【はじめに】
この記事では、「最大震度6強だった地震」についてまとめていきます。
「最大震度6強」の地震について
現行の気象庁震度階級は「0から7」の10段階で表され、「震度6強」は上から2番目に当たります。
1996年に改訂されて、従来の「震度6(烈震)」を、計測震度の四捨五入によって「6強/6弱」に分けることとなりました。そのため公式に「震度6強」を観測する地震の対象期間は、ここ四半世紀余りということになります。(もちろん、それ以前も「6強」が設定されていたら、該当する地震はあったと思われますが、実測値としての「6強」は1996年以降が対象期間です)
※震度6強という揺れによる現象や被害の目安は、気象庁のこちらの画像をお確かめ下さい。ポイントをかなり視覚的に表現しています。
☆気象庁 ホーム > 知識・解説 > 震度について > 「震度とゆれの状況」
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/shindo/shindo-gaiyo.png
「最大震度6強」の地震は、全部で17回
それでは、気象庁の「震度データベース検索」を使って、「最大震度6強」の地震を一覧にしました。
地震の発生日時 | 震央地名 | 深 さ | M | 最大震度 |
---|---|---|---|---|
2000/10/06 13:30:17.9 | 鳥取県西部 | 9 km | 7.3 | 震度6強 |
2003/07/26 07:13:31.5 | 宮城県中部 | 12 km | 6.4 | 震度6強 |
2004/10/23 18:11:56.7 | 新潟県中越地方 | 12 km | 6.0 | 震度6強 |
2004/10/23 18:34:05.6 | 新潟県中越地方 | 14 km | 6.5 | 震度6強 |
2007/03/25 09:41:57.9 | 能登半島沖 | 11 km | 6.9 | 震度6強 |
2007/07/16 10:13:22.5 | 新潟県上中越沖 | 17 km | 6.8 | 震度6強 |
2008/06/14 08:43:45.3 | 岩手県内陸南部 | 8 km | 7.2 | 震度6強 |
2011/03/11 15:15:34.2 | 茨城県沖 | 43 km | 7.6 | 震度6強 |
2011/03/12 03:59:15.6 | 長野県北部 | 8 km | 6.7 | 震度6強 |
2011/03/15 22:31:46.3 | 静岡県東部 | 14 km | 6.4 | 震度6強 |
2011/04/07 23:32:43.4 | 宮城県沖 | 66 km | 7.2 | 震度6強 |
2016/04/15 00:03:46.4 | 熊本県熊本地方 | 7 km | 6.4 | 震度6強 |
2016/04/16 03:55:53.0 | 熊本県阿蘇地方 | 11 km | 5.8 | 震度6強 |
2019/06/18 22:22:19.9 | 山形県沖 | 14 km | 6.7 | 震度6強 |
2021/02/13 23:07:50.5 | 福島県沖 | 55 km | 7.3 | 震度6強 |
2022/03/16 23:36:32.6 | 福島県沖 | 57 km | 7.4 | 震度6強 |
2023/05/05 14:42 | 石川県能登地方 | 12 km | 6.5 | 震度6強 |
最初に「震度6強」が観測されたのが2000年で、それから20年あまり、全部で「17回」となります。
2000年代:全7回(新潟県で3回ほか)
2000年代は全部で7回観測されました。最初の事例は2000年の「鳥取県西部地震」で、震度階級が改訂された4年後のことでした。続く2003年の宮城県の内陸での地震活動は、群発化して「震度6級」が3回発生。1日で「6弱→6強→6弱」と推移しました。
2004年10月に発生した「新潟県中越地震」では、本震(M6.8)で最大震度7を観測しましたが、それから約1時間以内にM6クラス、最大震度6強という強烈な余震が2度も起きています。
2000年代後半に入ると、2007年に「能登半島地震」と「新潟県中越沖地震」が立て続けに発生し、翌2008年には「岩手・宮城内陸地震」が発生。土砂災害などにより多くの犠牲者が出ました。
2010年代:全7回(2011年に4回ほか)
2010年代に関しては、2011年(東北地方太平洋沖地震)の翌月までに4回(茨城県沖、長野県北部、静岡県東部、宮城県沖)発生したり、2016年(熊本地震)で2回発生したりと、前述のとおり「震度7」を観測する本震の前後に発生する地震が大半を占めています。まとめてしまえば、全7回中6回は「震度7」の前・余震という扱いになります。
唯一の単独での事象となったのが、2019年(令和元年)6月18日に起きた「山形県沖」の地震です。山形県と秋田県の県境付近の海域を震源とし、震央付近では建物の一部破損が1,000棟を超えました。
2020年代:全3回(福島県沖を震源に2年連続発生)
2020年代に入ると、2021・2022年と2年続けて「福島県沖」を震源とする地震で、震度6強(一部で計測震度6.4)を観測しました。
そして、2023年には「能登群発地震」で最大となるM6.5の地震が発生し、珠洲市で震度6強を観測。気象官署では「輪島」で5弱を観測しました。
(参考)【旧震度】今の震度6強、昔の観測網だったら?
