【プレバト!! 俳人列伝】柴田理恵(特待生)

【はじめに】
この記事では、「プレバト!!」の俳句査定で2人目の女性特待生となり、同じく2人目の2ランクUPも経験している【柴田理恵】さんの俳句を振り返っていきます。

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柴田 理恵(しばた りえ、1959年1月14日 -)は、日本女優お笑いタレント富山市特別副市長。北海道羅臼町昆布大使

来歴
1959年1月14日、富山県婦負郡八尾町生まれ。鉄道会社に勤務する父と小学校教員の母のもとに1人娘として生まれ育つ。母の実家は老舗旅館で、夏休みには接客を手伝っていた。富山県立八尾高等学校を卒業後、明治大学文学部演劇学科に進学。

柴田理恵
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

一般参加者時代:4年半で才能アリ7回

2014年:俳句査定スタート翌月に初出演

柴田理恵さんは、「俳句査定」が始まった翌月にあたる2014年1月30日の放送で早くも出演していました。結果としては6位の凡人50点で、『鬼の面とっても子供泣き止まず』と季語なしの作品であり、今であれば才能ナシだったかも知れませんが、番組初期のレベルからすると凡人査定となりました。

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2015年:初才能アリ(78点 & 初期197句で4位にランクイン)

初出演から1年後の2015年2月、初の才能アリを獲得します。しかも、番組初期とはいえ「78点」という高得点でした。ちなみにこの時の2位は梅沢富美男さん(76点)であり、御大を上回っての1位という所からも、その後の活躍の片鱗を覗かせていたのだと思います。ちなみにその時の句というのが、

(15/02/10)78点『春の風バスを待とうか歩こうか』

でした。何も難しい言葉を使わず平易にまとめ上げているのに、『春の風』という優しい響きと感触を持つ季語と取り合わせられることで、長閑な春の一日を想起させる点があっぱれでした。

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そしてこの句は、番組初期(197句の時点)に毒舌先生こと夏井先生が選んだ『ベスト5』で、4位に選出されていました。ここから破竹の勢いで才能アリを積み重ねます。

2016年:通算4回連続の才能アリ

番組初期は無かったものの、2015年のレギュラー化に際して「特待生」制度が導入されると、前述の回で倒した梅沢さんが先に特待生・名人の階段を駆け上がっていきます。

柴田さんは、2回目の上記78点を起点として、1位78点→3位70点→1位70点→2位70点と4回連続で才能アリを獲得することとなり、番組最初期のプレバト!! 俳人を除くと、他の特待生よりも安定感と実績を持った状態ながらあと一歩「特待生」に届かない状態が続いていました。

  1. 春の風バスを待とうか歩こうか
  2. 梅雨明けはいつかと猫も空あおぐ
  3. 決断の我を見守れ冬の富士
  4. 父病みてはやる心に夏の雲

上2つは2015年、下2つは2016年の作品であり、70点とギリギリではありながらコンスタントに才能アリを積み重ねていったことで、翌年からは「特待生」候補としての期待が高まっていきます。

2017年:地元の季語で75点!(秀逸句に選出)

2017年3月の回では、凡人4位40点と過去最低点を叩き出してしまい、連勝も4でストップ。折角のチャンスを掴めず、当時の厳しい昇格基準では「振り出し」に戻ってしまう結果となりました。

しかし、その半年後に披露された作品は、この時期には実質的な“満点”に近づいていた【75点】という高得点であり、令和に入って番組上位の「秀逸句」に選ばれる傑作となりました。その句というのが、

1位75点『もてなしの豆腐ぶら下げ風の盆』
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です。「風の盆」というのは柴田さんの地元・富山の年中行事にして秋の季語である「おわら風の盆」のことです。夏井先生も『俳人にとって憧れのお祭りの一つ』とも言われる季語をうまく取り入れ、更に前半の経済効率の良い言葉遣いによる12音ともマッチして、『この豆腐で🍶が呑みたい!』と言わしめるほどの絶賛を受けました。

ただ、本来ならば無条件で特待生昇格……としたいところなのですが、振り返ってみると本当に大事な所で「キングオブ凡人」が挟まってしまっており、これがあったがために4年半も一般参加者で足踏みしてしまっていたのではないかと感じています。

2018年:再度地元のキーワードで特待生昇格!

