【はじめに】
「ウィキペディア小旅行」へようこそ、ツアーコンダクターのRxです。今回は、「メシエ天体」の著名な天体を巡ります。素敵な旅をお過ごし下さい。
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概要
メシエカタログ(フランス語: Catalogue de Messier )は、フランスの天文学者であるシャルル・メシエが作成した星雲・星団・銀河のカタログである。
概要
メシエカタログ
メシエが彗星を探索するのに際して、彗星と紛らわしい天体の一覧を作ったことが始まりである。「最初に作られたカタログ」と言われることもあるが、少なくともジョヴァンニ・バッティスタ・オディエルナの作った星雲星団のカタログはこれより古い。
メシエは数多くの望遠鏡を所有しており、ドロンド製の口径9cmアクロマート屈折望遠鏡やショート製の口径15.2cmグレゴリー式反射望遠鏡などが使われ、口径19cmグレゴリー式反射望遠鏡を特に気に入って使っていた。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
日本語版ウィキペディアには、「メシエ天体」のテンプレートがあります。
『メシエ天体の一覧』の中でも著名な天体には、カッコ書きで異名が付けられているので、ここからはそうした天体を巡っていきたいと思います。
M1:かに星雲
メシアカタログの第1番は、非常に著名な星雲である「かに星雲」です。
- 1054年に出現した超新星(SN 1054)は、中国の記録『宋史』「天文志」に客星(突然現れた明るい星)として記され、仁宗の治世である至和元年五月己丑(1054年7月4日)に現れ嘉祐元年三月辛未(1056年4月5日)に見えなくなったとある。日本でも藤原定家が自身の日記『明月記』に記録をひいている。また著者不詳の『一代要記』にも記録が残っている。
さらに1000年頃にアメリカ・インディアンによって描かれたアリゾナの壁画に残されている星の画をこの超新星とする説もある。超新星の出現当時は金星ぐらいの明るさになり、23日間にわたり昼間でも肉眼で見えた。夜間は後2年間も見えていた。
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- 星雲自体は1731年にイギリスの開業医でありアマチュア天文家のジョン・ベヴィスによって発見された。後にウィリアム・パーソンズの観測で見つかった微細なフィラメント構造がカニの足を思わせることからかに星雲と呼ばれるようになった。ただ、ジョーンズのようにこのスケッチはむしろパイナップルのように見えるという人もいる。
- 彗星を観察していたシャルル・メシエが、彗星と紛らわしい天体としてまとめたメシエカタログの1番目に収録されている。メシエ天体では唯一の超新星残骸である。メシエは1758年9月12日にこの星雲を発見し「牝牛の南の角の上にある、星雲状のもので星を含まない。白っぽくローソクの炎のように長く伸びている。1758年の彗星を追跡中に発見した。また、ベヴィス博士が1731年発見したとする私信がある」と記している。
M8:干潟星雲
- 1764年にシャルル・メシエがメシエカタログに加えた際には、この星雲を星団として登録しており、星団と星雲の両方を発見したと考えられている。
メシエは「星団で、単純な3フィート望遠鏡で見ると星雲のように見える。しかしすぐれた機材では、数多くの暗い星団である」と記している。
M16:わし星雲
そして、初めて「創造の柱」の画像を見た時は、衝撃を受けたことを覚えています。
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M17:オメガ星雲
- 星雲の中にループ状の構造が見えることから、これをいろいろな物に見立てて、「オメガ星雲」「白鳥星雲」などいろいろな呼び名を持つ散光星雲である。
