令和に「俳句」を学び直すならコレ!

【はじめに】
この記事では、令和の時代のコンテンツを通じて、令和の時代に「俳句」を『学び始める』皆さんに、オススメの学習ステップをご紹介していきます。

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無料だったり比較的安価なコンテンツがかなり充実している昨今だからこそ、そういった所から始めて「国語の授業」などが退屈だった方々の『学び直し』にも、新たな時代の充実したアプローチを通じて学んでいけたら裾野が広がるんじゃないかと期待しています。皆さんの学びの一助になれば幸いです。

★☆☆☆☆ 夏井先生の『初心者向け』を味わうところから

1987年(昭和62年)に俵万智さんの『サラダ記念日』が口語短歌の裾野を一気に広げたことは国語の教科書にも載っているほど革新的な出来事でしたが、それと同じような画期的な出来事が俳句に起きたのが恐らく2010年代ではなかったでしょうか。

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1989年(平成元年)、伊藤園が「伊藤園お〜いお茶新俳句大賞」開始。1998年には松山市で全国高校俳句選手権大会(俳句甲子園)が始まった。俳句甲子園に初回から参画している夏井いつきは、「プレバト!!」(毎日放送)の中で2013年11月に開始した芸能人の「俳句の才能査定ランキング」で俳句を査定しており、俳句ブームをけん引している。
2012年4月からNHK俳句の中に初心者向け俳句講座「俳句さく咲く!」(Eテレ)を開始、同月「俳句王国」の後継で始まった「俳句王国がゆく」(Eテレ)がすべて地方での公開収録となるなどの影響もあり、老齢化し減少が続いた俳句人口にも変化がみられる。

俳句
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

日本語版ウィキペディア「俳句」に書かれているとおり、夏井いつき先生の「プレバト!!」は、俳句の種まきをブルドーザーでやるような(と夏井先生が語るとおり)普及に貢献をしています。いわば俳句ブームの火付け役となったのは間違いないでしょう。

今や「プレバト!!」や夏井いつき先生が国語の参考書などに登場する時代となってきていますが、この「プレバト!!」をご覧になるだけでも“活きた俳句”の醍醐味を感じることができると思います。まだ、毎週ご覧になっていないという方はこの番組の俳句査定を視聴するだけで、ご覧になっていない方とは大きな差が出ると思います。

上のPDFの後ろから3~4ページで、夏井いつき先生が書き下ろしした『俳句の世界』という文章を読むことができます。昭和・平成で培ってきた経験が集約されて、令和の子供たちに伝わることを願って書かれていますのでぜひ俳句に興味のある方はご一読ください。


そして、夏井先生が「大人向け」に『俳句入門書』より前(入門書をLv.1とするならばこの本はLv.0と自認)に読むべき本として2019年に出版したのが『夏井いつきの俳句ことはじめ』です。

『立派な短冊』だとか『着物』だとかという侘び寂びばかりを教える国語の教科書や固定観念を打ち砕くために、元・国語教師の俳人が書いた「FAQ(よくある質問)」の決定版です!


そしてここまで大人向けメインでご紹介してきましたが、最後に一つ、『小学生のための俳句帖』シリーズをご紹介します。タイトルには『小学生のための』とありますが、内容の奥深さは大人(それこそ俳句をそれなりに勉強してきた方)でも十分読むに値するクオリティがあるので、ぜひご覧ください。

★★☆☆☆ 俳句を沢山読んで、好きなジャンルを見つけよう

国語の教科書で習うのは、大半が既にご存命でない名俳人の名句とされてきた作品ばかりです。でも、『松尾芭蕉』や『小林一茶』といった江戸時代の俳句を鑑賞するにしても予備知識がなければ限度がありますし、だからといって『正岡子規』や『高浜虚子』の俳句を示されてもなかなか共感しづらい部分があろうかと思います。

題材が難しい(素人には時代が違いすぎ)俳句を沢山提示され暗唱させられ、我々の生活で感じるのとは違う「ひっかけみたいな季語(の季節)」をテストで答えさせられても、『俳句の魅力・興味・関心』には必ずしも繋がらないのではないかと感じるのです。それはそれで大事なのでしょうが


