【はじめに】
この記事では、若干13歳で「俳句査定」に初挑戦し、連続才能アリを記録したタレント(元子役)の「村山輝星(むらやま・きらり)」さんの過去の作品を振り返っていきます。
村山 輝星(むらやま きらり、2010年(平成22年)4月8日 – )は、日本の元子役、女優、タレント。東京都出身。劇団東俳所属。
人物 [編集]
村山輝星
・ボーイッシュなベリーショートヘアがトレードマークでありチャームポイントのひとつ。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
1回目:(2023/06)2位70点『計算ドリル』
2010年4月生まれの村山さんが俳句査定に初出場したのは、2023年6月のこと。13歳・中学1年生ということで、バラエティ的な演出も相俟って前評判は高くなかったですが、堂々2位70点でのデビューとなりました。その時の俳句がこちら(↓)。
『夕立や計算ドリル3回目』
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『夕立や計算ドリル三回目』
2位とはいえ才能アリであり、添削も(プレバト!! 初心者によくありがちな)算用数字を漢数字に直される程度の手直しで済んだ(句の内容そのものには手直しなし)ことを考えれば、大人子ども関係なくのクオリティです。
※もちろん、『一句一遊』や他のコンテストを見る限り、中学生どころか、小学生以下でも大人に勝るハイレベルな作品を披露する方もおられますので、年齢で区切るのはどうでしょうかねー
基本型である「季語を上五に置く + 季語を含まない12音のフレーズ」に忠実なことも好印象でした。夕立から急に『計算ドリル』が登場することで年齢感も伝わりますし、そこから下五に『三回目』というオリジナリティある展開は、小中学生の実体験+瑞々しい感性ならではだと感じました。
2回目:(2023/12)1位72点『蜜柑お裾分け』
初挑戦から半年、この回は『子役』としても活躍した方々が5名揃った回に登場した村山さん。4位でも65点というハイレベルな中、2位(鈴木梨央:70点)を大きく上回り、2回目は才能アリ1位となりました。その時の俳句がこちら(↓)。
1位72点『席替えは窓側蜜柑お裾分け』
兼題写真はケータリングのお弁当(学校で家族が作った手作りのお弁当ではない)だったのに、発想を一旦飛ばして『学校のお昼時』としました。
舞台が学校であることを『席替え』という季語でない上五で伝えきり、その後の12音のフレーズの中に季語を含めるという「(上の基本型より)1ランク難しい型」も余裕をもって使いこなせている印象を受けました。だからこその72点でしょう。
『席替えが窓側』なこと自体は、俳句以外の創作コンテンツでは鉄板となっていますが、そこからの展開もまた見事でした。『蜜柑』という冬の植物の季語が唐突に出てきてから、残り5音の展開が『お裾分け』とする妙が得点を伸ばしました。
「お裾分け」とすることで周囲に新たな布陣となったクラスメイトが居て、コミュニケーションの一環として季語でもある『蜜柑』が良い味を出しています。もちろん、慣れない相手に対する不安感も表現できていますが、前半が明るい印象を与えるからでしょうか、暗い絵は想像できません。
情報量多いこのテーマで俳句を作ろうと皆さんが考えたとしても、これだけすっきりと17音に収めるのは至難の業です。句を見てしまえば簡単に思えますが、無から17音を作り上げるのは名人・特待生でも苦労するでしょう。これだけの機微を表現できる方は大人でもそう居ない気がします。
3回目:(2024/04)2位70点『反抗期』
ここまで2回連続才能アリ。3連続才能アリは特待生昇格の一つの目安でしたから、通常であればもっと『特待生候補』として番組を盛り上げて欲しかったのですが、早々に2位として登場してしまいました。もちろん3回連続才能アリは立派な成績です。(↓)
『われ反抗期春夕焼の海岸へ』
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『われ反抗期春夕焼の波見つむ』
冒頭「われ反抗期」と大胆に『字余り』で主張する手法に打って出ます。ここまで定型を崩さなかったところから一つこれも『反抗期』の表れなのでしょうか?ww 力強く始めました。
そこからの展開は夏井先生も仰るとおり、反抗期や青春は「海」に行きたがる傾向があるため、それを避けるために少し捻って、『砂を行く』であったり『波見つむ(=「見つめる」の意)』であったりとすることを勧めていました。
個人的には、『反抗期』は致し方ないのですが、それまでの純粋な気持ちであったり謙虚な感性が失われてしまい、悪い大人に染まってしまわないかを心配しつつ、次こそ特待生をつかめることを期待しています!
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