【はじめに】
皆さん「Wikipediaで小旅行」へようこそ、ツアーコンダクターのRxです。今回の目的地は北アメリカの「カナダ(連邦)」です。素敵な旅をお過ごし下さい。
カナダ(英・仏: Canada)は、北アメリカ大陸北部に位置し、10の州と3の準州からなる連邦立憲君主制国家。首都はオタワ。
アメリカ合衆国と国境を接する。国土面積はロシアに次いで世界で2番目に広い。イギリス連邦加盟国で、英連邦王国の一つである。
カナダ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
概要
カナダは歴史的に先住民族が居住する中、外からやってきた英仏両国の植民地連合体として始まった。1763年からイギリス帝国に包括された。1867年の連邦化をきっかけに独立が進み、1931年にウエストミンスター憲章で承認され、1982年憲法制定をもって政体が安定した。
現在、政体は連邦制をとり、連邦政府の運営は首相を中心に行われている。一連の過程においてアメリカ合衆国と政治、経済両面での関係が深まっている。
- 面積:9,984,670km2(2位)
- 人口:3774万2000人(39位)【2020年】
- 独立:
- 1867年7月1日:BNA法
- 1931年12月11日:ウェストミンスター憲章 受諾
- 1982年4月17日:1982年憲法によるパトリエーション達成
- 通貨:カナダドル($)(CAD)
- 時間帯:UTC-3.5 から -8 (DST:-2.5 から -7)
歴史
ファースト・ネーション(先住民)やイヌイットの言い伝えでは、先住民たちは時の始まりからこの地に住んでいたとある。一方、考古学的研究では北部ユーコン準州に26500年前、南部オンタリオ州には9500年前に人類がいたことが示されている。
政治
政体は立憲君主制である。公式にはイギリス国王が国家元首(ただしカナダではあくまでカナダ国王の扱い)となる。形式的にはカナダ総督がカナダ国王の代理を務め、また実質的な首長は、総選挙により選出される連邦政府の首相である。
現行のカナダの憲法は「1867年憲法」と「1982年憲法」の二つから構成される。1867年憲法は政治制度などを定める統治規定が中心で、1982年憲法は二言語・多文化主義、ケベック州の特殊性・原住民居留地の特殊性などの人権規定が中心である。
国際関係
カナダは英連邦に加盟している。カナダは世界の先進7か国(G7)および主要8か国(G8)のひとつである。
地方行政区分
地理
カナダの国土は北アメリカ大陸の北半分を占める。南および西はアメリカ合衆国と接する。東は大西洋、デイビス海峡、西岸の一部は太平洋、北はボーフォート海、北極海に面する。国土の中央部のウィニペグ湖からロッキー山脈にかけては、広大なプレーリー地域である。水路となる五大湖の北にはカナダ楯状地が広がる。
ロシアに次いで世界で2番目に広大な国土を持つ国であり、北アメリカ大陸の約41%を占めている。そして、海岸線の長さは世界一である。なお、カナダの領土の54%は森林で占められている。ノースウエスト準州北西は湿地帯であり、地面や湖が凍る冬季でないと車両の通行が困難である。
人口密度は3.2人/km2で、国土の多くは北極圏内にある。人の住める地域は面積に比して少ない。カナダ人の80%はアメリカ合衆国との国境から200キロ以内に住んでおり、人口の約40%がオンタリオ州に集中している。人口がもっとも多い地域は五大湖、セントローレンス川周辺である。大半のカナダ人は、アメリカ合衆国とカナダ国境線に沿って約500キロ幅の細長い帯状に住んでおり、それより北は人口が極端に少ない。
- トロント(オンタリオ州)
北米屈指の世界都市であり金融センター。かつて世界で最も高い建物であったCNタワーは、トロントの遠景を象徴する建築物になっている。 - モントリオール(ケベック州)
モントリオールが位置するケベック州の公用語はフランス語のみで、モントリオール大都市圏の住民の7割弱が第一言語をフランス語とし、フランス語圏ではパリとキンシャサに次ぐ規模である。
フランス文化の薫り高い異国的な雰囲気、美食の町、石造りの住宅街、街中にある数多くの教会、石畳のヨーロッパ調の旧市街の街並みなどから観光客向けに「北米のパリ」と宣伝される。
夏季オリンピック:1976年オリンピック大会を開催 - バンクーバー(ブリティッシュコロンビア州)
2010年 冬季オリンピック(バンクーバーオリンピック) - カルガリー(アルバータ州)