そこで私は、俳句に興味をもつキッカケとしてオススメしたいのが、『伊藤園 お~いお茶新俳句大賞』です。これを何百・何千もの新作(しかも俳句のルールに囚われすぎない新俳句として)が無料で鑑賞できる稀有なコンテスト・コンテンツだと思っています。↓公式HPのリンクを貼っておきます。

個人的には、大賞とかの目立つ賞ではなく『結果発表』のページの下の方にある「都道府県賞」で紹介されている俳句たちが最適ではないかと思います。小学生から大人まで、全国(いや世界)、定型も自由律も口語も文語も入り乱れて数百句を読めるのです。

このページなら小学生は小学生の句で、中学生は中学生の感性を、高校生は高校生の句の悩みを、共感するには十分ですし、俳句の骨法も学べます。まずは、『俳句の魅力』を“イマ”のものから受け取る事こそが『興味・関心』という観点では最重要ではないかと感じたのです。ペットボトルに俳句があるのもこれが目的の一つでしょうからね

上の項を通じて、「プレバト!!」で披露されているものだけが『俳句』だと思われてしまうと、それはそれで世界を限定しすぎてしまうので「お~いお茶新俳句」で新しい世界を知るのも良いと思います。


そして、沢山の俳句に触れた中で、気に入ったジャンル(こういう風が好き)ってのが見つかったら、そちらに特化した書籍でより多くの作品に触れるのをオススメします。

国語の教科書で学んだ「季語+五七五」のような定型【以外】に興味をもったタイプの方に、令和の今オススメしたいのがこちらの書籍です。(↓)

「プレバト!!」でも芸人さんが名人・特待生として活躍されてますが、その感性とラジオのハガキ職人がマッチして生まれた『自由律俳句』の最先端が上の書籍です。もちろん伊集院光さんは俳句の専門家ではない(才能アリ1位は取っていますが)ですが、だからこそ「俳句」という形にとらわれない中での市井のラジオ職人俳人の秀作が多く紹介されています。ぜひ読んでみてください。


対して『やっぱり俳句の定型が魅力だよねー』って感じる方には、お手頃価格で1000句も名句が読めるこちらの書籍も入門書にオススメです。

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そして何度も登場している【夏井いつき】先生が、添削する側でなく自分の作品を発表する場として、10年に1度発表されている句集(50代の集大成としての第四句集)もオススメです。
夏井先生の『添削』から受ける印象とは全く異なり、色んな形・バリエーションでの句が掲載されています。

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★★★☆☆ 俳句を作るってどういうことか教えてもらう

国語の授業で「俳句を作る」宿題などが今もあるか分かりませんが、恐らく『国語の評価を左右する』という条件が付いてしまっていたり、『こんなこと書いたら怒られるかな?』と思わされる様な環境にあれば、才能のある子たちもそれを発揮・披露することができないかも知れません。むしろ、「お~いお茶新俳句」の様なフランクな場の方が、大人でも子供でもノビノビ行けるのではないかと思います。

ここ最近『俳句の作り方』(テクニックの部分)を紹介した書籍などが多く発刊されていますが、そもそも論として、作ろうとしている『俳句』が何であり、『俳句を作るとはどういうことか』が余りにも朧気だと続かないと思います。


そこで無料で見られるコンテンツとしてオススメしたいのがこちらです。「プレバト!!」でも永世名人に昇格し、短歌も俳句も造詣が深いフルーツポンチ村上健志さんのYouTubeから俳句講座の初回です。まあ口調はキャラ付けとして大目に見てやって下さいww

(2021/10/13)村上的俳句講座 「俳句はスケッチ編」フルーツポンチ村上の俳句の部屋

この動画で語られているところは、案外本質を突いていて、仮に冒頭に出てきたような「誤解」を抱えたままどれだけテクニックを積んでも、結果は出てきません。方向性が間違っているからです。独学で失敗しないためにも、本格的に学ぶ前にこの誤解を解いておくだけでも見方が大分変わると思います。


