【はじめに】
この記事では、「小田切千アナ・鐘の秋山気清さん」体制から「廣瀬・二宮アナ新体制」となった『のどじまん』の2023年度のデータを色々とまとめていきます。
ここ数年の「年度別」合格率の傾向
まずは、全体の傾向を把握するために、各種データの基礎部分をみていきましょう。(手元集計につき集計ミスなどがあるかも知れませんが、あらかじめご了承ください。)
【分母】出場組数
まずは分母となる「出場組数」です。平成時代は、年末年始などを除き毎週開催されるのが当たり前でしたが、コロナ禍となった2020年以降、放送回数・組数ともに激減。2021年度は前年度から倍にまで回復しましたが、それでも平年の約半分にとどまっていました。
年度 | 出 場 | 回数 | 平均 | 補足 |
---|---|---|---|---|
2016 | 920組 | 46回 | 20.00組 | |
2017 | 880組 | 44回 | 20.00組 | |
2018 | 905組 | 45回 | 20.11組 | 気仙沼大会:25組 |
2019 | 800組 | 40回 | 20.00組 | |
2020 | 198組 | 11回 | 18.00組 | コロナ禍で18組制 |
2021 | 396組 | 22回 | 18.00組 | |
2022 | 831組 | 46回 | 18.07組 | 基本:18組、19・20組が各1回 |
2023 | 907組 | 47回 | 19.30組 | 4月に18組5回、5月に19組3回 |
2020~2022年までは平均18組程度でしたが、2023年度には初夏に20組制に戻り、回数・平均組数はコロナ禍の水準に戻ってきました。
◯【鐘3つ】合格者数&合格率は『3分の1』へ上昇
様々なことを判断する際に最も重視しているのが「合格率」です。2017年に大きく落ち込みましたが、2018→2019年度と回復し、令和に入ってからはコロナ禍の影響がありつつも、「3割」前後が継続。
合格率は実に「33.3%」と、ピッタリ3分の1まで来ており、2017年度から5年あまりでなんと10%pt以上も合格率が上がっているのです。
言い換えれば、20組であれば6.7組、18組であれば6組というのが各回における平均的合格者数です。これを大前提として、全体のレベル感だったり、終盤の調整の有無などを見て頂ければ幸いです。
年度 | 合 格 | 出 場 | 合格率 | 増 減 | 平均 |
---|---|---|---|---|---|
2016 | 288組 | 920組 | 31.3% | - | 20組中6.3組 |
2017 | 204組 | 880組 | 23.2% | ▲8.1% | 20組中4.6組 |
2018 | 235組 | 905組 | 26.0% | +2.8% | 20組中5.2組 |
2019 | 248組 | 800組 | 31.0% | +5.0% | 20組中6.2組 |
2020 | 61組 | 198組 | 30.8% | ▲0.2% | 18組中5.5組 |
2021 | 118組 | 396組 | 29.8% | ▲1.0% | 18組中5.4組 |
2022 | 268組 | 831組 | 32.3% | +2.5% | 18組中5.8組 |
2023 | 302組 | 907組 | 33.3% | +1.0% | 20組中6.7組 |
●【鐘2つ】令和は7割をちょっと切る値で推移
後述するとおり、▲【鐘1つ】が激減した影響で、ほぼ「合格率」と逆相関となっている●【鐘2つ】の割合です。令和に入ってはギリギリ7割を切って6割台で推移していました。
2023年度は、2016年度とほぼ同じ水準にまで戻りましたが、後述の鐘1つの割合が1%近く低下したこともあって、合格率が急上昇した影響を相殺するような格好となっています。
年度 | 組 数 | 出 場 | 鐘2つ | 増 減 |
---|---|---|---|---|
2016 | 614組 | 920組 | 66.7% | - |
2017 | 665組 | 880組 | 75.6% | +7.9% |
2018 | 657組 | 905組 | 72.6% | ▲3.0% |
2019 | 550組 | 800組 | 68.8% | ▲3.8% |
2020 | 137組 | 198組 | 69.2% | +0.4% |
2021 | 276組 | 396組 | 69.7% | +0.5% |
2022 | 556組 | 831組 | 66.9% | ▲2.8% |
2023 | 602組 | 907組 | 66.4% | ▲0.5% |
▲【鐘1つ】令和に入って1%を切るように
手元にあるデータは僅かですが、平成の終わりの3年と令和の始めの3年で、桁違いの結果となっています。均してしまえば、平成時代は「月に1組程度(以上)」でしたが、コロナ禍では「半期に1組」出るか出ないかという感じになっていました。
年度 | 組数 | 出 場 | 鐘1つ | 増 減 |
---|---|---|---|---|
2016 | 18組 | 920組 | 1.96% | - |
2017 | 11組 | 880組 | 1.25% | ▲0.71 |
2018 | 13組 | 905組 | 1.44% | +0.19 |
2019 | 2組 | 800組 | 0.25% | ▲1.19 |
2020 | 0組 | 198組 | 0.00% | ▲0.25 |
2021 | 2組 | 396組 | 0.51% | +0.51 |
2022 | 7組 | 831組 | 0.84% | +0.33 |
2023 | 3組 | 907組 | 0.33% | ▲0.51 |
