海外で大きな地震があったんだけど、マグニチュードとか海外の震度とかで言われても今ひとつピンと来なくて……。もっと分かりやすい図(地図)とかないの?
という方にオススメしたいのが、USGS(アメリカ地質調査所)の「ZIP Map」です。英語での「ZIPコード」といえば(アメリカの)郵便番号のことですが、このMapでは、市民からの体感に関する報告を、だいたい市町村クラスで表示してくれていますので、直感的に分かりやすいかと思います。ぜひ、国内外で大きな地震が起きてしまった時の参考としていただければ幸いです。早速みていきましょう。
(参考)同じく「USGS(アメリカ地質調査所)」の【ShakeMap】の解説記事はこちらからどうぞ(↓)
具体的な事例でみる「ZIP Map」の分かりやすさ
今回の記事を書くキッカケになったのが、下のツイートです。2つの「ZIP Map」を横に並べただけなのですが、多くの方に見て頂けました。トルコ・シリア国境付近の地震が、それこそ東日本大震災とかなり近い範囲で被害をもたらしていることを比較できるようにしたものです。
図の見方としては、◯の大きさが(当該地域の)人口を示し、色が(赤色に向け)濃くなればなるほど揺れが大きいことを示しています。個人的な経験則にも基づく分析では、赤色(メルカリ震度階級IX)であれば、日本の気象庁震度階級でいう「震度6強~7」クラスの震害が起きていることが想定されるといった感じです。
ここから、特にここ十年ほどで認められた国内外の顕著な事例を比較していくことにします。いずれも出典は、USGS(アメリカ地質調査所)のホームページに公開されているものです(リンクも参照)。
海域を震源とする地震
2010年に日本にも津波をもたらしたチリ地震(Mw8.8)。オレンジ色が縦長のチリを埋め尽くしていることは分かりますが、スケール感(縮尺)が分かりづらいのが正直なところです。しかし、左にある「東日本大震災」当時の画像と比べると、東日本一帯が震度5~6クラスの揺れに襲われたのと同じ規模であることがお分かりいただけるかと思います。
2010年以降の巨大地震
M 9.1 – 2011 Great Tohoku Earthquake, Japan
M 8.8 – 36 km WNW of Quirihue, Chile
M 7.3 – 57 km ENE of Namie, Japan
2022年に福島県沖を震源として最大震度6強(震度6.4)を記録した事例も、マグニチュード7以上の大地震に分類されますが、同じ縮尺でみるとスケール感が違いますよね。
内陸を震源とする地震
2023年に起きた「トルコ・シリア地震」については、厳密には『プレート境界地震』とするべきなのかも知れませんが、破壊された断層の範囲は細長く、熊本地震や兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)などで想像される『活断層』に面積上は近いため、肌感覚の近いこちらに分類しました。
M7.8 という数字で言われてもピンと来ない節がありますが、冒頭のツイートにあったように、地震の揺れが届いた範囲を見る限り、やはり東日本大震災といったプレート境界型の巨大地震に近い部類のものだったということが、この表から明らかになります。
海外の主な事例(メルカリ震度階級IX~X相当)
M 7.8 – 26 km E of Nurdağı, Turkey
M 7.0 – 10 km SE of Léogâne, Haiti
国内の主な事例(気象庁震度7相当)
M 7.0 – 6 km ESE of Kumamoto, Japan
M 6.6 – 27 km ESE of Chitose, Japan
ちなみに、現行のものと形が違うので単純比較は出来ませんが、1995年に起きた兵庫県南部地震では、下のように断層付近ではメルカリ震度階級ならIX~Xに相当する激烈な揺れが描かれています。
M 6.9 – 8 km S of Akashi, Japan
地震が起きたときの「ZIP Map」の見方
ここから皆さんに「ZIP Map」の確認の仕方について順を追って説明していきます。USGSがアメリカの地質調査所であるため、基本的には英語となりますが、私でも何となくでたどり着けるぐらいですので、あまり気にしすぎず必要なポイントだけ抑えていってください。
まずは、正面ではないかも知れませんが、体感報告(DYFI?)のページに飛びます。
パソコンの画面を画像引用しましたが(↓)、過去24時間(Past 24 Hours)に該当があればそれをクリックしていき、該当がなければ下の「Past 7Days」などを選んで目的の地震を探して下さい。
パソコンの場合
スマホの場合
お目当ての地震をタップすると、いきなり沢山の選択肢が出てきてしまうので、下にスクロールして、
なんとかこの「Did You Feel It?」を見つけだして下さい。そこから先はパソコンの場合と同じく、
最初は「Intensity(震度)」が選ばれているので、一つ右の「ZIP Map」を押して頂ければ上で紹介してきたような地図が出てきます。
ぜひ、皆さんが海外の地震の情報に触れる、確認する際の一助になれば幸いです。以上、Rxでした。
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