2018年に入って最初の挑戦では70点での才能アリとなるも見送り。そしてその次の回は惜しくも63点で凡人となり『特待生候補』継続も見送り。そして通算10度目の挑戦となった2018年8月の回では、7度目の才能アリを獲得し、悲願の特待生昇格を決めました。その句が、

1位72点『降り立ちて夜のしじまにあいの風』

古い日本語に詳しくなければ知らない方も多いであろう「あいの風」という和語。俳句歳時記で引くと春の天文の季語である「東風(こち)」の傍題として掲載されていて、日本海側を中心に上古から使われてきた「東の風」の異名です。

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富山県だけに限定した言葉では本来ないのですが、最近は列車名に起用されることからも明らかな様に、地元・富山を強く連想させる言葉ともなっていることを踏まえると、75点を獲得した『風の盆』の句と同じく、地域性をうまく活かした作品を重ねることで、特待生の地位を掴んだのです。

●◯◯◯◯●◯◯●◯

初挑戦からの10回を振り返ってみると、3回の凡人(●)はあるものの、10回中7回の才能アリは梅沢さんに次ぐ好成績(2桁出場者では高確率)でしたし、個人的には『ここ一番での凡人』があったことを度外視すれば、あと数年早く特待生に推挙していても実力的には良かったのではないかと感じるほどでした。いずれにしても、特待生昇格は報われた感じがして喜ばしかったことを覚えています。

特待生時代:俳句査定2年ぶり2ランクアップ → 長期出演なし

2019年:俳句査定2年ぶりの2ランクアップ、一気に2級へ

特待生昇格直後は、金秋戦で予選最下位、初の昇格査定では現状維持となった柴田さん。今まで一度も経験のなかった「低評価」を連続で受けてしまいます。しかし春を迎えて、連続で傑作を披露します。

5→3級:『「犯人逮捕」干鱈を毟る母の黙』

新元号発表の半月前に行われた「特待生一斉昇格試験」でトップバッターとして俳句を披露し、その時に出された「2ランク昇格」という査定は、俳句査定史上2例目(フルーツポンチ村上さんの『初日記』の句以来2年ぶり)という歴史に残る快挙でした。

更に、続く2019年5月23日の回でも、連続で昇格査定となり、僅か2回で特待生剥奪の危険水域を脱するどころか「5→2級」へのジャンプアップを遂げたのです。その時の句というのが、

3→2級:『若葉風部下にあわせてタコライス』

こちらは『干鱈』の句とは対照的に、『若葉風』という季語が非常にハツラツとしていて瑞々しく感じます。タコライスなるものを食べた上司の年齢・性別はこの句だけでははかりかねますが、どんな人間であっても新入社員かも知れない存在とともに食事を共にするビジネスパーソンの日常が描かれていてこちらも素晴らしい作品でした。

鈴木光さんや森口瑤子さん、筒井真理子さんなどが特待生に昇格し、更にタイトル戦で活躍していくこととなった令和の「プレバト!!」にあって、中田喜子さんに次ぐ女流プレバト俳人としての活躍が期待をされていた柴田さんですが、2020年の出演を最後に2年以上、番組から遠ざかっています。

2020年:初の降格査定を最後に2年以上遠ざかる

しかし2020年5月の回で、再び使った「若葉風」の句は、あまりにも不格好なものとなり、夏井先生も柴田さんに初めて『降格』の査定を下さなければならない内容となりました。

2→3級:『「百円でケンカしたよね」笑う君の歯若葉風』

句のエピソードは省略しますが、指を折って音数を数えただけでも、「5・7・7・5」で24音にものぼります。字余りが7音にものぼるとなれば、もはやそれは俳句より短歌に近い部類にもなってしまうものとなります。もはや和歌の『旋頭歌』の途中までか『都々逸』の亜種であるかのような音律です。

まずもって「笑う君の歯」という部分を言いたかったことは見て取れますが、17音の器からすると明らかに分量過多と言わざるを得ず、ここを削るだけでも十分17音の有季定型で成立しているのを捨てた点で理解に苦しみました。

この句を最後に、2020年5月から数えて、番組に出演しなくなって2年半を超えています。

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