歴史的な“無敗の名馬”の“2着との平均着差”を比較してみた

【はじめに】
この記事では、(↓)下の記事でも見てきたような歴史的な“無敗の名馬”の中でも、2着につけた平均着差の大きな馬を抽出し、その着差をもって改めて無敗馬の怪物ぶりを振り返っていきたいと思います。この他にも

日本の著名無敗馬の平均着差

日本競馬史上の無敗馬のうち、中央の重賞を勝っているサラブレッドをまとめていきたいと思います。なお「大差」でタイム差などが不明な場合は下限となる11馬身で暫定的に計算しています。まさに伝説となっている昭和(戦前・戦後)を代表する名馬たちをどうぞ見ていきましょう。

7.6馬身:61÷8戦(1976年生)マルゼンスキー

マルゼンスキー1974年5月19日 – 1997年8月21日)は日本競走馬種牡馬。……通算8戦8勝、2着につけた合計着差は61馬身におよんだ。

マルゼンスキー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

新馬戦と朝日杯3歳Sの大差をタイムで換算すると8戦で「61馬身」と言われる2着との着差合計を、1戦あたりに割り返すと「約7.6馬身」となります。戦後の平均着差としては最大級かと思います。

7.5馬身:83÷11戦(1940年生)クリフジ

クリフジ(幼名及び繁殖名:年藤)は戦前を代表する日本競走馬。生涯成績11戦11勝は、日本競馬における現在に至るまでの主要な競走(八大競走など)を含む最多全勝記録。1984年顕彰馬に選出された。

東京優駿競走(6馬身)、阪神優駿牝馬(10馬身)、京都農商省賞典四歳呼馬(大差・本レース及び、後の菊花賞における唯一の大差勝利記録)を勝ち変則クラシック三冠を達成した。ほかに横浜記念(10馬身)の勝鞍もあり、出走した11戦全勝でしかもそのうち7戦が着差10馬身以上という圧倒的な強さを誇った。

クリフジ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

日本競馬の伝説の無敗馬の中でも、最強級と言われるのが【クリフジ】です。タイトルに示した通り、「大差」を「11馬身」という下限で集計しても【マルゼンスキー】とほぼ同じ平均着差となりました。

5.5馬身:16.5÷3戦(1931年生)ミラクルユートピア

ミラクルユートピア日本競走馬種牡馬。(旧表記)4歳春に現在の天皇賞にあたる帝室御賞典を制したものの、東京優駿大競走直前に故障のため3戦3勝で引退した。戦前の日本競馬における「幻の最強馬」の一頭に数えられる。

ミラクルユートピア
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

違ったエピソードで話題になってしまっていますが、新馬戦7馬身、優勝戦9馬身、ダービーの前に古馬を相手とする帝室御賞典(東京)に出走し半馬身差で優勝した【ミラクルユートピア】が、上記2頭に次ぐ「5.5馬身」という平均着差となっています。

4.8馬身:33.3÷7戦(1965年生)キタノダイオー

キタノダイオー1965年4月6日 – 不明)は日本サラブレッド系種(サラ系)の競走馬種牡馬。競走馬として7戦7勝、1967年の函館3歳ステークス北海道3歳ステークスを制した。11連勝のクリフジ、10連勝のトキノミノルに続く無敗の重賞優勝馬である。

キタノダイオー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

北海道で行われる現2歳重賞を連勝し、2年後に条件戦を4連勝した【キタノダイオー】も、均すと4.8馬身となり、戦後の中央の重賞勝ち馬としてマルゼンスキーに次ぐ無敗着差を誇っています。とはいえ非常に地味な存在であることを否定できないのが辛いところであります。

4.7馬身:14.0÷3戦(1932年生)ガヴアナー

ガヴアナー(発音はガヴァナー)は1930年代半ばに活躍した日本競走馬である。1935年第4回東京優駿大競走日本ダービー)に優勝したが、その約1か月後に調教中の事故が原因で安楽死となった。

