「NHKのど自慢」の2023年(1~12月)の主な記録・データをまとめてみた

のど自慢

【はじめに】
「NHKのど自慢」の主な記録やデータについて、2023年1~12月(暦年)で集計してみましたので、番組を視聴する際の参考としていただければ幸いです。

(↓)昨年との比較もできるように、2022年版のリンクを貼っておきますので合わせてお読み下さい。

ここ数年の「暦年別」合格率の傾向

まずは全体の傾向を把握するために、各種データをみていきましょう。

【分母】出場組数(45回放送でコロナ前水準に復帰)

コロナ禍の2020年にはたった12回しか放送できず、その後も出場組数も18組となっていました。5類に移行した2023年には、試験的に19組、そして5月28日放送回からはすべて20組開催となり、復調。

出場回数平均補足
2017920組46回20.00組
2018840組42回20.00組
2019885組44回20.11組気仙沼大会:25組
2020226組12回18.83組コロナ禍で18組制
2021432組24回18.00組
2022739組41回18.02組諫早大会:19組
2023873組45回19.40組初夏から20組復帰

出場組数に関しては873組と昨年度から2割近く増加、放送回数は45回で実に2017年以来の多さとなりました。

◯【鐘3つ】合格率は3割付近で推移

合格率に関しては、ここ最近で最も高かった昨年(32.21%)をも上回り、2023年は32.53%。5年前が手元集計で22.62%だったことを考えると、率にして10%近く、合格組数は2組平均して増えた計算になります。

合格出場合格率増減平均
2017223組920組24.24%20組中4.8組
2018190組840組22.62%▲1.62%20組中4.5組
2019271組885組30.62%+8.00%20組中6.1組
2020 71組226組31.42%+0.80%18組中5.7組
2021128組432組29.63%▲1.79%18組中5.3組
2022238組739組32.21%+2.58%18組中5.8組
2023284組873組32.53%+0.34%20組中6.5組

平成の終わり頃は「鬼の秋山」とも言うべき5組未満を平均として推移していたのですが、令和に入り単純計算して「18組中5組台」ないし「20組中6組台」まで回復。およそ『約3割 ~ 3組に1組』の間に帰着するようになってきています。

●【鐘2つ】2023年は約3分の2にまで低下

合格率の裏返しになるのが●【鐘2つ】の割合です。令和に入ってからは7割前後で推移しています。

鐘2つ出場出現率増減
2017683組920組74.24%
2018640組840組76.19%+1.95%
2019608組885組68.70%▲7.49%
2020155組226組68.58%▲0.12%
2021303組432組70.14%+1.56%
2022494組739組66.85%▲3.29%
2023586組873組67.12%+1.73%

比較するべきは2018年と2022年でしょう。2018年当時はおよそ4分の3が鐘2つであったものが、2022になっておよそ3分の2にまで低下しています。合格の狭き門が「4分の1」から「3分の1」になったというのは、番組を見ていても見過ごせないレベルでの変化といえるでしょう。

▲【鐘1つ】令和に入って1%を切るように

暦年ベースで再集計してみましたが、鐘1つは「1%未満」となっています。2023年に限って言えば、3組と極めて少なく感じます。『季節に1度出るかどうか』という水準感で令和時代は運用されます。

鐘1つ出場出現率増減
201714組920組1.52%
201810組840組1.19%▲0.33%
2019 6組885組0.68%▲0.51%
2020 0組226組0.00%▲0.68%
2021 1組432組0.23%+0.23%
2022 7組739組0.95%+0.72%
2023 3組873組0.34%▲0.61%

しかし正直言って、「鐘1つ」が厳しくなりすぎてしまっているうえに、その判定が審査員やエリアによってかなりブレてしまっている気がします。秋山さんから鐘の担当が変わったことは影響していないかとは思いますが、「鐘1つ」を『のど自慢』の制作サイド自らが放棄する必要もなかろうかと思いますがので、ぜひここは見直してフェアな運用を心がけてほしいと思います。

(秘蔵グラフ1)「NHKのど自慢」年別合格者・合格率まとめ

以上を表にして纏めてみましたので、ぜひ振り返りに、お手元に用意していただければと思いますよー

その他の諸々の記録

ここから幾つか個別回の分析・記録などを軽くみていきましょう。18組だったり20組だったりと過渡期だったことも必要に応じて調整することもありますが、基本的には名目値で示しています。

回ごとの合格組数の分布

2022年には「合格3組」も「合格10組」もありましたが、今年は比較的穏やかで4~9組合格に収斂しました。最多は2023年11月12日の滋賀県草津市の9組で、6~8組が多かったのも特徴です。

合格回数うち
20組
制下
備考
9組1回1回23/11/12 草津市
● ● ● ● ○ ○ ● ● ○ ◎
● ● ○ ● ○ ● ○ ● ○ ○
8組8回6回
7組11回9回
6組13回7回
5組8回5回
4組4回2回
3組0回0回

(秘蔵グラフ2)出場番号別・合格者数

そして再び「秘蔵グラフ」のコーナーです。青色系が2023年、緑色系が2022年で、出場番号での合格組数のグラフを作成してみましたので、まずは御覧ください。

2022年は明らかに真ん中が凹んでて終盤にかけ「調整合格」かのように合格率が上がっていました。特にひどかったのが18組時代のラスト18番で、中盤10番とは3倍近い合格率の差が出ていました。

対して2023年は、厳密にみると分母となる組数が回によって違うため単純比較すべきではないのですが、それでもおおよそ15組(45回中なのでピッタリ3分の1)前後に収束していて、前年のような凹のグラフになっていないことは明らかです。

やや気になる点としては序盤(1~5組目)に一定の傾向が見られ、特に5組目が合格しやすい傾向にある部分です。『ありがちなパターン』として、

  1. トップバッター:不合格
  2. トップバッターよりうまい2組目がいきなりの初合格
  3. いきなり2連続合格とはしづらいので3組目は不合格
  4. ●◯●◯という形にすべきかはその人のレベルの高さによりけり
  5. ●◯●●みたいな形で来た場合、序盤5組で合格1組は寂しいため合格しやすい……

みたいな結果、「●◯●△◯」みたいな序盤の紋切り型になりやすかった点は軽く触れておきます。2023年における定番演出だった訳ですね。

(秘蔵グラフ3)出場番号別・優勝組数

分子が大きく小さくなるため紛れも大きくなりやすいのですが、今回初めて作ってみて、こちらは露骨な結果となったのが「チャンピオンになりやすさ」のグラフです(↓)。

2022年は「10組目」がとにかく辛く、合格者だけでなくチャンピオンを1組も輩出していない点で後半との差が如実でした。5区間移動平均をみても『ふたこぶラクダ』のような形になっています。

一方、チャンピオンの数では2023年も偏りが目立っています。分母が少ないことが影響しているのかも知れませんが、18・19番はチャンピオンを出せておらず、3・13・17・20番も1組のみ。ですから、17~20番という終盤はチャンピオン輩出には鬼門で、全体の2割ぐらいの中でチャンピオンを1割分も輩出できていない偏りが出ています。

移動平均としては前半(特に5~10組目あたり)にチャンピオンが集中しています。4~12組目までは最低2組以上のチャンピオンを出しており、終盤との差が顕著となっています。こういった偏りはグラフにして必要に応じて移動平均でも出さないと現れないので、今後も監視していきたいと思いました。

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