2022年度は、令和の中では突出して多かったのですが、それでも毎月のように誕生していた平成時代の終盤と比べると半分程度です。2023年度はコロナ禍時代に逆戻りしています。
その他の諸々の記録
ここから幾つか個別回の分析・記録などを軽くみていきましょう。
回ごとの合格組数の分布
単純な組数で比較するとこちらの結果となります。2022年12月11日に諫早市大会で19組中10組が合格するという記録的な多数合格が出ました。2023年度は、2022年度と比べて極端な組数の回は激減し、10組や2~3組といった回は現れませんでした。
上のように事前には書いていたのですが、2024年3月31日、歴史を塗り替える回が誕生しました。年度最終回の宇都宮市大会では、20組中12組合格(年度唯一4連勝を含む合格率6割)となったのです。
- 23/10/08:4組 ● ● ● ○ ◎ ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ○ ○ ● ● ●
- 23/12/03:4組 ● ▲ ● ◎ ● ● ● ● ○ ● ○ ● ● ● ● ● ● ● ○ ●
- 24/03/31:12組 ● ○ ● ● ● ○ ○ ○ ○ ● ○ ○ ● ○ ○ ○ ● ○ ◎ ●
組数 | 回 数 | 備考 |
---|---|---|
12組 | 1回 | 24/03/31(栃木県宇都宮市) |
11組 | 0回 | |
10組 | 0回 | |
9組 | 1回 | 23/11/12(滋賀県草津市) |
8組 | 8回 | 22年度は2回のみ(+6回) |
7組 | 13回 | |
6組 | 13回 | |
5組 | 8回 | |
4組 | 2回 | 23/10/08・23/12/03 |
3組 | 0回 | 直近:22/10/12(佐賀県江北町) |
まあ、12組合格は流石に異例中の異例だと信じたいですが…… その他を見ても(18~19組の回も区別せずに集計していますが)5~8組が殆どで、纏めてみると『正規分布』かのように感じるほど。(審査員がこれぐらいの組数を想定しているとすれば、予定調和な分布ですが……)
【連勝記録】2023年度は4連勝も該当なし…と思いきや!?
2022年度は6年ぶりに5連勝が飛び出しましたが、2023年度は合格率の高さの割に「連勝記録」は伸びず、最長でも3連勝でした。4連勝すら達成されないというのはそれはそれでも稀なようです。
と書いていたら、最後の回に4連勝が飛び出しました!
- 【4連勝】24/03/31:宇都宮市
6~9組目:● ○ ● ● ● ○ ○ ○ ○ - 【3連勝】4回
- 23/04/09:観音寺市 4~6組
- 23/05/28:芦別市 13~15組
- 23/08/06:みどり市 5~7組
- 23/11/26:倉吉市 9~11組
【連敗記録】2年ぶりに2桁連敗が誕生
2022年度は2桁連敗は一度もありませんでした。その時は『合格率の高さの裏返し』などと書いていたのですが、2023年度は2桁連敗が飛び出しました。合格率は特に変わらないのに、です。
- 10連敗:山口県下関市
● ● ● ○ ◎ ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ○ ○ ● ● ●
その他8連敗などが出た回もありますが、コロナ禍になってから十数連敗が殆どでなくなっています。
【秘蔵データ】&グラフのコーナー
(秘蔵グラフ1)「NHKのど自慢」年度別合格者・合格率まとめ
ここまでのデータをグラフ化にすると以下のとおりです。合格率33.30%や合格者数302組はここ最近では最多となっています。2023年12月時点での暦年集計では32.53%だったことを思うと、2024年に入って急騰したことが伺えます。
(秘蔵グラフ2)2023年度の出場番号別・合格/優勝組数まとめ
2023年度の「出場番号」別にみた『合格/優勝』しやすさの表がこちらです。実は、チャンピオンが出ていない番号(11・18番)があったり※19番は12組合格の回で年度内初合格、トップバッター(9回)と14番(23回)では合格に2.5倍近い差があったりしています。
『禁止曲』で私が言っているように楽曲による格差もそうですが、更に自分では対処できない『番号』にもこれだけの格差があることは抑えておきたいところです。※視聴する側としては特に
特に役立つのは、5組目ぐらいまでの動きでしょうか。1・3組目は不合格となりやすく、2組目か4・5組目で初合格が出ることが顕著だったのが2023年度でした。 ※こう書くと、これを逆手にとってNHK側は3組目を合格させたりしてくるのでしょうがww
以下、合格者数とチャンピオン組数を前年度と比較してみましょう。
昨年度はアンバランスだった合格者数(中盤が凹んでいて、18組制当時の終盤が多くなっていた)は、2023年度に入って『5区間移動平均』を取れば平準化されました。ただ、各組が均等なのではなく、上にみたとおり番号によってのバラツキは大きいので、そこはフェアにお願いしたいところです。
そしてチャンピオン組数に関しては、また違った挙動を見せました。昨年の緑色と比べて、今年の青色は、前半の山が尖って高くなり、後半の山が右肩下がりとなっています。一応は昨年形容した『フタコブラクダ』を維持していますが、特に17組目以降のチャンピオンは極めて少なくなっています。
生放送という制約もあるとはいえ、流石に合格率が低くない終盤(調整合格なんかもありうる)のチャンピオン選出率がここまで低いというのはアンバランスです。
2024年度も、これまでと同様、私の記事に書いたことを後追い(していないとは思いますがww)するのではなく、率先して、番号や楽曲、年齢や性別を問わずフェアな審査をお願いしたいと思います。
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