【はじめに】
皆さん「ウィキペディア小旅行」へようこそ、ツアーコンダクターのRxです。今回は「スリランカ民主社会主義共和国」を巡っていきます。素敵な旅をお過ごし下さい。
スリランカ民主社会主義共和国、通称スリランカは、南アジアのインド亜大陸の南東にポーク海峡を隔てて位置する共和制国家。旧国称はセイロンで、現在もこの国が占める主たる島をセイロン島と呼ぶ。最大都市はコロンボで、首都はコロンボ郊外に位置するスリ・ジャヤワルダナプラ・コッテ。人口は約2,167万人(2018年)である。
1948年2月4日にイギリスから自治領(英連邦王国)のセイロンとして独立。1972年にはスリランカ共和国に改称し、英連邦内の共和国となり、1978年から現在の国名となった。
国語はシンハラ語とタミル語で、国民の3/4がシンハラ人で構成される。また、国民の7割が仏教徒(上座部仏教)である。
スリランカ
国の花はスイレンの花、国の宝石はブルーサファイア、国技はバレーボール。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』( 以下省略 )
国名
日本語の表記はスリランカ民主社会主義共和国。通称はスリランカ。漢語表記では、かつての国名「セイロン」を錫蘭とも書き、略語は「錫」である。仏典では、人口の多数を占めるシンハラ人にちなんで、島名を『シンハ・ドヴィーパ(ライオン=獅子の島)』といったことから、「師子国」とも記されている。『ラーマーヤナ』に登場するラークシャサ(羅刹)の王のラーヴァナが住まいするランカー島は、現在のスリランカを意味するという説が有力とされてきたが、定説ではない。
シンハラ語で、スリ (ශ්රී, Sri) は「聖なる」という意味の接頭辞であり「光り輝く」「高貴な」といった意味合いを含む。ランカ (ලංකා) は古くからこの島を示す固有名詞であり、正確な語源は判明していない。一説には「美しいこと」を意味する単語アランカーワと同根とも言われる。
歴史
詳細は「2022年スリランカ反政府運動」を参照
2020年に新型コロナウイルスの世界的流行が発生すると情勢が一変。主要産業である観光業が壊滅、ラージャパクサ政権時代に拡大した債務の返済に困窮するようになり、物価高と外貨不足から独立以来と言われる経済危機に陥る。
大規模な抗議デモが相次ぎ、2022年7月にはゴーターバヤ政権が崩壊。この間に首相から次いで第9代大統領へと就任したラニル・ウィクラマシンハは、7月5日に国家としての破産を宣言、国際通貨基金 (IMF) に支援を要請した。これを受け、9月1日、IMFはスリランカに対し29億ドルの金融支援を行うことで暫定合意に達したと発表。ただし、この支援については国内の経済改革のほか、対外債務(中国、インド、日本など)の整理再編を行うことを前提条件とした。
国際関係
外交面では、非同盟の立場を維持しつつ、歴史的・文化的にも関係が深い隣国インドと、政治や経済、安全保障上、極めて重要な国として良好な関係維持に努めている。
また経済社会開発の観点から日本を含む先進諸国との関係強化を重視しているほか、近年は中国やパキスタン、イランとの関係も強化しており、2009年には1986年以降長らく最大の援助国であった日本に代わって、中国が最大の援助国となっている。
南部ハンバントタでは中国の援助の下、大規模な港湾・空港整備が行われており、中国の進出を象徴するプロジェクトとなっている。
経済
IMFの統計によると、2019年の1人あたりの名目GDPは3,852ドルほどで、南アジアではモルディブに次いで第2位と、域内では経済が発達している国である。
イギリス植民地時代の19世紀から20世紀にかけて、スリランカはシナモン、天然ゴム、紅茶といった作物のプランテーション経済下にあった。これらの作物は現在でも同国の主要な輸出品目として残っている。同時代に行われた近代的な港湾開発により、スリランカは貿易の中継点として戦略的に重要な価値を持つことになった。
1948年から1977年にかけては、政府により社会主義に強く影響された経済政策がとられた。植民地的なプランテーションの多くが解体され、産業の国有化や福祉国家論に基づく政策が進められた。1977年に資本主義の導入、経済の自由化がなされ、国営企業の民営化や規制緩和、それに民間企業の育成が進められた。
茶や天然ゴム、コーヒー、砂糖といった作物の生産・輸出はいまだこの国において重要なポジションを占めるが、産業化により食品加工や繊維産業、電気通信それに金融といった分野の重要性も増加している。スリランカの主な経済部門は観光産業、茶の栽培、繊維産業、それに稲作やその他農産業である。これらの部門に加えて、中東地域を中心とする海外への出稼ぎもこの国の経済に大きく寄与している。
2017年に、99年間にわたる南部ハンバントタ港運営権を中華人民共和国に譲渡、軍事利用しないという契約だが、中国の一帯一路政策の重要港湾拠点となる。
同年、スリランカ政府は「Vision 2025」と題した8カ年計画を発表。年1人あたり所得をUS$5,000に改善し、百万人の雇用の創出、海外直接投資額US$50億/年までの増加、そして輸出額US$200億/年までの倍増を目標としている。
2020年から始まった世界的な新型コロナウイルスの感染拡大は、スリランカの観光業を直撃するとともに外貨の流入を減少させることとなった。スリランカ政府は年間45億ドルの対外債務を返済しなければならず、外貨の流失を防ぐ目的で多数の品目について輸入規制を実施したが、品目にはスリランカ料理に不可欠なターメリックが含まれており価格高騰が生じて市民生活を直撃した。政府は2021年も輸入規制を行うこととしており、ターメリックの流通量不足については国内栽培を強化する方針を示した。
2021年、スリランカは対外債務の支払いとコロナ禍による経済の低迷により外貨準備高が対前年度比で7割も激減した。同年10月にはイラン石油公社に支払う代金5億ドルを支払うことができず、特産品の紅茶によりバーター取引を行った。またスリランカ外務省は外貨の節約を理由に在ナイジェリア大使館、ドイツのフランクフルト、キプロスのニコシアにある領事館を同年12月31日から一時閉鎖した。 ついには、2022年7月7日には国家としての破産を宣言した。
コメント