すぐ北にあるわし星雲 (M16) と同様の星形成領域で、距離はM16よりもやや地球に近い。この両者の星雲は銀河系内で同じ渦巻腕に乗っており、おそらくは同じ巨大分子雲複合体の一部をなしているものと考えられている。また、内部には電波源があり強力な電波が放射されている。
M20:三裂星雲
M27:亜鈴状星雲
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M31:アンドロメダ銀河
- アンドロメダ銀河(M31)は、地球から約250万光年の距離に位置し、M33とともに肉眼で見える最も遠い天体である。およそ1兆個の恒星から成る渦巻銀河で、直径22万光年と我々の天の川銀河(直径10万光年)よりも大きく、局所銀河群で最大の銀河である。
従来は直径13万光年程度と見なされていたが、21世紀初頭の観測結果によって、アンドロメダ銀河の銀河ハロー部分(銀河周辺領域)と思われていた領域の星々が、実はアンドロメダ銀河のディスク(銀河の円盤部分)の一部であると判明し、アンドロメダ銀河本体がより大きく拡がっていることが判った。 - かつて、系外銀河のことがよく知られていなかった時代に銀河は星雲と混同されており、その名残として現在でも「アンドロメダ星雲」、「アンドロメダ大星雲」、などと呼ばれることもある。
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M33:さんかく座銀河
- さんかく座銀河は、天の川銀河、アンドロメダ銀河 (M31) とともに、局所銀河群を構成する主要な銀河の一つである。質量は天の川銀河の0.5倍から2倍程度とされ、直径は約6万光年と推定されている。
- 太陽系からの距離は、約300万光年と推定されており、アンドロメダ銀河とともに肉眼で見える最も遠い天体である。アンドロメダ銀河との距離はおよそ75万光年と比較的近い位置にある。
- 双眼鏡では本当に条件が良い場合に見える。通常の望遠鏡での観測では銀河の形ははっきりとは捉えづらく雲の固まりに見える。口径10cm程度の小口径望遠鏡でも意外に見え方は良くならない。しかし、空の条件が良い場所で、目を夜空に慣らしてじっくり見ることによって、腕の構造まで見えてくる。
M42:オリオン大星雲
- 推定年齢は1万年と若く、星が誕生している現場でもある。オリオンのベルトにあたる三つ星の中央下方の小三つ星付近にあり、肉眼で確認できる。肉眼で見える星雲の中で干潟星雲(M8)と並び最も明るいものの一つである。地球から約1,300光年の距離にあり、約20光年の実直径を持つと考えられている。
- オリオン大星雲の中心部には、4重星のトラペジウム (Trapezium) を主要な構成メンバーとする、非常に若い星からなる散開星団がある。ハッブル宇宙望遠鏡などの強力な望遠鏡による観測で、オリオン大星雲の中に塵の円盤に包まれた星が多数発見されている。これらの星は周囲に惑星系が形成される非常に初期の段階にあるものと考えられている。
- オリオン大星雲は比較的大きい星雲であるため、経験の浅い観測者にとって撮影対象にされる事が多い星雲でもある。
M44:プレセペ星団
- プレセペ星団(プレセペせいだん、Praesepe 、M44、NGC 2632)はかに座にある散開星団である。
- プレセペ星団はかに座の中心、γ、η、θ、δ の各星で作られる四辺形の中心にある。属する星は577個で、揃っていっかくじゅう座の方向に41km/秒の速度で移動している。
- プレセペ(Praesepe )はラテン語で「飼い葉桶」を意味し、γとδが飼い葉桶の餌を食べる2頭のロバに見立てられていたことに由来する。γの固有名アセルス・ボレアリス(Asellus Borealis)は「北のロバ」、δの固有名アセルス・アウストラリス(Asellus Australis )は「南のロバ」という意味である。
