【はじめに】
この記事では、プレバト!! で披露された地名を含んだ俳句のうち、「海外の地名(国名などを含む)」が詠み込まれたものをピックアップしてご紹介していきます。
(↑)以前、noteに書いた「俳句で旅気分!」という記事を、海外地名に特化して再編集したものとなります。国内の地名の俳句については上の記事からお楽しみ下さい。
ヨーロッパ
日本からみて隣国に当たらず、古くは鉄道や船、現代でも飛行機を使って比較的長旅の末に向かう印象のあるヨーロッパ。憧れをもってオシャレな印象で詠まれた俳句が「プレバト!!」で紹介されてきました。まずは、中田喜子さんが詠んだフランス・パリの2句から。
ふき味噌は春の季語、そして2句目は「冴ゆ」が冬の季語です。どちらも巴里を漢字表記をしており、さらに「苦さのある食べ物」を取り合わせることで、季語の魅力が増しています。
そして、こちらは実際にイタリアはヴェネツィアを旅行した、元AKB48・篠田麻里子さんの1句です。
『着ぶくれ』という冬の季語があることによって、ヨーロッパの中では緯度も低くアドリア海に面して温暖な部類であることを加味しても、異国の冬の旅をリアルに表現できていると思います。
もちろん、ヨーロッパが訪れる地というだけではなく、そこを故郷として日本で生活される方も多くいらっしゃいます。巴里留学の句を詠んだ中田喜子さんと逆に、高校生で単身来日し、10年間、学生生活やタレント生活を送った春香クリスティーンさん。彼女が日本在住時に詠んだ句がこちらでした。
古都は兼題の京都のことだったかと思いますが、春香クリスティーンさんの詠んだ句として読めば誤読はなくなりますし、作者を伏せた状態で詠んだとしても、どんな境遇でどんな心境で詠んだ句だろうと想像が幾らでも広がります。
といいますか、振り返ってみると、ヨーロッパを詠んだ句は、寒い時期が多いですね。
誰かにとっての旅行先は、誰かにとっての現住地であり、誰かにとっての故郷であり、そして誰かにとっては訪れたことのない憧れの地かも知れない。そんな人々の思いの交差点の地である地名を読み込む強さを更に読み解いていきましょう。
アメリカ
かつて「欧米」と括られて、ヨーロッパと共に代表格だったのが「アメリカ」です。時代によってその存在は大きく変わりますが、戦後昭和を生きた人々にとっては憧れの存在となっていきました。
こちらはヨーロッパと対極に夏の句から紹介しましたが、「常夏」の印象と反対なところに思いを寄せた句もありました。ロスを羅府と漢字表記した鳥越俊太郎さんと同じ手法で、千賀さんの作品です。
「花瑠瑠」を読めますか? ハワイ「ホノルル」と読みます。正直、千賀さんからこれが出たことに驚いてしまいました(^^
そしてこちらも、アメリカ生まれで日本で活躍されているお2人(高学歴かつお笑い芸人としても活動している点で共通項あり)の句をご紹介していきます。
「~~~お駄賃で~~~」という構造自体はベタです。そして清涼飲料水をもらうのも、夏休みなどの季語の世界においては定番でしょう。しかし、前半の「テキサスの芝刈り」があることによって、全く新鮮に感じてしまう部分が、まさに海外の地名、エピソードの強みと言えるでしょう。
そして、初挑戦でいきなり才能アリ1位を獲得する多才ぶりを発揮したのが、投資入門本もベストセラーとなった【厚切りジェイソン】さんです。
五大湖の一つ「ミシガン湖」、ミシガン州のデトロイトでは、1月の平均最高気温が摂氏0℃ですし、観測史上最低気温は氷点下29℃です。屋内でなければ熱いココアも冷え切ってしまいそう。これを体感できれば更に解釈が深まると思います。
アジア
そして、欧米に比べてグッと近づいたアジアの国々も幾つか句に詠まれています。先ほども登場をしたパックンの句から、インドネシアは【バリ島】に思いを馳せた作品です。
東南アジアでも島々ではなく大陸側(インドシナ半島にも近い領域)から「タイ」を含んだ作品です。他にも、サリー(インド地方の民族服)の句も詠んでいたフジモン名人が10段に昇格した時の句です。
そして……2022年「炎帝戦」で生まれたあの句は、ネタバレを回避するため、後日更新します。お楽しみに!
『産声送信ドバイは大夕焼』 中田喜子
コメント