ここからは参考として「昭和の震度観測網(気象官署)だったらどうなっていたか」を見ていきます。
※これは2020年6月に「note」に書いた記事(↓)のアップデート版となります。
☆今の震度6強/弱、昔の観測網だったら?
https://note.com/yequalrx/n/n727a6def8f05
新6強 → 旧「烈震(新6強)」:2例
発生年 | 震源地 | 深さ | M | 新 | 旧 | 気象官署 |
---|---|---|---|---|---|---|
2000 | 鳥取県西部地震 | 9 | 7.3 | 6強 | 6強 | 境港 |
2007 | 能登半島地震 | 11 | 6.9 | 6強 | 6強 | 輪島 |
新6強 → 旧「烈震(新6弱)」:1例
発生年 | 震源地 | 深さ | M | 新 | 旧 | 気象官署 |
---|---|---|---|---|---|---|
2011 | 宮城県沖 | 66 | 7.2 | 6強 | 6弱 | 大船渡、石巻、仙台 |
新6強 → 旧「強震(新5強)」:8例
発生年 | 震源地 | 深さ | M | 新 | 旧 | 気象官署 |
---|---|---|---|---|---|---|
2003 | 宮城県中部 | 12 | 6.4 | 6強 | 5強 | 石巻 |
2004 | 新潟県中越地方 | 14 | 6.5 | 6強 | 5強 | 上越 |
2007 | 新潟県中越沖地震 | 17 | 6.8 | 6強 | 5強 | 上越 |
2011 | 茨城県沖 | 43 | 7.6 | 6強 | 5強 | 水戸 |
2016 | 熊本県熊本地方 | 7 | 6.4 | 6強 | 5強 | 熊本 |
2016 | 熊本県阿蘇地方 | 11 | 5.8 | 6強 | 5強 | 阿蘇山 |
2021 | 福島県沖 | 55 | 7.3 | 6強 | 5強 | 仙台、福島 |
2022 | 福島県沖 | 57 | 7.4 | 6強 | 5強 | 仙台、石巻、福島 |
新6強 → 旧「強震(新5弱)」:4例
発生年 | 震源地 | 深さ | M | 新 | 旧 | 気象官署 |
---|---|---|---|---|---|---|
2008 | 岩手・宮城内陸地震 | 8 | 7.2 | 6強 | 5弱 | 仙台 |
2011 | 静岡県東部 | 14 | 6.4 | 6強 | 5弱 | 河口湖 |
2019 | 山形県沖 | 14 | 6.7 | 6強 | 5弱 | 酒田 |
2023 | 石川県能登地方 | 12 | 6.5 | 6強 | 5弱 | 輪島 |
新6強 → 旧「中震(新4)」 :2例
発生年 | 震源地 | 深さ | M | 新 | 旧 | 気象官署 |
---|---|---|---|---|---|---|
2004 | 新潟県中越地方 | 12 | 6.0 | 6強 | 4 | 上越 |
2011 | 長野県北部 | 8 | 6.7 | 6強 | 4 | 上越 |
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