- 英語では「ビーハイブ」(Beehive 、蜂の巣の意)と呼ばれる。中国では「積尸気(ししき)」または「積屍気(せきしき、宋史天文誌)」と呼ばれ、亡くなった人の魂が集まる、あるいは魂が天に昇っていく際に通過する場所だと考えられていた。
- 月のない晴れた夜には裸眼でもぼんやり見え、目の良い者ならいくつか星を認められる。オペラグラスでは星団がはっきりし始める。双眼鏡では全体の形が見え、観望には双眼鏡が最適である。
M45:プレアデス星団(すばる)
- プレアデス星団(プレアデスせいだん、Pleiades )、またはプレヤデス星団は、おうし座の散開星団である。メシエカタログでの名称はM45。和名はすばる。
- 冬を中心に秋から春先にかけて観測できる。肉眼でも輝く5–7個の星の集まりを見ることができ、双眼鏡で観測すると数十個の青白い星が集まっているのが見える。比較的近距離にある散開星団であるため狭い範囲に小さな星が密集した特異な景観を呈しており、このため昔から多くの記録に登場し、各民族で星座神話が作られてきた。
- 1769年にメシエカタログの45番に加えられた。メシエカタログは3回に分けて刊行されたが、M45は1回目のカタログに記載された最後の天体である。
- 約6千万-1億歳と若い年齢の青白い(高温の)星の集団である。核融合の反応速度が速いため寿命は比較的短いと予想されている。星団を構成する星の周囲に広がるガスが青白く輝いているのは、星々とは元々関係のない星間ガスが星団の光を反射しているためである。
M51:子持ち銀河
- この銀河は銀河の渦巻構造が1845年にはじめて観測された銀河であり、ロス卿による観測スケッチが残っている。「渦状。高倍率では一層複雑な構造が分かる。大きい方と小さい方はつながっているに違いない。最も珍しい渦状星雲である」1861年には「外側の核は渦が左巻きになっているのは事実である」と記している。
ウェッブは「ロス卿の驚異的な渦状星雲。この光輪はすぐれた器機でないと及ばない。この不釣り合いな一対はよいコントラストを示す。大きい方の光輪は追跡できる。9.3インチで渦の終わりがわかる。ファインダーでは神秘的な光班」、フラマリオンは「よく目立つ二重星雲。それぞれ中心部がよく輝いて明瞭。互いの連絡箇所ははっきりしている」とした。 - 子持ち銀河は明るい銀河で双眼鏡でも観測できるためアマチュア天文家にも人気が高い。
M57:環状星雲
- 1779年フランスのアントワーヌ・ダルキエ・ド・ペルポワ(英語: Antoine Darquier de Pellepoix)が口径約3インチの望遠鏡で彗星を観測していて偶然に発見し「大きさは木星ほどで、惑星をうすめたような感じで、ぼんやりしているが輪郭ははっきりしている」と記している。
- 数日後シャルル・メシエも同じ彗星を観測中に発見し「γとβの間にあり、光のシミのよう。ここを通過した彗星の追跡中に見つけたが、形はまるく非常に微かな星から構成されているに違いない。しかし、良機でこれらの星をはっきりさせることはできず、ただの推測に過ぎない」と記している。両者ともリング状の形態を観測していない。
M63:ひまわり銀河
- 天の川銀河とほぼ同じ10万光年の直径を持つとみられる。M51やM101と同じM51銀河群に属している。1850年にロス卿が渦巻構造を発見した14の銀河に含まれるなど、早くからその渦巻構造が知られた銀河の一つである。
- 双眼鏡で十分恒星と見分けられる明るい銀河の一つである。口径5cmの望遠鏡で星雲らしくなる。中心部に輝く星が見える。口径10cmで中心がよく輝いて、淡い楕円形の光にとりかこまれていることが分かる。条件さえ良ければ星雲の一端がとがっているのも見える。口径20cmの望遠鏡では中心部を取り巻く光芒が次第に見えてくる。
M64:黒眼銀河
- 渦巻銀河の中心核の手前にはっきりとした暗黒帯を持っているのが、特徴である。この暗黒帯は銀河の宇宙塵によって光が吸収されるために黒く見えており、暗黒帯が黒目のように見えることからこの名前が付けられている。
