二十四節気「白露(はくろ)」

【はじめに】
この記事では、二十四節気「白露」についての気になるポイントを纏め、俳句歳時記に載っている名句を鑑賞して、「白露(はくろ)」の頃の魅力について一緒に学んでいきたいと思います。

ウィキペディアにみる「白露」について

まずは、日本語版ウィキペディアを引用して「処暑」について基本情報を抑えていきましょう。

白露(はくろ)は、二十四節気の第15。八月節(旧暦7月後半から8月前半)。

現在広まっている定気法では太陽黄経が165のときで9月8日ごろ。ではそれが起こるだが、天文学ではその瞬間とする。恒気法では冬至から17/24後で9月6日ごろ。

期間としての意味もあり、この日から、次の節気の秋分前日までである。

白露
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

季節

大気が冷えてきて、露ができ始めるころ。『暦便覧』では、「陰気やうやく重りて、にごりて白色となれば也」と説明している。

日付

2022年は「9月8日」が白露でしたが、これはこれからしばらく起きません。下の表に纏めましたが、今回(2022年)以降「4で割った余りが2」となる年も9月7日が白露日となります。

余り0余り1余り2余り3
1996年 – 2023年7日7日8日8日
2024年 – 2055年7日7日7日8日

逆に、2023年以降は向こう30年以上日付が余りによって固定されます。「4で割った余りが3」の年は「9月8日」、その他は「9月7日」となりますので、そのパターンで覚えておきましょう。

七十二候

二十四節気としては「処暑」と「秋分」の間に位置する「白露」ですが、その期間を更に3つに分けた「七十二候」は以下のとおりです。

  • 初候
    • 草露白(そうろ しろし) : 草に降りたが白く光る(日本)
    • 鴻雁来(こうがん きたる) : が飛来し始める(中国)
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  • 次候
    • 鶺鴒鳴(せきれい なく) : 鶺鴒が鳴き始める(日本)
    • 玄鳥帰(げんちょう かえる) : が南へ帰って行く(中国)
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  • 末候
    • 玄鳥去(げんちょう さる) : 燕が南へ帰って行く(日本)
    • 羣鳥養羞(ぐんちょう しゅうを やしなう) : 多くの鳥が食べ物を蓄える(中国)

俳句歳時記にみる「白露」の名句

ここからは俳句歳時記に載っている「白露」の例句から季語のポイントに迫っていきたいと思います。

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  • ゆく水としばらく行ける白露かな/鈴木鷹夫
  • ひとつづつ山暮れてゆく白露かな/黛執
  • 固めにと餡を捏ねゐる白露かな/束田央枝
  • 巫女の振る鈴に白露の闇動く/江田居半

上の2句は昭和1桁生まれで戦後に活躍した俳人の句。どちらも自然を詠んだ作品です。そして3句目もそうですが、『白露かな』という風に置きやすい3音の季語であることが特徴でしょう。ここら辺は前回の「処暑」(2音)とは少し違った音数的な側面があるかも知れませんね。

そして下の2句は、どちらも人間の営みの中の白露です。どちらも、餡や闇など『黒い』ものと取り合わせることで、『白露』という漢字の持つ城のイメージをうまく取り込むことが出来ていますね。

各地の気象データにみる「白露」

さて、ここからは気象データの観点から「白露」という季節・季語を見ていきましょう。気持ちとしては確かに『白露』と言われるような秋の訪れを感じる季節になってきてはいますが、自然現象としての結露や白露(しらつゆ)には、程遠い残暑の地方も日本ではかなりあります。

ここからは各地の気象データをもとに「白露」を深掘りしていきたく思います。こちらの表をどうぞ。

地点名9/7最低
平年値
9/22最低
平年値
仙台19.916.5
新潟20.817.6
東京22.018.9
名古屋22.719.7
大阪23.420.7
松山22.619.8
福岡23.120.5
那覇26.225.4
(出典)気象庁 ホーム > 各種データ・資料 > 過去の気象データ検索 > 日ごとの値

まずは各地域の代表的な都市部の気象官署の観測データから、1991~2020年の最低気温の「平年値」をピックアップしてみました。9/7が「白露」初日、9/22が「白露」最終日(秋分の前日)なイメージです。最低気温で20℃前後が平均(年によって熱帯夜も)というのが本州以南での平地での平均です。

これに対して、「二十四節気」が生まれた中原(華北平原)を代表して、現在の「西安」の平年値(1981~2010年)を見てみると、9月の月中平均で「最高25℃、最低16~17℃」であり、実測値でも9月は最低気温20℃未満の日ばかりでした。

地点名9/7最低
平年値
9/22最低
平年値
稚内16.013.1
旭川14.0 9.9
釧路14.711.4
札幌16.813.2
函館16.613.0
盛岡17.513.4
奥日光13.810.4
軽井沢15.111.5
(出典)気象庁 ホーム > 各種データ・資料 > 過去の気象データ検索 > 日ごとの値

上の表は、本州の内陸部の想像しやすい地点と、北海道の主要都市(平地中心)をピックアップしました。こちらになると、白露の期間は平均して10℃台の中盤となり、9月後半になると10℃未満になることも珍しくなくなります。むしろ東北や内陸部、北海道平地を想像すると、この「白露」という実感と合うのではないでしょうか。

ちなみに、内陸部でも高地だったり北海道の内陸部では、9月の後半にもなると「最低気温1桁台」が当たり前になるどころか、氷点下を観測する年のある地点もあります。9月上旬でも最低気温が氷点下付近になることもあることを思えば、自然現象に基づいた「白露」という地点が無くはないことを抑えておく必要はあろうかと思います。

ただ、あくまで時候の季語としての「白露」は、『露』そのものを意味しているのではなくそういった時期(9月中盤)を指す意味合いしかないため、実際の映像として『露』を描こうとするのは無理がある点も俳句づくりの上では注意が必要です。あくまでそういったことが起こりそうな9月中旬でございますね、と捉えておくことで二十四節気への理解を深めて頂ければと思います。

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