候」は、以下のとおりです。
日本版での七十二候が上の3つ、そして中国版の七十二候は下の3つです。
「麦秋」は単体で夏の季語となっていますし、また「小暑」は二十四節気としての印象が日本では強いですよね。
俳句歳時記にみる「小満」の例句(Rx3選)
私が、手元の俳句歳時記の「小満」の句の中で大好きな3句をご紹介します。
- 小満や根づきし色の大棚田/古市枯声
- 小満のみるみる涙湧く子かな/山西雅子
- 小満や一雨ごとに森ふとる/山下静湖
3句とも「水」を発想の根底にもった作品となっています。「小満」の『満』には、穀物を中心とした植物の成長があり、ちょうど季節が夏に移ろい始め、雨が降り成長から成熟に移る時期でもあります。
故に、「水」や「雨」、「自然」と「営み」、「成長」と「成熟」、といったイメージが豊かに俳句の中に盛り込まれる句が好まれる傾向にあるのかも知れませんね。
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