【はじめに】
皆さん「ウィキペディア小旅行」へようこそ、ツアーコンダクターのRxです。今回の目的地はアジアの「アフガニスタン・イスラム首長国」です。
概要
アフガニスタン・イスラム首長国、通称アフガニスタンは、中央アジアと南アジアの交差点に位置する山岳地帯の内陸国である。東と南にパキスタン、西にイラン、北にトルクメニスタン、ウズベキスタン、タジキスタン、北東ではワハーン回廊で中国と国境を接している。
多民族国家で、周辺国と民族やイスラム教宗派でつながりが深いパシュトゥーン人、ウズベク人、タジク人、ハザーラ人などが暮らす。日本の外務省による解説では西アジアに分類され、中東の東端と位置付けられることもある。首都は人口最大の都市のカーブル。
面積は65万2,000平方キロメートルで、北部と南西部に平野部がある山岳国となっている。
2021年8月15日にターリバーンが行政を事実上掌握、8月19日にアフガニスタン・イスラム首長国の建国が宣言された。
国名
2021年までの正式国名はアフガニスタン・イスラム共和国であったが、この国号を使用した政府は同年8月15日にターリバーンの攻勢によって事実上崩壊した。同年8月19日、ターリバーンのスポークスマン、ザビフラ・ムジャヒドはTwitterでアフガニスタン・イスラム首長国が成立することを宣言した。
国旗
詳細は「アフガニスタンの国旗」を参照
2021年8月15日現在のアフガニスタンの国旗は、1997年10月27日にターリバーン政府によって制定されたものである。2001年の米軍侵攻後に成立したカルザイ政権の時代に排除され、以後20年間にわたりアフガニスタン王国時代の3色旗が国旗として使用されたが、ターリバーンの政権復帰に伴いモノトーンの旗が国旗として使われるようになった。 白地に黒文字で、大きくシャハーダが書かれている。
地理
もともとの国土はパキスタン北部まで広がっていたが、平野部はイギリスにより引きちぎられ、現在は山岳地帯が大部分を占めている。北部や南西部にはわずかに平野部がある。
最も標高の高い地点は、海抜7,485メートルのノシャック山である。国土の大半は乾燥しており、真水の入手できる場所は限られているが、水系は、アム・ダリア水系、ハリ・ルー水系、ヘルマンド・アルガンダ水系の四つに大別できる。
気候
気候は大陸性で、乾燥気候かつ夏乾冬雨となっている。
内陸国である事と標高が高いために緯度の割に一部低地地域を除く全土に渡って寒さが非常に厳しく南西部と北部のトルクメニスタン国境部が砂漠気候、中部はステップ気候と亜寒帯気候、一部が地中海性気候となっており、北東部には高山ツンドラ気候も広がり、ワハーン回廊では1月の平均気温は氷点下15度以下に達する。
経済
後発開発途上国の一つで、農業と牧畜への依存度が高い。農業と牧畜は同国において伝統的産業であり、2004年の推計では就業人口の65.6%が農業に従事している。その上で天然資源に乏しい点から、世界で最も貧しい国の一つに数え上げられている。
王政崩壊以降の断続的な紛争による社会・政治的な混乱、インフラの破壊、慢性的な旱魃により経済は壊滅状態となっている。また同じ理由から、大半の国民に充分な食料、衣料、住居、医療が提供できない状態が続いている。2004年10月のユニセフの報告によると、幼児の死亡原因の多くは非衛生的な水の飲料使用による慢性的な下痢であるとされ、死亡率は25.7%と高く、国内の医療・衛生状態はきわめて悪い。
国民の3分の2は1日2ドル以下で生活しており、国際通貨基金(IMF)の統計によると、2013年時点のアフガニスタンの国内総生産(GDP)は207億ドルである。1人あたりのGDPでは679ドルとなるが、この数値は世界平均の10%未満であり、アジアの中でもっとも低い。失業率も高く、ネパール、レソトなどと同じように40%を超える。
上述の通り、2021年から実権を握るターリバーン政権に対して資金凍結されたことで深刻な食糧不足が発生している。
鉱業
古くからアフガニスタンには世界最大規模の各種金属、希少金属、貴金属、宝石を含有する豊富な鉱脈が数多く存在することが知られている。インフラの整備や権益の開発が進めば資源企業に莫大な富をもたらすと考えられている。
最も歴史のあるのは紀元前から採掘が続いた青色の宝石ラピスラズリである。
農業
上述の通り、農業は伝統的に主要産業として扱われている。乾燥地帯に属している為に、人工灌漑を必要とし、農地面積は灌漑用水量によって規制されている。灌漑方法としては大部分が河川の水を引くものとなっているが、西アジアに広く見られる「カナート」または「カーレーズ」とよばれる人工地下水路によって地下水を地表に導く方法も存在する。土地保有の特色としては自作農が多く、大土地所有は発達していない。
治安
アフガニスタンでは厳しい治安情勢が続いている。ターリバーンが政権を奪取・掌握してからも、ISIL等の反政府武装勢力が依然として根強い勢力を保っており、国軍・外国軍や警察、政府関係機関を始め、国連機関や外交団、外国NGO等への攻撃・誘拐等を繰り返していて、現地は非常に危険な状況に陥っている。
また、武装した犯罪グループによる強盗や身代金目的の誘拐事件も多発しており、外国人は一般犯罪はもとよりテロ・誘拐の標的にされている為、滞在中の外出は油断を許さない状態となっている。
現在、外務省からアフガニスタン全土に対して「レベル4(退避勧告)」が発出されており、渡航をしないよう注意が呼びかけられている。
人権
アフガニスタン王国時代の1964年に制定された憲法では男女平等が謳われ、その後1970年代の社会主義政権時代はよりいっそうの世俗化を推し進め、女性は洋服を着て教育を受けており、都市部ではヒジャブやスカーフを被る人も少なかった。
ターリバーン政権崩壊後に一度は廃止された勧善懲悪省(宗教警察)が、同政権時代と比較して幾分穏健化しているものの巡礼・宗教問題省の名で復活。2021年のターリバーンの政権奪還に伴い勧善懲悪省が復活した。
第二次ターリバーン政権では女性がテレビに出演でき、街中でもブルカでなくともヒジャブを被れば許されるように変化した。また、「女性の歌唱」も許されるようになった。
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