令和の「NHK紅白歌合戦」で【1年以上前の曲】が歌われた事例をまとめてみた

【はじめに】
この記事では、令和の時代の「NHK紅白歌合戦」について、特に若手歌手のラインナップや選曲が旬を過ぎていないか、1~2年早く出場させてあげられなかったのかをチェックしていきたいと思います。

平成時代と比べて、ヒット曲の寿命が伸びた印象のある令和時代。ヒットチャートも年を跨いでのヒットが翌年の年間チャート上位に滞留する傾向が顕著となっています。(↑)

特に2022年あたりは、記録達成に時間の掛かる再生回数などの実績に注目したり、遅行指数となりかけている「ビルボードジャパン」の年間チャートを参考としてしまった結果、『出場歌手や選曲が旬を過ぎ』てしまっているのではないかと感じる私の肌感覚を過去の出場歌手をもって振り返っていきます。

この曲って、今年のヒット曲? もっと前からヒットしていなかった?

みたいなことがこれ以上、常態化してしまわないためにも、若手アーティストに関しては『今年のヒット曲』で年を越せるように、もっとアンテナ高く、積極的な人選をオススメしたいという観点からも、ぜひ皆さん、そしてNHKの方々の(?)参考となれば幸いです。

2018~20年:年に1曲程度と少なかったのに、

ここから取り上げていく主な対象となる楽曲というのは、

リリース(デジタルシングルおよびYouTubeなどでの公開を含む)時期が前年(例えば2021年)以前なのに、その初出場が翌年以降(例えば2022年の年末)

となった事例です。早速、具体例でみていきましょう。私がこのことに最初に危機感を抱いた2018年から2020年までを纏めてみていきます。

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キッカケとなったのは、2018年に初出場したDAOKOさんです。この年は米津玄師さんが出場しましたが、『打上花火』は単独歌唱となりました。ただ、この『打上花火』という楽曲自体は、そもそも2017年の下半期のアニソン業界を席巻する大ヒットとなっており、アニソンに限らず下半期の注目の1曲でした。チャート1位を取ったのも2018年1月が最後であり、それが2018年の年末に初出場するというのは、少し『遅くない?』という感想を抱いたのです。

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翌2019年には、乃木坂46が『シンクロニシティ』を初披露しました。前年の「日本レコード大賞」の受賞曲を、翌年に披露するという流れです。もちろん2018年には西野七瀬さんが卒業されるということで、センター曲『帰り道は遠回りしたくなる』が優先して披露されるのは自然な流れです。ただ、前年のレコ大受賞曲を1年遅れで披露するということに全く疑問を持たない訳には行きませんでした。

そして、2020年には、ソニー所属のmiletさんが初出場。前年3月にリリースされた1stEPから『inside you』が歌唱されました。発売月にチャート上位を記録して以降は普通の降下を遂げており、年を跨いでヒットしたという印象もない中での登場でした。

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政治的な力学でいえば、翌年に「東京オリンピック」のセレモニーに出演したり、その翌年には「Fly High」がNHKウィンタースポーツテーマソングに決定することなどの伏線という意味があったのではないかと想像できますが、個人的には唐突な感じは否めませんでした。

それでもまだ、この2020年までは『前年』のヒット曲が歌われることは稀だったのです。

第72回(2021年):みんなのうたも『猫』も1年遅れに

一気にトレンドが変わったのは2021年からでしょう。下に示すとおり、2020年(猫はTHE FIRST TAKE ver. で再ヒット)からのヒット曲が1曲どころか複数曲にのぼったのです。

上白石さんに至っては、もちろん朝ドラ『カムカムエヴリバディ』への出演という実績を引っ提げての出演だったかも知れませんが、そもそも2020年5月にリリースされた『夜明けをくちずさめたら』は、NHK「みんなのうた」の楽曲です。あと1年早く出来たんじゃないか? と感じてしまいます。

そして恐らく、出場歌手や楽曲の選考として『Billboard Japan Hot 100』の比重が高まったのではないかと感じるのが2020年代の紅白です。年間チャートを語るに当たってオリコンよりも話題になったのがビルボードチャートであり、事実2020年は同チャート年間1位に輝いたYOASOBIの『夜に駆ける』が12月23日において追加出場として発表されています。年間チャート発表の約半月後のことでした。

しかし、下の記事でも書いたとおり、Billboard Japan Hot 100』の数少ない弱点として、年間チャートが1年遅れ(遅行指数)となっているきらいがあります。
少なくとも、ヒット曲が年間チャートの上位に来るのには半年程度を要するようになった令和の時代、意識して新しい曲を取りに行かないと、『NHK紅白歌合戦』のラインナップが旬を過ぎたものとなってしまいかねないと感じます。

レコ大では2020年に間に合った「DISH//」の『猫』が、NHK紅白歌合戦で2021年に初出場となったのも、そういった弱点があったのではないかと感じてしまうほどです。私は「今年『猫』を歌うの?!」と感じてしまったことを覚えています。

※これを『NHK紅白歌合戦』やアーティスト側をカッコよく持ち上げる形で説明することは、幾らでも出来ますが、『視聴者が見たい楽曲が1年遅れ』になる事への根本的な解決にはならないと感じます。

第73回(2022年):10曲近くと更に増加

そしてその流れが決定的となったのが2022年でしょう。下に示す通り、若手アーティストの披露した楽曲のうち半数近くが2020~21年にリリースされたものとなってしまいました。

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本気で新しい曲を追っていたら、恐らく年末にはヒットの傾向が顕著だった「なにわ男子」や「Aimer」、「おもかげ」などは歌唱させられたはずです。それに、緑黄色社会やJO1あたりは2021年以前に初出場でも遜色なかったかと思います。それなのに初出場が2022年になったことは、ある意味で『他の音楽番組との差別化』という点でもイマイチだったかも知れません。


もちろん、VaundyやSaudy Dogといった若手がその実績を認められて初出場することは文字通りの「シンデレラ・ストーリー」かとは思いますが、少なくとも2021年の段階で選ぶだけの基礎は出来ていたという風に感じます。

対して2022年でいくと、Official髭男dismの「Subtitle」のような秋クールの大ヒット曲を拾えている(代わりに「ミックスナッツ」が落選)のです。これが出来るならば、もっと早く出場させられる歌手がたくさんつかえている様に感じるのは私だけでしょうか。

このままだと例えば2023年に、2022年のビルボード年間2位だった「Tani Yuuki」さんの『W/X/Y』が初披露なんてことになりかねません。こちらもレコ大から1年遅れです。こういった当たりはまだまだ改善の余地があるように思えます。

  • 初出場歌手の多くは代表曲の動画やストリーミングにおける累計再生回数が1億回を超えていることから、CDセールスに代わって主流となったストリーミング再生数やビルボードジャパンチャートの実績を重視した選考であるとみられる[62]
第73回NHK紅白歌合戦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ウィキペディアに上のような記載がありますが、裏を返せば『再生回数1億回』などの目立った実績が出るのに数ヶ月から年単位で時間が掛かるのに、それが達成されなければ紅白に出られず、旬を過ぎた頃にならないと出場できないという可能性すら出てきます。
つい数年前までは、少しフライング気味に新しい方が出ていたにも関わらず、参考とする指標の「(悪い)癖」にそのまま引きずられてしまっているのではないかと感じてしまうここ数年です。

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