もちろん「俳句を作る」ことを目指すにあたっては『鑑賞』が必須です。他人の俳句を読まずには中々作るのが上達することはありません。但し俳句を自作することだけが俳句の楽しみ方ではありません。私も最近は昔ほど作句しなくなりました。『俳句を作る』以外にも俳句との付き合い方、楽しみ方があると思うと少し心が落ち着くのではないでしょうか? これも俳句初心者本にはあまり書かれていないけれど重要なポイントかと思いますね。

さて、「俳句づくり」の方にも興味をもった方向けに、世代別に2冊ご紹介します。上は先ほども紹介した『小学生のための俳句帖』の【作ってみよう編】。優しい文体が相性よい方全員にオススメです。

一方、昭和まで活躍した名俳人・高浜虚子が、昭和時代を通じて『俳句初心者本』の代表格として君臨させたのが、こちらの『俳句の作りよう』です。調べれば「青空文庫」にも収録されているのですが、書籍で整形された方が読みやすいと感じる方には書籍版もオススメです。
古い時代の書籍ではありますが、文体が今に近いですし、初心者の悩みは時代を超えます。少し読んでみて文体が合うようなら読んで見ることを奨めたいですね~

★★★★☆ 俳句を実際に作ってみよう

そして、昭和時代までの書籍で書かれていたエッセンスを抽出して、分かりやすく平成の俳句ブームにぶつけたのが、夏井いつき先生の『世界一わかりやすい俳句の授業』です。後半は少しマニアックな内容となっていますが、基本的にはこの本で書かれている内容を練習していけば「才能アリ」を目指せる基礎体力はついていくと思います。

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この本の最後に、「俳句を披露する場」が紹介されています。ラジオやコンクールに投句するのも悪くないですが、『俳句の賞などは「グリコのおまけ」』であって、おまけの方を目的にしてしまうとどこかで歪みが生じてしまいます。

あくまでも、『自分の「人生の杖」』として俳句と付き合っていくことが非常に重要かと思うのです。世間には様々な理由から、屋外に出て自分の時間を楽しむことが難しい方がいらっしゃいます。そういった方々に向けて、コロナの直前に発刊され、コロナ禍を通じて再注目されたのが、同じく夏井先生の著作から『おウチde俳句』です。この本で救われる方もきっと多いと信じて已みません。

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皆さんの特性や環境に応じて、皆さんが今後の人生で続けやすいコンテンツを見つけて、続けていくことこそが趣味の道です。夏井先生の口癖でいえば、『俳句を止めるのは、俳句の側に捨てられること』であると同時に、『俳句は逃げない、いつでも帰ってこれる』場所なのです。

★★★★★ 俳句の上級者を目指す貴方に2つのコンテンツ

もし、俳句の上級者(専門の道)へ進みたいとしたら、参考になりそうと感じるのが以下の2つです。

まずは、「秋田魁新報 電子版」で連載されている岸本尚毅さん(キシモト先生)の『俳句レッスン』。「プレバト!!」で疑問に思うような中級者以上の技巧的な内容を、ほぼ網羅する勢いで続いています。これを読み実践する方がいらっしゃったらあっという間に上達することでしょう。

また、個人的には「口調」などが少し合わなかったのですが……昭和後半から平成時代を通じて、俳句の入門書(現代のレベルとしては中級から上級を目指す人向け)の決定版とされてきたのが、藤田湘子の『20週俳句入門』です。つい先日、文庫版が登場して更に手に取りやすくなりました。

ちゃんとした芸事として「俳句」を学んで本気の趣味となった人の多くが“通った道”という観点では、ひょっとすると必読書かも知れません。ある意味、この本に書かれている事を実践できたならば、それだけで上位数%になるに違いないですww それぐらいにハードルは高いですが、実践できれば凄いというタイプの書籍です。心して掛かって下さい!(読了、実践後は免許皆伝かと思いますのでww)

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