【はじめに】
この記事では、「廣瀬・二宮アナ新体制」が定着した『のどじまん』の2024年度(2024/4~25/3)のデータを色々とまとめていきます。
ここ数年の「年度別」合格率の傾向
まずは、全体の傾向を把握するために、各種データの基礎部分をみていきましょう。(手元集計につき集計ミスなどがあるかも知れませんが、あらかじめご了承ください。)
【分母】出場組数
まずは分母となる「出場組数」です。平成時代は、年末年始などを除き毎週開催されるのが当たり前でしたが、コロナ禍となった2020年以降、放送回数・組数ともに激減。2021年度は前年度から倍にまで回復しましたが、それでも平年の約半分にとどまっていました。
年度 | 出 場 | 回数 | 平均 | 補足 |
---|---|---|---|---|
2016 | 920組 | 46回 | 20.00組 | |
2017 | 880組 | 44回 | 20.00組 | |
2018 | 905組 | 45回 | 20.11組 | 気仙沼大会:25組 |
2019 | 800組 | 40回 | 20.00組 | |
2020 | 198組 | 11回 | 18.00組 | コロナ禍で18組制 |
2021 | 396組 | 22回 | 18.00組 | |
2022 | 831組 | 46回 | 18.07組 | 基本:18組、19・20組が各1回 |
2023 | 907組 | 47回 | 19.30組 | 4月に18組5回、5月に19組3回 |
2024 | 860組 | 43回 | 20.00組 |
2020~2022年までは平均18組程度でしたが、2023年度には初夏に20組制に復帰。2024年度は、実に5年度ぶり(コロナ禍以前)に全回20組となりました。これで文字通り『コロナ明け』となりました。
◯【鐘3つ】合格者数&合格率は『3分の1』へ上昇
様々なことを判断する際に最も重視しているのが「合格率」です。2017年に大きく落ち込みましたが、2018→2019年度と回復し、令和に入ってからはコロナ禍の影響がありつつも、「3割」前後が継続。
合格率は実に「33.3%」と、ピッタリ3分の1まで来ており、2017年度から5年あまりでなんと10%pt以上も合格率が上がっているのです。
言い換えれば、20組であれば6.7組、18組であれば6組というのが各回における平均的合格者数です。これを大前提として、全体のレベル感だったり、終盤の調整の有無などを見て頂ければ幸いです。
年度 | 合 格 | 出 場 | 合格率 | 増 減 | 平均 |
---|---|---|---|---|---|
2016 | 288組 | 920組 | 31.3% | - | 20組中6.3組 |
2017 | 204組 | 880組 | 23.2% | ▲8.1% | 20組中4.6組 |
2018 | 235組 | 905組 | 26.0% | +2.8% | 20組中5.2組 |
2019 | 248組 | 800組 | 31.0% | +5.0% | 20組中6.2組 |
2020 | 61組 | 198組 | 30.8% | ▲0.2% | 18組中5.5組 |
2021 | 118組 | 396組 | 29.8% | ▲1.0% | 18組中5.4組 |
2022 | 268組 | 831組 | 32.3% | +2.5% | 18組中5.8組 |
2023 | 302組 | 907組 | 33.3% | +1.0% | 20組中6.7組 |
2024 | 287組 | 860組 | 33.4% | +0.1% | 20組中6.7組 |
●【鐘2つ】令和は7割をちょっと切る値で推移
後述するとおり、▲【鐘1つ】が激減した影響で、ほぼ「合格率」と逆相関となっている●【鐘2つ】の割合です。令和に入ってはギリギリ7割を切って6割台で推移していました。
2024年度は、2016年度とほぼ同じ水準にまで戻りましたが、後述の鐘1つの割合が1%近く低下したこともあって、合格率が急上昇した影響を相殺するような格好となっています。
年度 | 組 数 | 出 場 | 鐘2つ | 増 減 |
---|---|---|---|---|
2016 | 614組 | 920組 | 66.7% | - |
2017 | 665組 | 880組 | 75.6% | +7.9% |
2018 | 657組 | 905組 | 72.6% | ▲3.0% |
2019 | 550組 | 800組 | 68.8% | ▲3.8% |
2020 | 137組 | 198組 | 69.2% | +0.4% |
2021 | 276組 | 396組 | 69.7% | +0.5% |
2022 | 556組 | 831組 | 66.9% | ▲2.8% |
2023 | 602組 | 907組 | 66.4% | ▲0.5% |
2024 | 572組 | 860組 | 66.5% | +0.1% |
▲【鐘1つ】令和に入って1%を切るように
手元にあるデータは僅かですが、平成の終わりの3年と令和の始めの3年で、桁違いの結果となっています。均してしまえば、平成時代は「月に1組程度(以上)」でしたが、コロナ禍では「半期に1組」出るか出ないかという感じになっていました。
年度 | 組数 | 出 場 | 鐘1つ | 増 減 |
---|---|---|---|---|
2016 | 18組 | 920組 | 1.96% | - |
2017 | 11組 | 880組 | 1.25% | ▲0.71 |
2018 | 13組 | 905組 | 1.44% | +0.19 |
2019 | 2組 | 800組 | 0.25% | ▲1.19 |
2020 | 0組 | 198組 | 0.00% | ▲0.25 |
2021 | 2組 | 396組 | 0.51% | +0.51 |
2022 | 7組 | 831組 | 0.84% | +0.33 |
2023 | 3組 | 907組 | 0.33% | ▲0.51 |
2024 | 1組 | 860組 | 0.12% | ▲0.21 |
そして、2022年度こそ7組と令和の中では突出して多かったのですが、それ以外は片手で数えられる組数まで激減してしまっています。2024年度はついにフル開催の年では恐らく史上初ではないかと思う「鐘1つ:年間を通じてたった1組」となりました。
私はやっぱり審査として存在している以上は、せめて平成の時代のように『鐘1つ』もしっかり使って番組を盛り上げていっていただきたいというスタンスです。
その他の諸々の記録
ここから幾つか個別回の分析・記録などを軽くみていきましょう。
回ごとの合格組数の分布
各回の合格者数を分析してみます。平均するとその合格率は3分の1で変わらないのは前述のとおりなのですが、そのコブのでき方は従来と顕著な違いが出ています。
2023年は6~7組を中心としてほぼ綺麗な放物線が4~9組で出来ていました。そうした中で、2024年3月31日という年度末(宇都宮大会)で『12組』という驚愕の結果が出て驚いたことは昨年度に記事を訂正してまで訴えたとおりです。(↓)
★NHKのど自慢の2023年度のデータをまとめてみた【廣瀬・二宮アナ新体制と合格12組の衝撃】
https://yequalrx.com/nodojiman-data2023/
組数 | 23年度 | 24年度 | 備 考 |
---|---|---|---|
12組 | 1回 | 直近:24/03/31(栃木県宇都宮市) | |
11組 | 1回 | 24/07/21(神奈川県松田町) | |
10組 | 1回 | 24/09/22(岐阜県羽島市) | |
9組 | 1回 | 2回 | |
8組 | 8回 | 7回 | |
7組 | 13回 | 7回 | |
6組 | 13回 | 19回 | |
5組 | 8回 | 5回 | |
4組 | 2回 | 1回 | 24/05/19(佐賀県鹿島市) |
3組 | 直近:22/10/12(佐賀県江北町) |
それが2024年度は、『合格6組』が半数弱とかなり偏った結果となり、従来の正規分布のような形が、崩れてしまった印象です。代わりに、2024年2月までは滅多になかった『合格2組』が、3月から9月までの半年間で都合3回発生したことは、大きなトレンドの変化と捉える必要がありそうです。
【連勝記録】2024年度も4連勝は1回のみ
2022年度に6年ぶり5連勝が飛び出したところから、2023年度は合格率の高さの割に4連勝が1回と「連勝記録」は伸びませんでした。2024年度も傾向は変わらず、合格率は従来より高まっているのに、4連勝が1例出たのみでした。
- 【4連勝】24/08/25:山形市大会
17~20組目:8連敗 → ○ ● ◎ ○ ○ ○
ちなみに、この次回となる9月8日の茨木市大会では、冒頭2組が合格(連勝)しており、回を跨いで6連勝となったことも印象的です。
【連敗記録】コロナ禍以降最長クラスの11連敗
2022年度は2桁連敗が一度もなく、2023年度も10連敗が1度のみ。2024年度も平成の頃ほどの長期連敗はありませんでしたが、2024年5月19日の合格4組に11連敗が誕生しました。
- 11連敗:佐賀県鹿島市
● ● ● ○ ○ ● ● ◎ ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ○
【秘蔵データ】&グラフのコーナー
(秘蔵グラフ1)「NHKのど自慢」年度別合格者・合格率まとめ
ここまでのデータをグラフ化にすると以下のとおりです。合格率33%台で、2023年度を僅かに上回り最多となりました。2024年の1月から9月までがかなりギアを蒸していた印象だったのですが、秋から全体で調整するかのように6組程度の回が増え、出来上がりの数字はこれぐらいとなっています。

