「プレバト!!」で詠まれた『富士山』の俳句を季節ごとにまとめてみた

【はじめに】
この記事では、「プレバト!!」で詠まれた『富士山』の俳句を季節ごとにまとめていきます。貴方は、どの句がお好きですか? ぜひコメント欄にお寄せ下さいねー

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※令和の天皇誕生日でもある「2月23日」が【富士山の日】ということで、それにちなんで記事を書かせてもらいました。

「新年」の富士山のプレバト!! 俳句

上の記事でも紹介しているとおり、「初富士」は新年の地理を代表する季語です。「プレバト!!」でも兼題となっていて、俳句が何句も詠まれています。

  1. 『御降りの洗いて清し富士青し』/梅沢富美男
  2. 『初富士や北斎のプルシャンブルー』/東国原英夫
  3. 『初富士は青しケサランパサラン来』/森迫永依

1・2句目は2017年、タイトル戦が始まる前に行われた名人・特待生一斉査定で披露された作品です。梅沢名人のドッキリでない方の俳句は、『御降りおさがり』(新年に降る雨や雪をおめでたく表現する季語)という季語を使い、下五で「富士青し」としています。

そして似た形を取ったのが、2023年の冬麗戦を、当時まだ一般参加者で臨んでいた【森迫永依】さん。後半で「ケサランパサラン」を取り合わせる点で、上の句は「青」と「白」をうまく対比しています。

「春」の富士山のプレバト!! 俳句

季節が少し進んで、「春」の富士山を詠んだ俳句です。どちらかというと『春』の季語と取り合わせた先に「富士山」があるという遠近な内容となっています。

  • 2014年『花霞遠きにむ富士の山』/白石美帆’
  • 2014年『春の陽に威風堂々富士の山』/大友康平
  • 2015年『紅梅やはるかに富士をのぞみたる』/中田喜子
  • 2019年『教室のわたしを富士へ白き梅』/鈴木光

下の2句は、紅白の違いはあれど早春を代表する植物の季語「梅」と取り合わされた作品です。2015年に中田喜子さん、2019年に鈴木光さんが詠んでいて、梅の色味で若干印象が変わる点が興味深いです。

そして2018年の「俳桜戦(春光戦の前身)」では、桜と富士山をストレートに詠んだ作品が、ワンツーを決めるなど、まさに日本を象徴するような構図を取っています。

  • 2018年『花震ふ富士山火山性微動』/東国原英夫
  • 2018年『空のあお富士の蒼へと飛花落花』/梅沢富美男
  • 2018年『米朝の語る桜と富士と空』/千原ジュニア’

2位の梅沢さんの句も高評価でしたが、1位となった東名人の句は、2020年の「歴代俳句Top50」で【天(1位)】に輝く最高評価を受けていましたから、おっちゃんの準優勝も致し方ないところです。

東国原英夫さんが語っていたとおり、富士山麓にある「富士山本宮浅間大社」は、富士宮市に鎮座し、【コノハナサクヤヒメ(木花咲耶姫)】などを祀っています。神代から縁があるということですね。

「夏」の富士山のプレバト!! 俳句

「夏」に至ると、ゴールデンウィーク頃には夏富士の様相を徐々に呈してきて、7月には『富士山山開き』を迎えます。おっちゃんは夏にも番組黎明期にこんな句を披露(というか添削)されています。

  • 2014年『雲海の産める朝日富士山頂』/梅沢富美男’

『雲海』自体は季節を問わず見られる現象なのですが、『山開き』をした高山で目視する兼ね合いからか、夏の季語として掲載されていることが一般的です。

遠景でみる富士山は、夏には雪が積もっておらず『のっぺり』として見えるかも知れません。故に起伏に掛けて「プレバト!!」ではあまり詠まれていませんが、地元民からするとその時々に細かな変化があるのでぜひ機会があればじっくりと観察してみてくださいませ。

「秋」の富士山のプレバト!! 俳句

歳時記的な「秋」は、立秋の8月上旬に始まります。「富士山」はまだまだ登山シーズン真っ只中で、雪が皆無といった状況です。そこから秋も後半になってくると、徐々に山頂に『初冠雪』を見られるようになり、冬に向かって雪化粧していく格好となります。

上の記事にも書きましたが、中腹にある「宝永山」まで初冠雪するのは、俳句歳時記的にいう「晩秋」に掛かることも多く、雪のない富士山が、中腹まで雪に覆われ始めるあたりが『秋』の富士山です。

  • 2013年『残照は紅富士の秋深し』/坂上忍’
  • 2013年『逆さ富士つるべ落としの陽にしづか』/大友康平
  • 2016年『富士遥かのかりがね寒き朝』/梅沢富美男’
  • 2021年『秋暁の富士へ遊覧飛行船』/岩永徹也

「プレバト!!」では、やはり山麓からの富士山の遠望となるため、『秋本番』な感じの季語を取り合わせた俳句が中心となっています。俳句査定の第2回(2013/11/21)には『秋の富士山』が兼題として出題されているなど、切っても切り離せない存在となっています。

「冬」の富士山のプレバト!! 俳句

そして「冬」の富士山を詠んだ作品群です。時として麓まで雪に覆われ真っ白となる真冬の富士山は、見るからに寒々しく、他の季節とは少し空気感の違った句が並んでいるかも知れません。

  • 2016年『決断の我を見守れ冬の富士』/柴田理恵
  • 2019年『風邪ふたり新居の窓の富士はるか』/高橋真麻

1句目は「冬の富士」として、前半部の覚悟を力強く支えています。『春風や闘志いだきて丘に立つ』のようです。対して2句目は「風邪」という冬の季語から始まり、暖かな新居での二人暮らしに対し、『遥かな富士山』もただ寒々しいだけではない豊かさを感じさせます。

さて、今後どのような「富士山」俳句がプレバト!! で披露されるのでしょうか。季節ごとの富士山の姿をぜひ貴方と共に楽しんで参りたく思います。では次の記事でお会いしましょう、Rxでした。

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