カナディアン・ロッキーに近いことから、カルガリーは伝統的に冬のスポーツが盛んである。1988年に冬季オリンピックを開催したことで、代表的なウィンタースポーツの施設が多くある。 - エドモントン(アルバータ州)
- オタワ/ガティノー(オンタリオ州/ケベック州)
カナダの首都。オタワ川を挟んで隣接するガティノーを含め連邦政府の行政機関が集中する行政都市である。
経済
IMFによると、2010年のカナダのGDPは1兆5,636億ドル(約130兆円)であり、世界第9位である。20世紀初めまで経済の主体は農業だったが、モントリオールやトロントが金融センターとなり、現在では世界有数の先進工業国となった。工業は自動車産業や機械産業が成長し、近年はIT産業が発展してきている。
カナダでは唯一の発券銀行として中央銀行のカナダ銀行があり、通貨カナダドルを発行・管理している。1ドル=100セントである。2012年3月29日にカナダ政府は実用性や製造コストなどの問題や理由により1セント通貨の製造を廃止することを発表している。
カナダは京都議定書に署名はしたものの2011年12月に脱退を表明した。2009年の気候変動実績指標では最下位のサウジアラビアに次ぐ59位であり、二酸化炭素排出量は10年前より25%も増えている。
鉱業
鉱物資源に非常に恵まれており、世界シェア10位に入る鉱物が17種ある。
貿易
最大の貿易相手国はアメリカで、輸出の5分の4以上、輸入の約3分の2を占める。鉱物、木材、穀物は現在も重要な輸出品だが、近年は工業製品が中心となっている。アメリカへの輸出品で最多のものは、自動車と関連部品である。1989年にアメリカとのFTAが発効し、1994年にはメキシコも加わってNAFTAが結ばれた。
アメリカ以外の主要輸出相手国は日本、イギリス、中国、メキシコ、ドイツ、イタリア、主要輸入相手国は中国、メキシコ、日本、イギリス、ドイツである。主要輸出品は、自動車および自動車部品、精密機器、原油、天然ガス、金属および金属製品、産業用機械、通信機器、化学製品、木材、パルプ、小麦、魚類(サケ類、イクラ、マグロなど)、メープルシロップなど。輸入品は自動車部品、自動車、機械、化学製品、コンピューター、原油、通信機器などである。
国民
英語(カナダ英語を参照)とフランス語(カナダ・フランス語を参照)が1969年に制定された公用語法によって認められている公用語である。この公用語法では、連邦政府における英語とフランス語が平等な地位にあることが定められた。
連邦裁判所、連邦議会(カナダ国会)や連邦政府機関のすべてで英仏2か国語が平等に扱われる。カナダ国民は、十分に需要がある場合には連邦政府の行政サービスを英語またはフランス語にて受ける権利があり、公用語の少数派側であっても、すべての州・準州にて教育を受ける権利が保障されている。
文化
カナダの文化はしばしば「進歩的、多様で、多文化主義的」とされる。先住民の文化から、移住してきたヨーロッパ系の文化、さらに近年のさまざまな国からの移民の持ち込む幅広いものが含まれ、混じり、重なり、形成されている。その中で政治的にも多文化主義が憲法で守られ、政策的にも推進されてきた。ケベックでは文化アイデンティティーは強く、仏語話者の評論家はケベック文化は英語圏と違った独自性を持つと強調する。
しかしながらカナダは全体として、「文化のモザイク」(さまざまな人種・民族・地域文化が共存する)を形成しているとされる。国の政策でもユニバーサルヘルスケア、富の再分配のための高い税金、死刑廃止、貧困撲滅への努力、多文化主義推進、厳しい銃規制、同性結婚合法化などが挙げられ、カナダの政策や文化上の社会的価値観を反映している。カナダ料理の多様性は、カナダの経済社会がサラダボウル化していることを特に分かりやすく表現している。
文学
詳細は「カナダ文学」を参照
『赤毛のアン』の作者L・M・モンゴメリはカナダの文学者である。またサイバーパンクSF作家であるウィリアム・ギブスンはアメリカ合衆国出身だが、徴兵を拒否しカナダに移住したため、「カナダの作家」として扱われることがある。また、マーガレット・アトウッドもカナダの作家である。
音楽
カナダの音楽は先住民族やヨーロッパからの移民をはじめとし、さまざまな人々によって創造・継承されてきた。1600年代以降より、カナダでは国際的に著名な作曲家、演奏家などの音楽家を輩出してきた。17世紀以降では教会や集会所、邸宅の大広間、学校、コンサートホール、レコード会社、ラジオ・テレビ局などさまざまな音楽のインフラが形成されてきた。これらの音楽はアメリカ合衆国からの影響を大きく受けながらも、「カナディアン・ロック」というジャンルを生み出した。