ガヴアナー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

新呼→優勝を4連勝で制し、ダービーを6馬身差で制し「14馬身」を3戦で叩き出したガヴアナーは、前年のミラクルユートピアに次ぐ平均4.67馬身を誇っています。

(その他)トキノミノル、アグネスタキオン、フジキセキetc

その他著名な無敗馬を何頭かピックアップします。地方馬を代表して1頭、平成の無敗馬も触れます。

着差平均馬身計戦数馬名備考
4.9馬身73.515戦ツルマルサンデー荒尾競馬でサラ最長
4.7馬身4710戦アクチブハトリ地方・南関
「幻のダービー馬」
4.4馬身43.75+10戦トキノミノル幻の馬
3.1馬身12.54戦アグネスタキオン「幻の三冠馬」
3.0馬身124戦フジキセキ

他にも、例えば「ケイウンリーダー」など(平均7馬身程度)これらを上回る馬は探せば出てくるのでしょうが、日本競馬史上に残る歴史的な馬としてはこれらが上に居並ぶのではないかと思います。

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ただ、平成に共に4戦4勝だったアグネスタキオンやフジキセキは平均して3馬身、『幻の馬』【トキノミノル】は現3歳時に怪我もあって全力を出せないハンデがあって、4.4馬身あまりと見られます。

世界の著名無敗馬の平均着差

同じ様な形で、G1級を勝ち日本国内でも知られているクラスに著名な無敗馬について、平均着差を簡単に記しておきたいと思います。もちろん範囲を広げれば他にもこれに類する名馬はいると思われます。

11.8馬身:71÷6戦(2018年生)米・フライトライン

フライトライン (Flightline、2018年3月14日 – )は、アメリカ合衆国の競走馬。主な勝ち鞍は2021年のマリブステークス、2022年のメトロポリタンハンデキャップ、パシフィッククラシックステークス、ブリーダーズカップ・クラシック。6戦9,400mでトータル71馬身差を付けるという成績を残した。

フライトライン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

20世紀のランダルースや19世紀のセントサイモンの記録をも上回り、平均着差で2桁に達した歴史的な名馬というのが、つい先日(2022年)に引退しました。アメリカの【フライトライン】です。改めて、平均着差11.8馬身というのがどれだけの偉業であるかが下の名だたる馬名を見ればお分かり頂けるかと思います。

9.2馬身:46.5÷5戦(1980年生)米・ランダルース

特筆すべき着差の例
1980年生まれのアメリカスペンドスリフトファーム鹿毛牝馬、父シアトルスルー、母ストリップポーカー。ランダルース(Landaluce)は2歳の時にアメリカのハリウッドパーク競馬場で開催されるハリウッドラッシーステークス(アメリカG2)で21馬身差で優勝した。これは同競馬場での最大着差である。

ランダルースはアメリカの三冠シアトルスルーの初年度産駒でデビューから3か月の間に5連勝で最高格のG1であるオークリーフステークスに優勝し、シアトルスルーの子供としては最初のG1競走優勝馬となった。ランダルースは1か月後の1982年11月28日伝染病で急死した。
生涯で2着につけた着差の合計は46馬身。G1競走は僅か1勝であるにもかかわらず、その年のアメリカ2歳牝馬チャンピオン(エクリプス賞)に選ばれた。

着差 (競馬)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

2戦目のG2で21馬身差、4戦目のG3で10馬身差をつけたことなどから、5戦して46馬身半の着差をつけた【ランダルース(Landaluce)】は、平均着差で9.2馬身という破格の強さを示しています。現3歳を走っておらず、G1が1勝のみという点は差し引く必要があるのかも知れませんが、平均着差という観点では北米・そして世界に誇る記録で、ウィキペディア「着差(競馬)」にも特記されるほどです。

