ここ最近「NHKのど自慢」で歌われた『民謡』についてまとめてみた【民謡枠=禁止曲】

【はじめに】
毎週日曜日のお昼に放送される「NHKのど自慢」。ここ最近はすっかり歌われる機会が減ってしまった『民謡』枠についてまとめていきたいと思います。

この記事で対象としているのは、私の手元にデータのある2016年度以降のものです。
それ以前のデータについては、お詳しい方の情報をご参照いただくよう宜しくお願いします。この記事ではあくまでここ最近のざっくりとしたトレンドを捉える程度にお考え下さい。

「NHKのど自慢」のWikipediaにある『民謡』についての記載

2022年9月の時点で、日本語版ウィキペディアの「NHKのど自慢」内の『民謡』についての記載は以下の3点かと思います。該当部分のみ引用します。

バンドメンバー
また、民謡を歌う出場者がいる場合、それに合わせて三味線尺八または三線の演奏者が追加される。

チャンピオン大会
以前は歌謡曲の部、民謡の部の2つで行っていたが、現在は部門別の審査ではなく、全てのカテゴリーから2組の優秀賞と、そして、栄光の日本一とも言えるグランドチャンピオン(優勝者)が出ることになっている。

その他
かつては民謡での出場者も毎回1 ‐ 2人あったが、2000年あたりからは少なくなっており、数回に一度あるかの状況である。

NHKのど自慢
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

このうち特に気になるのが、「その他」に書かれている内容。『数回に一度あるかの状況』とありますが、実際にはどれぐらいの頻度なのでしょうか? 2016年度以降のデータを纏めてみるとこんな感じでした。(↓)

令和以降は『数回に一度』どころか年に◯回だけ!?

早速、2016年以降の「NHKのど自慢」で、曲名/歌手名に『民謡』と明記されているもの(漏れがあったらお知らせ下さい)をピックアップしてみたので、こちらの表をご覧下さい。(↓)

《 凡例 》
●:不合格(鐘2つ)、◯:合格(鐘3つ),◎:チャンピオン、C:チャンピオン大会

☆【 NHKのど自慢の「民謡枠」 #NHK #のど自慢

2016年度(6組)
160807-07 ○ 舟漕ぎ流し唄
160821-02 ● おてもやん
160925-01 ○ 日向木挽唄
161113-17 ○ 淡海節(ヨイショコショ節)
161120-10 ○ 十勝馬唄
161127-08 ○ 秋田長持唄

2017年度(3組)
170806-16 ◎ 秋田船方節
171203-06 ● 安里屋ユンタ
180311-09 ○ 稲上げ唄

2018年度(5組)
180617-03 ◎ デカンショ節
180909-15 ○ 淡海節
181006-10 ◎ 秋田草刈唄
181006-19 ○ 秋田長持唄
190302-07 C 秋田草刈唄

2019年度(1組)
191027-03 ○ 秋田草刈唄

2020年度(1組)
210328-07 ● サンタ・ルチア

2021年度(1組)
211003-11 ○ 道南口説節

2022年度(3組)
220515-06 ○ 南茅部鱈つり口説
220925-03 ○ どさんこ甚句
221009-03 ○ 秋田船方節

2023年度(0組)

2024年度(1組)
240505-12 ○ 外山節

2016年に3週連続、2018年に2組合格を出したこともありますが、基本的には『数回に一度』という表現が実態からかけ離れてきている様に感じます。

特に、令和以降に限っては、年に1~2組というのが実態で、2020年度は『コロナ禍』で演奏者を確保するのが難しかった側面もあろうかと思いますが、国内の民謡枠がほぼ無くなってしまったことに一種の衝撃を(今振り返ってみて改めて)感じました。

着目すべきは、その圧倒的な合格率

皆さんは「のど自慢」の全体での合格率の平均値をご存知でしょうか? (↓)の記事のサムネに画像に答えが出ちゃってますが(^^

ここ最近の平均値は、ざっくり「約3割」となっています。コロナ禍になってからは1回に18組が出場しますので、平均して「5~6組」が合格の鐘を鳴らすといったところです。

……で、先ほどまで見ていた図の「◯(合格)や ◎(チャンピオン)」の連なり具合を思い起こして見て下さい。とても3割には見えませんよね? もう少し露骨な表にしてみようと思います。

160807-07 ○
160821-02 ● おてもやん/熊本県民謡、赤坂小梅
160925-01 ○
161113-17 ○
161120-10 ○
161127-08 ○
170806-16 ◎
171203-06 ● 安里屋ユンタ/沖縄県民謡
180311-09 ○
180617-03 ◎
180909-15 ○
181006-10 ◎
181006-19 ○
190302-07 C
191027-03 ○
210328-07 ● サンタ・ルチア/ナポリ民謡
211003-11 ○
220515-06 ○
220925-03 ○
221009-03 ○
240505-12 ○

●(不合格)となっているのは曲名などを併記しましたが、いわゆる『(地名)××唄』や『~~~節』みたいな民謡は、文字通り『負けなし』という状況を2016年度以降は誇っています。

これ以前には当然「不合格」の事例もありましょうし、私の表も漏れがあって不合格な事例もあろうかと思いますが、ほぼ『不敗神話』を続けているかのような錯覚を覚えて久しいです。

地域別にみる「偏り」について

北海道地方
・160807 ○ 舟漕ぎ流し唄
・161120 ○ 十勝馬唄
・211003 ○ 道南口説節
・220515 ○ 南茅部鱈つり口説
・220925 ○ どさんこ甚句
東北地方
・161127 ○ 秋田長持唄
・170806 ◎ 秋田船方節
・180311 ○ 稲上げ唄/宮城県民謡
・181006 ◎ 秋田草刈唄
・181006 ○ 秋田長持唄
・190302 C 秋田草刈唄
・191027 ○ 秋田草刈唄
・221009 ○ 秋田船方節
・240505 ○ 外山節/岩手県民謡

特筆すべきは「秋田県」での民謡率の高さです。2010年代後半はほぼ毎回のように民謡枠が設けられ、2018年度にはチャンピオン大会への出場も果たしています。

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近畿地方
・161113 ○ 淡海節(ヨイショコショ節)
・180617 ◎ デカンショ節/兵庫県民謡
・180909 ○ 淡海節
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九州・沖縄地方
・160821 ● おてもやん/熊本県民謡、赤坂小梅
・160925 ○ 日向木挽唄/宮崎県民謡
・171203 ● 安里屋ユンタ/沖縄県民謡

『安里屋ユンタ』も当然、古謡と区別して「新安里屋ユンタ」のことですし、『おてもやん』ももはや全国区であることを考えると、ゴリゴリの『民謡』枠とそれ以外とでも若干「合格率」には差があるのかも知れませんね。

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