ポピュラー音楽・ロックの分野ではニール・ヤングやジョニ・ミッチェル、ザ・バンドらの優れたミュージシャンを輩出した。また、ゴードン・ライトフット、ゲス・フー、BTO、レナード・コーエン、アン・マレー、ラッシュ、ポール・アンカ、セリーヌ・ディオン、ニッケルバック、ダニエル・パウター、ドレイクらもカナダ出身である。ジャズでは、オスカー・ピーターソンが国際的に成功した。
スポーツ
カナダはイギリス連邦の一員であるが、スポーツ文化においては旧宗主国であるイギリスの影響は薄い。隣国のアメリカ合衆国とも一線を画す独自のスポーツ文化が存在する。
^ アイスホッケーは冬季の国技。夏季の国技はラクロスである。
アイスホッケー
カナダ国内でアイスホッケーは圧倒的に1番人気のスポーツとなっており、国技にも制定されているほどである。カナダの国土はアイスホッケーに非常に適した自然環境であり、冬の間は子供から大人までが娯楽でアイスホッケーを楽しむという人も多い。
アイスホッケーカナダ代表はオリンピックでは、初採用となった1920年のアントワープ五輪から1952年のオスロ五輪まで7大会で金メダル6度、銀メダル1度の圧倒的強さを誇っていたものの、ソ連やヨーロッパ諸国の台頭にともない長らく金メダルから遠ざかった。2002年のソルトレイクシティ五輪では50年ぶりの金メダルを獲得し、2010年の地元開催となったバンクーバー五輪では男女代表ともに金メダルを獲得するなど、王国復活を印象付けた。
カナディアンフットボール
カナディアンフットボールはカナダでは単にフットボールと呼称し、隣国のアメリカ合衆国で盛んなアメリカンフットボールに非常によく似たスポーツである。
カナダ国内ではアイスホッケーに次いで2番目に人気のあるスポーツであり、国内8チームからなるプロリーグカナディアン・フットボール・リーグ(CFL))の優勝決定戦グレイ・カップはカナダ最大のスポーツイベントである。
バスケットボール
バスケットボールの考案者は、カナダ人のジェームズ・ネイスミスであり、カナダの人気スポーツのひとつとなっている。特にノバスコシア州やオンタリオ州の南部で盛んである。
トロントを本拠地とする、1995年に設立されたNBA・トロント・ラプターズは、2022年現在で米国外に本拠地を置く唯一のNBAチームである。
野球
野球も隣国アメリカ合衆国の影響を受け、カナダでも人気スポーツのうちの一つに数えられる。とりわけブリティッシュコロンビア州で盛んであり、学生野球リーグBCPBLが設けられている。パンアメリカン競技大会では、2011年大会と2015年大会で連覇を達成し、優勝回数はキューバに次ぐ実績を有する。
カナダの最大の都市であるトロントを本拠地とするMLBのトロント・ブルージェイズは、2022年現在で米国外に本拠地を置く唯一の球団である。世界初となる開閉式ドーム球場ロジャーズ・センター(旧称スカイ・ドーム)を本拠地としており、1992年から1993年におけるワールドシリーズを連覇した。
しかし、かつてカナダに本拠地を置くもうひとつの球団として「モントリオール・エクスポズ」(1969年設立、ナショナルリーグ東地区)が存在したものの、フランス語圏であるモントリオールは野球の認知度が圧倒的に低い。さらに慢性的な財政難が続いた結果、2005年にワシントンD.C.に移転し、球団名もワシントン・ナショナルズに改めた。
カナダ人の一覧
- ブライアン・アダムス – 歌手
- ポール・アンカ – 歌手。1990年にアメリカの市民権を得る
- ジャック・ヴィルヌーヴ – F1ドライバー
- ジル・ヴィルヌーヴ – F1ドライバー
- アーロン・ガイエル – プロ野球選手東京ヤクルトスワローズ
- ジム・キャリー – 俳優。2004年にアメリカの市民権を得る
- カーリー・レイ・ジェプセン – シンガーソングライター
- セリーヌ・ディオン – 歌手
- ダニエル・パウター – 歌手、ピアニスト
- ジャスティン・ビーバー – 歌手
- マイケル・J・フォックス – 俳優。後にアメリカの市民権を得る
- L・M・モンゴメリ – 小説家
- ニール・ヤング – 歌手、ギタリスト
- アヴリル・ラヴィーン – 歌手
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