【はじめに】
この記事では『雨水』に次ぐ「二十四節気」の3番目「啓蟄(けいちつ)」について纏めていきます。
季語「啓蟄」について教えて?
季語「啓蟄」は、二十四節気の一つで、三月六日ころを指します12。啓蟄とは、「ひらく」という意味の「啓」と、「土の中で冬ごもりしている虫」という意味の「蟄」からなります12。冬眠していた蛇や蛙などが暖かさに誘われて穴から出てくるころとされる季節です12。実際に虫が活動を始めるのはもっと暖かくなってからであることもあります1。
啓蟄は春の季語としても使われます。俳句では、啓蟄に関連する風物や生き物を詠むことができます3。例えば、「三すくみしてゐる啓蟄のエレベーター」(田村みどり)や、「啓蟄や眞白かりける足のゆび」(小山森生)などです。
啓蟄には習わしや食べ物もあります。昔は、この日に餅を焼いて食べたり、魚を焼いて神様に供えたりする風習がありました4。また、春菊や菜花などの苦みのある野菜を食べると、体が健康になると言われています4。
BingAI(2023/3/6)
ウィキペディアに学ぶ「啓蟄(けいちつ)」
啓蟄(けいちつ)は、二十四節気の第3。二月節(旧暦1月後半から2月前半)。「啓」は「開く」、「蟄」は「虫などが土中に隠れ閉じこもる」意味で、「啓蟄」で「冬籠りの虫が這い出る」(広辞苑)という意を示す。春の季語でもある。
現在広まっている定気法では太陽黄経が345度のときで3月6日ごろ。暦ではそれが起こる日だが、天文学ではその瞬間とする。平気法では冬至から5/24年(約76.09日)後で3月8日ごろ。
期間としての意味もあり、この日から、次の節気の春分前日までである。
啓蟄
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』( 以下省略 )
季節
大地が温まり冬眠をしていた虫が穴から出てくるころ。『暦便覧』には「陽気地中にうごき、ちぢまる虫、穴をひらき出ればなり」と記されている。柳の若芽が芽吹き、ふきのとうの花が咲くころ。
日付:歳時記や辞書の日付(3月6日)はもう古い!?
ここで注意して頂きたいのが、上の表にも示した日付に関する部分です。多くの辞書や俳句歳時記などが編まれた昭和時代後半には確かに「閏年以外『3月6日』」だった時期がありました。しかし、令和になった現代においては「基本的に『3月5日』」となっています。
昔ながらの季語であっても、特にこうした「二十四節気」などは数十年単位で説明文の内容が変わることもありますので、アンテナ高く情報を集めていただきたく思います。
七十二候
- 初候
- 蟄虫啓戸(ちっちゅう こを ひらく):冬籠りの虫が出て来る(日本)
- 桃始華(もも はじめて はなさく):桃の花が咲き始める(中国)
- 次候
- 桃始笑(もも はじめて わらう):桃の花が咲き始める(日本)
- 倉庚鳴(そうこう なく):倉庚が鳴き始める(中国)
- 末候
驚蟄【日本以外の漢字文化圏の表記】
俳句歳時記やプレバト!! にみる「啓蟄」の例句10句
ではここから俳句歳時記にみる「啓蟄」の例句を見ていきます。大半が『啓蟄』を上五に置いてます。
『啓蟄』という季語が、「二十四節気」っぽさもある上に字の持つ意味もインパクトも大きいためか、季語以外の12音のフレーズと取り合わせた時の跳ねっぷりが目立ちました。
もちろん、自然を触れた作品が多いのは他の節気にも共通していますが、それだけでなく、『光』や『生きる』こととの結びつきも非常に印象的です。
現実にはまだまだ寒いであろう季節にあって、こうしてささやかな暖かさを感じる俳句というものに「春」を感じられるのも季語の力といったところでしょう。
そして「プレバト!!」では、3年連続『啓蟄』の俳句が登場しています。名人・特待生の3句です。
松岡さんの句は、『啓蟄』という節気で陥りがちなミスをしています。上に示したとおり「啓蟄」には『ひらく+昆虫』という意味を持った漢字を組み合わせた熟語であるという前提があります。
ただ、あくまでも『そういった頃(時期)ですね』といったニュアンスを持った(あくまでも)『時候の季語』であって、虫が地中から這い出てくる現実の様子を描写した動物の季語ではないのです。
そこを混同してしまうのは、中級者でも一度は経験しがちかと思うので、ぜひこれを機に覚えておきましょう。そして、名人・特待生の高評価の作品を2句最後にお伝えしましょう。(↓)
2019年の春光戦でいきなり発表され「2位」だった東国原名人の句は、『啓蟄』という季語を上五には配置せず、中七に置くという難しい型にチャレンジしています。
うっかり『啓蟄のつちくれに置く缶コーヒー』としてしまいそうですが、上五に「缶コーヒー」と季語でないものを配置したのは改めて名人の技を感じます。
コメント