秋の季語「明治節/文化の日」(+例句5句)

【はじめに】
毎年11月3日は、国民の祝日「文化の日」です。かつて『天長節』や『明治節』と呼ばれていた時代から、戦後に「文化の日」と改称されて現在に至りますが、戦後、どういった俳句が詠まれてきたのか、例句と共に振り返っていきたいと思います。

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ウィキペディアに学ぶ「文化の日」

文化の日ぶんかのひは、日本国民の祝日の一つである。日付は11月3日1946年11月3日日本国憲法公布を記念して制定された。

文化の日
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

戦後に入って「文化の日」となり、現在に至りますが、過去の経緯としてはざっくり纏めると以下のとおりとなります。

時期名称備考
1873~1911天長節新暦換算で11/3に変更
1912~1926(平日)命日7/30が明治天皇祭
1927~1946明治節四大節の一つ
1948~現在文化の日1946/11/3新憲法公布

旧暦が使われていた時代は「旧暦9月22日」でしたが、1873年に新暦換算され、そこから11月3日となります。明治時代には(天皇誕生日のかつての名称であった)「天長節」であり、それが昭和時代に『明治節』として復活、戦後に『文化の日』となり、70年以上が経過しています。

(「陽暦11月3日」は年によって太陽太陰暦の日付が異なりますが、)「陽暦11月3日」および「陰暦9月22日」はどちらも『晩秋』に分類される日付であるため、タイトルにもあるとおり「秋の季語」と紹介させてもらいました。肌感覚としても秋のを終わりのイメージが強いと思います。

行事
・皇居で文化勲章の親授式が行われる。
・海上自衛隊で、基地・一般港湾等に停泊している自衛艦において、満艦飾が行われる。
・文化の日を中心に、文化庁主催による芸術祭が開催される。
・博物館や美術館の中には、入館料を無料にしたり、様々な催し物を開催する所もある。
・日本武道館で全日本剣道選手権大会が開催され、NHK総合テレビジョンで生放送される。

また、この日は晴天になる確率が高い「晴れの特異日」とされる。

( 同上 )

『文化』にちなんだ公的な行事も行われ、まさに『芸術の秋』の盛りといった感じです。例えば文化・芸術の称号でいえば、文化勲章文化勲章受章者の一覧)や文化功労者文化功労者の一覧)などは、『文化』を冠していて10月から準備発表され、11月3日に文化勲章の親授式が皇居で行われます。

そして、「晴れの特異日」に関しては、近年「東京」では低調なものの、全国的にみると という枕詞が付くとのことで、全国的にみると『秋晴れ』が爽やかな晩秋という印象が強いみたいだそうです。

俳句歳時記にみる「文化の日」の例句

ここからは、俳句歳時記にみる「文化の日」の例句をみていきます。手元にある幾つかの歳時記では、『文化の日』の傍題として『明治節』が記載されていたのですが、例句は基本的に「文化の日」ばかりでしたので、今回は「文化の日」に絞ってご紹介していきます。

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  • 『山畑の高みに励み文化の日』/馬場移公子
  • 『書架整理して出そびれし文化の日』/河野頼人
  • 文化の日幹は画鋲をあまた刺す』/福永耕二
  • 『木の家にばかり住み継ぎ文化の日』/品川鈴子
  • 『五箇山に国旗の揚る文化の日』/山田純子

基本的には、下五に文化の日と置くことでそれまでの12音を特別なものにするのが定型かと思います。対して、3句目のように「文化の日」を上五に置くと、その後の展開に期待が高まるため、より高度な整い方が求められるかと思います。

また、4句目のように歴史的背景から「日本史」に思いを浮かべたり、5句目のように祝祭日の伝統を踏まえた上で他の日にも掲げるであろう日の丸も『文化の日』ならではの特別感を演出していました。一方、『文化』という観点では2句目が『読書の秋』であり、3句目はある種の『芸術の秋』かもしれません。そういった様々な人間の営みを戦後に詠んだ作品として1句目の大きな例句が印象的です。

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