【プレバト俳人列伝】的場浩司さんの才能アリの俳句

【はじめに】
この記事では、「プレバト!!」俳人のお一人・的場浩司さんについて振り返っていきます。皆さんは、夏井先生から『実体験ほど強いものはない』と絶賛され、「歴代ベスト50」まであと一歩と評価され、更には俳句歳時記にも例句として掲載された作品を覚えているでしょうか?

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(↑)まさにこんな感じの(?)風体だったのでしょうか? 『職質』というインパクトのある上五から始まる句でした。今日は【的場浩司】さんの才能アリの俳句を中心に皆さんと振り返っていきたいと思います。

一般参加者時代:2018~2022年

(2018/11)4度目にして初の才能アリ

初挑戦したのは俳句査定が始まった約1年後の2014年11月。浜田雅功さんとはドラマ「ADブギ」などで共演したことがあったことも影響したのでしょうか? いずれにしても、その役どころと「俳句」が縁遠そうというギャップも含めてのバラエティ番組的な人選だったことは否めなかったと思います。

  1. (2014/11)2位55点・凡人
  2. (2016/02)3位53点・凡人
  3. (2017/02)4位30点・才能ナシ
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実際、初登場からの3回は凡人と才能ナシでした。2度の凡人を受けて『夏井先生の本をしっかり立ち読み』したという的場さん。

初回は日光いろは坂を兼題に『大権現』を詠み込んでオリジナリティを褒められたため、2・3回目も「オリジナリティ」を求めて句を作りましたが、結果的にはキング・オブ・ザ・凡人な句という評価になってしまい、本を読んで挑んだ3回目は過去最低の才能ナシとなってしまいました。

初挑戦から4年が経った2018年11月、的場浩司さんの実直な勉強が実を結び、初の才能アリを獲得します。それがこちらの句でした。

70点1位『渋滞の窓コツリ京のどんぐりか』

才能ナシの3回目では「ホーホケキョ」と詠むも先生からの評価は低く、何とか消されずに添削で残された程度に終わってしまいましたが、この時は「コツリ」が許容され70点才能アリ1位に輝きました。

ちなみに夏井先生の添削例としては、『コツリ』の工夫は認めつつも中八が気になるということで、『渋滞の窓打つ』とするストレートな形をおしていました。

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(2020/01)職質を…… 歳時記にも掲載の一句!

そして令和に入って一発目の出演となった的場さん。平場時代を代表する1句が誕生します。実に72点の1位は、後に「『歴代ベスト50』まであと一歩」という極めて高い評価を得ることとなる作品です。

72点1位『職質をするもされるも着膨れて』

結局のところ、『職質』という上五から始まるところのリアリティとオリジナリティが他人には無いと言うことで、そこを絶賛していました。3句目までで低評価だった時は、オリジナリティを意識的にだそうとして空想気味だったことで平凡な発想となり失敗しましたが、

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(映画の)稽古の帰りに新宿でかなりの頻度で職務質問(職質)されたということで、その共感を得られにくいはずの経験が妙なリアリティとオリジナリティを持ってくると感じられたのです。技法的には『て』で余情をもたせたところも句の内容と合っているとのことでした。

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そして、この句と的場浩司さんが番組を超えて見直される(?)結果となったのが、翌年のお正月SPで披露された『俳句歳時記』への例句としての掲載決定です。【石寒太】先生の編まれた最新版の『よくわかる俳句歳時記』の冬の季語「着膨れ」で3句しかない例句の3句目に選ばれたのです。

夏井先生曰く『俳句歳時記に自分の句が例句として載るのが俳人の夢の一つ』と語るような憧れの出来事を、本人も全く予期していない形で達成したことに本人も驚きを隠せない様子でした。

そして、本人の役柄とのギャップもありますが、実直に俳句と向き合う姿勢が高く評価された時に見せる柔和そうな表情は、つい「応援したくなる」魅力があるように感じますよね。

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(2022/05)2年ぶりの才能アリは手堅い老犬の一句

2021年は3連続「才能アリ」を目指すも結果は60点凡人(4位)。しかし、才能アリ経験者は誰でも参加できる2021年の「炎帝戦」では『殺陣』から始まる句で全体の17位の高評価を受けていました。

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それから約1年後の2022年5月、すっかり特待生候補という言葉も嘘でなくなった中で2年以上ぶりの才能アリを獲得します。それがこちらの句。(↓)

70点1位『老犬や腹見せ眠る薄暑光』

「薄暑光」という渋い季語を選んで、定型に沿って作った非常に手堅い一句です。中七が少し説明臭いということで、夏井先生は『老犬は眠る薄暑さらし』という句またがりを使って来ましたが、これができるようになれば特待生というお墨付きを獲得します。

(2022/08)5回中4回才能アリで特待生へ!

気づけば4回中3回が才能アリで、凡人1回は60点ですし、タイトル戦17戦も挟まっている安定感を、イジられながらも培ってきた的場さん。2022年8月18日、サービスエリアの回でした。

『妻を待ち静かな月のサンルーフ』と詠んだ『とろサーモン・村田』さんが2位ながら72点という高評価を得て、2位:72点、3位35点と二極化したこの回を制したのは、もう堂々たる実力の的場さんで、

73点1位『アクセルを開くや鉄馬月に吠え』

季語「月」も難しいながら立っていますし、「アクセルを開く」と始めることで様々な意味を推察されそうになる「鉄馬」の意味(愛するバイク≒ハーレーの形容)を緩く限定していきました。

これによって、通常回8回中5回の才能アリという安定感で特待生昇格を決めました。お見事の一言。どうやら、前述の歳時記(↓)に掲載されたことで、俳句に本格的に臨むようになったようですから、夏井先生の言う『グリコのおまけ』のような高評価によって、俳句を続けるインセンティブが働いたのだろうなと感じました。(私も地元企業の俳句コンテストで入賞して商品もらったのが一つの自信に)

To Be Continued…

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