(秘蔵グラフ2)2024年度の出場番号別・合格/優勝組数まとめ
2024年度の「出場番号」別にみた『合格/優勝』しやすさの表がこちらです。

いよいよ出場組数による「偏り」が言い逃れできないレベルまで視覚化されてきた印象です。青色での合格組数は、1~3組目が極端に低く、反対に20組目は合格率6割超という明らかな偏りが見えます。他にも細かく見ると、4~5組は高く、17~18組目は14~20組目の前後と比較すると明らかに凹んでいます。
反対に、チャンピオンの輩出は更に傾向が顕著となります。1~3組は合格率が高いから仕方ない面もあるのかも知れませんが、4組目が突出して高く、1~7組目までの中の大半を占めている状況です。

チャンピオン輩出数を比較したグラフを作りますと、表面的には均すと2023年度ほどの偏りはなくなりましたが、4・12・16組目あたりがその前の番目から合格が出ていないことと比較すると極端です。
最後に、合格者数を2023年度と比較してみます。

生放送という制約もあるとはいえ、流石に合格率が低くない終盤(調整合格なんかもありうる)のチャンピオン選出率がここまで低いというのはアンバランスです。
2025年度も、これまでと同様、私の記事に書いたことを後追い(していないとは思いますがww)するのではなく、率先して、番号や楽曲、年齢や性別を問わずフェアな審査をお願いしたいと思います。
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