海外好走馬の国内適性(サウジ好走馬と左回り適性)

【はじめに】
この記事では、「パンサラッサ」が好走して更に注目を集めることとなった、サウジアラビアの「キングアブドゥルアジーズ競馬場」での好走馬について、日本国内の『左回り適性』を見ていきます。

(↑)全般的な回顧は上の記事にまとめてありますので、ぜひお確かめ下さい!
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サウジ好走馬の国内「左回り」適性

この記事では、競馬場ごとの成績について、芝・ダートを区別せず、「1着-2着/全出走数」の順でまとめていき、左回り/右回りでは連対率を下に書きます。

通常であれば「芝・ダート」を区別したり、距離で比較したり、レースの格などで比較するのでしょうが、今回は『左回り適性』に特化するため、敢えて区別せずに集計していきます。

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なお、対象範囲は「地方競馬」を含む日本国内の各競馬場で、データは2023年のサウジカップ開催まで(2023/1現在)としています。また、『適性』を図ることを目的としているため、引退した馬などについても『出走時』ではなく生涯成績で集計してあります。

対して、海外競馬場の成績は含んでいません。これは調べるのが面倒くさかった……だけでなく、回り順ではない要素(芝の深さやダートの質の違いなど)が与える影響が大きいのでないかと感じるからです。
では、早速みていきましょう。なお、赤字は連対率5割超を意味しています。

芝:左(12-4/37)43% / 右(15-20/68)51%

芝レースで3着以内に入った馬を列挙しましたが、全体をまとめてしまうと、むしろ右回りの方が連対率が高いという計算結果となりました。そしてその実は、適性の有無を以下に大別しようと思います。

馬名左回り

右回り



シルヴァーソニック
’23①レッドシーTH
1-0/6
17%
1-0
/4
0-0
/2
4-3/14
50%
1-0
/3
0-2
/3
2-0
/6
1-1
/2
バスラットレオン
’23①1351TS
0-0/7
0%
0-0
/5
0-0
/2
3-0/8
38%
1-0
/2
1-0
/4
1-0
/2
オーソリティ
’22①ネオムTC
3-2/5
100%
3-2
/5
2-0/6
33%
1-0
/4
0-0
/1
1-0
/1
ステイフーリッシュ
’22①レッドシーTH
1-0/4
25%
0-0
/3
1-0
/1
1-5/25
33%
0-2
/6
1-1
/5
0-1
/9
0-1
/2
0-0
/3
ソングライン
’22①1351TS
4-2/9
67%
3-2
/6
1-0
/2
0-0
/1
0-0/2
0%
0-0
/2
ディアドラ
’20②モハメドMC
3-0/6
50%
1-0
/2
1-0
/3
1-0
/1
5-2/13
54%
1-1
/3
2-1
/7
0-0
/1
2-0
/2
  • 左と右で大きな差がない馬:ステイフーリッシュ、ディアドラ
  • むしろ右回りの方が好成績:シルヴァーソニック、バスラットレオン
  • 極端に左回りの方が好成績:オーソリティ、ソングライン

オーソリティは東京で5戦してパーフェクト連対、ソングラインは勝鞍全てが左回りです。ただ、2023年の勝ち馬2頭に関しては、むしろ国内では右回りの方で成績を残していて、勝率で単純に比較しても30%以上値に差がついています。

どちらかといえば、G1クラスの日本馬が(賞金が高いとはいえ)『G3』格のレースに出走しているという点で、アジアの芝の最先端を行っている日本競馬に一日の長があるのかも知れません。

ダート:左(25-10/80)44% / 右(27-10/83)45% しかし?

対してダートコースに関して、3着以内に入った馬を全て合算すると「左」と「右」で連対率は互角。しかし、2022年からに限定すると大きくトレンドが変わります。

馬名左回り

右回り



パンサラッサ
’23①サウジC
1-2/4
75%
1-2
/3
0-0
/1
4-4/18
44%
1-0
/6
1-0
/2
1-1
/6
1-2
/3
0-1
/1
カフェファラオ
’23③サウジC
6-0/10
60%
4-0
/5
1-0
/3
1-0
/2
1-0/3
33%
1-0
/1
0-0
/1
0-0
/1
デルマソトガケ
’23③サウジD
2-0/2
100%
1-0
/1
1-0
/1
0-0/3
0%
0-0
/1
0-0
/2
リメイク
’23③リヤドDS
3-1/6
75%
1-0
/2
2-0
/3
0-1
/1
2-0/3
67%
1-0
/1
1-0
/2
セキフウ
’22②サウジD
0-1/8
13%
0-1
/4
0-0
/2
0-0
/2
3-0/4
75%
0-0
/1
2-0
/2
1-0
/1
コンシリエーレ
’22③サウジD
4-0/4
100%
3-0
/3
1-0
/1
0-0/1
0%
0-0
/1
ダンシングプリンス
’22①リヤドDS
2-0/3
67%
2-0
/3
4-1/10
50%
4-0
/5
0-0
/2
0-1
/3
チェーンオブラブ
’22③リヤドDS
2-1/12
25%
1-0
/8
1-0
/2
0-1
/2
1-1/8
25%
1-1
/5
0-0
/3
ピンクカメハメハ
’21①サウジD
0-0/3
0%
0-0
/2
0-0
/1
1-0/4
25%
0-0
/1
0-0
/1
1-0
/2
コパノキッキング
’21①リヤドDS
2-3/11
44%
1-1
/3
1-2
/8
6-0/11
55%
2-0
/2
3-0
/3
1-0
/2
0-0
/2
フルフラット
’20①サウジD
0-0/3
0%
0-0
/1
0-0
/1
0-0
/1
1-1/3
33%
0-1
/2
1-0
/1
マテラスカイ
’20②サウジアS
3-2/14
36%
0-0
/4
1-1
/3
2-1
/7
4-3/15
47%
1-0
/2
1-2
/6
2-1
/6
0-0
/1

2022年のセキフウとチェーンオブラブを除くと、左回りでの連対率が5割超というサウスポーが多く名を連ねていることが分かります。もちろんここに【パンサラッサ】を入れることに違和感を覚える方のほうが多いかとは思いますが、これこそが一つの共通点のように感じました。

2023年はサウジカップこそ優勝したものの、他の2レースでは最高で3着ということで、過去と比べて苦戦した感すらあるかも知れません。しかし3着以内に入った馬は全て「左回り連対率6割以上」という安定感で、左回りのダートが初挑戦だったパンサラッサを除いた3頭は全て「左回りで2勝以上」を挙げていました。

2023年だけを抜き出せば、左回り『12-3/22』で連対率68%、右回り『7-4/27』で同48%と、2割も差が生じます。芝・ダートの質が変わったり、2024年以降で『サウジカップ・デー』のあり方は変わってくるかも知れませんが、2023年の快挙の根底にこんなデータがあると知れて、新たな発見となりました。ぜひ皆さんの感想もコメント欄にお寄せ下さい。

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