8.0馬身:63.75÷8戦(1881年生)セントサイモン

セントサイモンあるいはサンシモン (St. Simon) は、19世紀末に活躍したイギリス競走馬である。以後のサラブレッドに絶大な影響を残したで、史上もっとも偉大なサラブレッド種牡馬と言われることもある。異名は「煮えたぎる蒸気機関車」 (Blooming steam-engine) 。

セントサイモン
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

10戦10勝のうち単走や不明を除いた8戦の表面的な単純合計は63.75馬身程度で、平均着差は約8馬身となります。ただ下にあるとおり、気性難と共に語られる強さの逸話を見れば、実力を制御することができれば8馬身なんてものではなかったときっと言われてしまうでしょうね。

レースはセントサイモンの一方的な展開になり、スタート後瞬く間に差を広げると2ハロン(約400 m)通過時点で20馬身(約50 m)もの差をつけた。主戦騎手を務めるフレッド・アーチャーはその時点で手綱を引き、対戦相手に実力差を見せつける様にデュークオブリッチモンドが追いつくのを待ってから正確に3/4馬身差を保ちつつゴールした。

( 同上 )
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7.3馬身:21.75÷3戦(1977年生)米・ダンジグ

ダンジグ(あるいはダンチヒなど。Danzig、1977年 – 2006年)は、アメリカ競走馬種牡馬である。自身およびその後継種牡馬が多数成功し、サドラーズウェルズと並ぶノーザンダンサー最良の後継種牡馬に数えられる。

ダンジグ (競走馬)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

未勝利戦(デビュー)で8馬身半、約1年ぶりの復帰戦(一般戦)で7馬身強、そしてその2週間後に5 3/4馬身差をつけて一般戦を勝って3連勝とするも、膝の怪我の悪化を受け現役を引退。その後の種牡馬としての活躍ぶりは世界的に知られています。

    6.2馬身:99÷16戦(1952年生)伊・リボー

    リボー(Ribot、1952年 – 1972年)は、1950年代中ごろに活躍したイタリア競走馬種牡馬。20世紀を代表する名馬の1頭で、20世紀のヨーロッパ記録となる16戦無敗、凱旋門賞連覇の成績を持つ。引退後は種牡馬としても成功した。

    リボー
    出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

    2度目の凱旋門賞制覇の際の着差は、公式には6馬身とされていますが判定写真はもっと広く8馬身という声もあり、それを仮に採用すると生涯着差は100馬身を超えるという20世紀を代表する名馬です。

    5.8馬身:35÷6戦(1999年生)キャンディライド

    キャンディライド(英:Candy Ride)は、アルゼンチン生産、同国およびアメリカ合衆国調教の競走馬種牡馬。主な勝ち鞍は2003年パシフィッククラシックステークス、2002年のサンイシドロ大賞、JSアンチョレナ大賞。アルゼンチン時代の3戦で2着馬に付けた着差の合計は28馬身に上った。

    キャンディライド
    出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

    5.4馬身:76.25÷14戦(2008年生)フランケル

    フランケル(欧字名:Frankel、2008年2月11日 – )は、イギリス競走馬種牡馬である。

    競走馬として、G1競走10勝を含む14戦14勝の生涯成績を残し、2年連続で欧州年度代表馬となった。2着馬につけた着差の合計は76馬身1/4に及び、特に2012年のクイーンアンステークスおよびインターナショナルステークスの圧勝は、ワールドサラブレッドランキングで史上最高の評価を受けている。クイーンアンステークスの勝利は、タイムフォームレーティングにおいても平地競馬史上最高の評価である。

    フランケル (競走馬)
    出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

    21世紀のヨーロッパ競馬においても屈指の名馬とされる【フランケル】は、そのレーティングのみならず平均着差からも名馬であることが数値からも明らかとなっています。21世紀に平均5馬身以上をつけて無敗を維持するというのは、常軌を逸しています。

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