二十四節気「大寒(だいかん)」 と 各都市の時期ごとの最低気温

【はじめに】
この記事では、二十四節気「大寒」についての気になるポイントを纏めるとともに、俳句歳時記に載っている名句を鑑賞して、「大寒(だいかん)」の頃の魅力について一緒に学んでいきたいと思います。

そして2023年が特にそうですが、一年で最も寒い『寒(かん)』の時期。この時期を迎える日本列島の各都市で、過去にどんな最低気温を記録してきたのかについても触れておきたく思います。皆さんどうぞ暖かくしてこの記事をお読み頂ければと思います!

ウィキペディアにみる「大寒」

大寒(だいかん)は、二十四節気の第24。十二月節(旧暦12月内)。

現在広まっている定気法では太陽黄経が300のとき(黄道十二宮では宝瓶宮の原点に相当)で1月20日ごろ。ではそれが起こるだが、天文学ではその瞬間とする。平気法では冬至から1/12(約30.44日)後で1月20日ごろである。期間としての意味もあり、この日から、次の節気の立春前日までである。

大寒
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

「二十四節気」に馴染みのない方でも、『大寒の次は「立春」なんだよー』とか、『立春を最初にすると、この大寒が二十四節気の最後(24番目)だよー』という豆知識はどこかで役立つかも知れません。

季節

寒さが最も厳しくなるころ。『暦便覧』では「冷ゆることの至りて甚だしきときなれば也」と説明している。実際、気象庁ウェザーニューズなどが提供する観測データによれば、この大寒の意味するところが概ね的を射ていることは推測可能である。

小寒 – 立春前日)の中日で、一年で最も寒い時期である。武道ではこのころ寒稽古が行われる。

( 同上 )

他の二十四節気では『暦便覧』に関する記載だけのことが多く、『実際、~~』からのような科学的な知見が付されているのはここが唯一な気がします。

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日付

二十四節気の多くは、年によって日付が変わるのですが、この「大寒」は、21世紀の前半のうちは一定です。『毎年1月20日が大寒』と覚えておいて頂ければ幸いです。

ちなみに、次に日本で「大寒」の日付が変わるのは、2053年の『1月19日』と見込まれています。

七十二候

  • 初候
    • 款冬華(ふきのはな さく) : の薹(ふきのとう)が蕾を出す(日本)
    • 鶏始乳(にわとり はじめて にゅうす) : が卵を産み始める(中国)
  • 次候
    • 水沢腹堅(さわみず こおりつめる) : 沢に氷が厚く張りつめる(日本)
    • 鷙鳥厲疾(しちょう れいしつす) : などが空高く速く飛び始める(中国)
  • 末候
    • 鶏始乳(にわとり はじめて とやにつく) : が卵を産み始める(日本)
    • 水沢腹堅(すいたく あつく かたし) : 沢に氷が厚く張りつめる(中国)

俳句歳時記にみる「大寒」の例句10句

ではここから、俳句歳時記にみる「大寒」の例句を見ていきましょう。厳選……したつもりが、近代の作者を中心に10句に上ってしまいました(^^;

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  1. 『端ひかり大寒の雲動くかな』/加藤楸邨
  2. 『大寒の硝子が痛きまで澄みて』/柴田白葉女
  3. 『ふるさとの大寒の水甘かりき』/鈴木真砂女
  4. 『大寒の残る夕日を市の中』/石橋秀野
  5. 『大寒といふ一枚の落し蓋』/鷹羽狩行
  6. 『大寒の困ったことに良い月夜』/池田澄子
  7. 『大寒や外して重き腕時計』/山本一歩
  8. 『大寒の地震に拾ひし命愛し』/金堂淑子
  9. 『大寒や古き海図に灯を寄せて』/橋本良子
  10. 『大寒の夕日をくばる郵便夫』/渡辺智賀

生活を詠んだ句も、自然を詠んだ句もありますが、やはり注目すべきは『ピンと張り詰めた冬の空気』を強くまとった作品の多さです。一つ前の節気である『小寒』と比べても更に冷え冷えとしています。

それでも読まれている情景や光景というのは、(私が意図して選んだこともありますが)地域性を問わず非常に明快なものが多いように感じました。8句目の“地震”とは著名なものなのでしょうか。個人的には少し時期は「小寒」寄りですが、1月17日の阪神・淡路大震災を想起しました。

各都市にみる時期ごとの最低気温記録

2023年1月下旬に非常に強い寒波が日本列島を襲うことが予報されたことを受けまして、「大寒」の記事のラストに、各都市の気象庁観測データに基づく、「時期」ごとの気温の記録を見ていきましょう。

  • 上の段が「日最高気温」の最も低い値、下の段が「日最低気温」の最も低い値です。
  • そして、直近1・2月というのは、「●月の歴代Top10」に入った中で直近(またはそれに近い)記録をピックアップしたものになります。おそらくニュースでは『●●年以来××年ぶり』などと報じられそうな値の代表格を持ってきている印象です。
  • ちなみに丸数字は『●月の歴代気温ランキング』の何位にランクインしているかを示しています。

取り急ぎ作った関東地方の県庁所在都市のデータを(↓)に掲載させてもらいます。

地点名歴代記録直近1月直近2月
水戸-1.1 1900
-12.7 1952
②-0.8 1984
⑤-11.0 1984
⑥+0.0 1996
④-10.2 1984
宇都宮-1.3 1936
-14.8 1902
⑤-0.2 1997
⑩-12.4 1963
⑥-0.7 1967
⑧-11.5 1970
前橋-1.9 1900
-11.8 1923
⑦+0.5 1984
⑤-9.4 1945
⑧+0.5 2014
①-9.0 1981
さいたま-0.3 1984
-9.8 2018
②+0.0 2003
①-9.8 2018
①+0.4 1990
⑧-7.0 1996
千葉-0.3 1967
-5.2 1967
②+1.8 2003
⑦-4.2 1985
④+1.3 1996
④-2.9 1984
東京-1.0 1900
-9.2 1876
⑨+0.6 1939
③-8.6 1927
①-0.2 1967
①-7.9 1945
横浜-1.1 1967
-8.2 1927
②+0.4 1984
⑦-6.5 1945
⑩+1.0 1990
①-6.8 1945
伊豆大島+0.5 1967
-4.0 1996
④+2.6 1984
①-3.3 2016
⑨+2.9 1996
①-4.0 1996
(参考)気象庁 ホーム > 各種データ・資料 > 過去の気象データ検索

(※)「東京」ここ数年での1月の記録:最高+2.6℃(2022年1月)、最低-4.0℃(2018年1月)

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