【夏井いつきの一句一遊:「皿」10/15締切】「プレバト!!」で食器が詠まれた俳句をまとめてみた

【はじめに】
この記事では、「プレバト!!」で披露された『食器』を詠まれた俳句を見ていきます。基本的には食器そのものが季語とならないため、どういったサブアイテムとして登場しているのかに注目して過去作をご覧いただき、『夏井いつきの一句一遊』など作句する機会のある方は参考にして下さい!

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和食器

まずは、やはり俳句が和風に詠まれることも多いことから、「和食器」から行きましょう。

「紙皿」から「ガラス皿」から様々の種類・用途がある『皿』ですが、「プレバト!!」でもバリエーション豊かなシチュエーションで詠まれてきました。

  • 『おでん屋の一皿は先ず神棚へ』/千原ジュニア
  • 『日の丸とグリンピースの残る皿』/梅沢富美男
  • 『山雀の高音竹皿のカレー』/千原ジュニア

ここでは和洋を問わずに句を取り上げましたが、「竹皿」と山で食べるカレーも、デパートの最上階の食堂で食べるお子様ランチのプレートも、きっと非日常な要素のある特別な『お皿』だと思います。

そして、「おでん屋」のお客様に差し出される一皿はその人にとっては非日常かも知れませんが、店のご主人からすると日常の一幕。そして『一皿はず神棚へ』という日常(ルーティーン)もしっかりと俳句になることを千原ジュニア名人が示してくれています。

『皿』は比較的“静”な対象物ですが、『箸』は相対的に“動”のものです。「大人」と「子供」でも箸の持つ意味は変わってきそうですが、その機微を繊細に描いた作品群を見ていきましょう。

  • 『駅弁の箸割る去年今年の車窓』/岩永徹也’
  • 『どんぐり七つ饂飩二杯に箸三膳』/千原ジュニア
  • 『団欒す傷秋の箸とめぬよう』/福田麻貴’
  • 『箸高くうどん繰る子や秋は行く』/こがけん’

特に印象的なのが、後に75点という高得点を得る「福田麻貴(3時のヒロイン)」さんの作品。ここに示したのは添削後の形ですが、非常に難しい型で、細かい内容を描き切るワードセンスは見事でした。

「スプーン」と言うと洋食器の雰囲気が強まりますが、「匙」と言うと、木匙であったり薬匙であったりと使われる用途が限られるように感じられますが、「プレバト!!」では良く登場します。作句に関していえば、音数が半分の2音で済むメリットも大きいように思えます。

  • 『氷水に匙直立すライスカレー』/梅沢富美男’
  • 『兄の匙と戦うパフェのさくらんぼ』/西村真二’
  • 『パフェグラス底まで至る匙盛夏』/藤本敏史

1句目はライスカレー、2・3句目はパフェです。カレーライスはもはや国民食となっていますが、基本的には洋食と絡めて作句されているようです。

洋食器

洋食器が「プレバト!!」で登場するのは非常に少なかったのですが、とりあえずは高評価の作品を紹介しておきたく思います。

フォーク

  • 『秋朝やバタにフォークの穴四つ』/村上健志

「バタ」と伸ばさない表現も文学的ではありますが、『フォークの穴四つ』としたところが、ある種、村上さんらしさかも知れません。他の食器とは違った穴が並んで開く様にまで着目すると、俳句の微細なデッサン力が磨かれることとなるでしょうね。

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ナイフ

下に示すのは「食器」としてではないですが、一応参考までに載せておきます。広義でのナイフです。

  • 『月清かパリの封筒切るナイフ』/藤本敏史’

グラス

パフェグラス&匙の句はこちらに持ってきましたが、やっぱり「グラス」と言われると、透明で涼やかさを覚えるものが多そうです。

  • 『葉桜やグラスに融氷のかすか』/北山宏光’
  • 『パフェグラス底まで至る匙盛夏』/藤本敏史

北山さんの傑作(お示ししているのは添削後)は、グラスに氷が当たる高くて清らかな音が耳に届いてきそうです。

ジョッキ

「グラス」よりも場面が限られて、殆どビール(夏の季語)などと絡んできそうな「ジョッキ」という単語についても、大・小あわせて過去作を見ていきます。

  • 『雲の峰まぶし掲ぐる大ジョッキ』/志尊淳’
  • 『土用鰻大将すまん小ジョッキ』/伊集院光

この単語で助かるのは、「ビール」という季重なりを避けつつ、ビールという夏の季語の季感を暗示できるところでしょう。

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