- 一見すると暗黒帯が濃いという特徴以外には、ごく普通の渦巻銀河に見える。
他の大多数の渦巻銀河と同様に渦巻が巻き込まれる方向(地球から見て時計回りの方向)に回転しているが、最近の詳細な観測から外縁部分にある星間ガスは内側とは逆方向に回転していることが明らかになっており、これは過去に2つの銀河が衝突合体した名残ではないかと考えられている。研究者の推定では、約10億年以上前に伴銀河と合体し、この逆回転するガスを残したと見られている。 - 過去に衝突した小さな銀河は、現在ではほぼ完全に破壊されてしまっている。この小銀河の星は本体と合体したか、宇宙空間に四散してしまったと考えられるが、外縁部のガスが逆回転しているという観測事実に、過去の衝突の証拠が現在でもはっきりと残されている。
M76:小亜鈴状星雲
- M76(NGC 650、651)は、ペルセウス座にある惑星状星雲である。小亜鈴状星雲(しょうあれいじょうせいうん)とも呼ばれる。
- メシエ天体の中では最も暗い目標の中の一つである。
- 1780年9月5日にピエール・メシャンによって発見された。「星を含まない。小さくて微か」と記している。同年シャルル・メシエは、「アンドロメダ右足の星雲は1780年9月5日メシャンが観測している。彼は色消し望遠鏡で探し、星雲状物質をふくむ小さな星団にみえた」とした。
M82:葉巻銀河
- M82 (NGC 3034) は、おおぐま座にある不規則銀河。距離は1200万光年。
- その形から葉巻銀河 (Cigar Galaxy) ともいう。
- 1774年にヨハン・ボーデがM81と同時に発見した。ボーデは「星雲状の光斑で青く楕円」としている。1781年シャルル・メシエは「星のない星雲でM81に先行、M81ほどはっきりしない。望遠鏡で同じ視野にみえる。端に微星があり、微かで全体がのびている」とした。
M83:南の回転花火銀河
- M83(NGC 5236)は、うみへび座にある棒渦巻銀河である。その姿から南の回転花火銀河という別名でも呼ばれる。
- この銀河には1923年の14等級をはじめ、1945年、1950年、1957年、1968年、1983年と合計6個の超新星が発見されている。これよりも多いのはケフェウス座のNGC 6946の9個のみである。
- 1752年ニコラ=ルイ・ド・ラカーユによってケープタウンで発見された。
1781年にメシエは「ケンタウルスの頭に近い星のない星雲。微かで光っているが、測微尺の糸をほんの少し照らすだけでも消えてしまい望遠鏡でみるのはむずかしい。最大の集光力でみることができようか。6,7等の星と三角形をつくっている」とした。
M87:おとめ座A
- M 87(NGC 4486、おとめ座A)は、おとめ座の方向にある楕円銀河である。おとめ座銀河団の中核をなす質量中心の1つであり、中心に太陽質量 (M☉) の65億倍もの質量を持つ超大質量ブラックホール (Super Massive Black Hole, SMBH) があることで知られる。
- 1947年に、おとめ座の領域に強い電波源が発見され、「おとめ座A (Virgo A)」と命名された。この電波源の正体は、発見当初よりM87と同定できると予想されていた。M87の中心には超大質量ブラックホールが存在しており、電波源の正体はこのブラックホールに由来する活動銀河核であると考えられている。
- 1781年3月18日にシャルル・メシエによって発見された。メシエはこの夜、球状星団M92と8つの銀河を発見している。メシエは「星のない星雲。8等星に近い。M84、M86と同じくらいの明るさ」と記している。
M97:ふくろう星雲
M101:回転花火銀河
- M101 (NGC 5457) はおおぐま座にある渦巻銀河。その姿から回転花火銀河とも呼ばれる。
- 双眼鏡では条件が良ければ大きく広がった円形で濃淡のない光斑として見えるという。
- 1781年5月27日にピエール・メシャンが発見した。同年シャルル・メシエは「星のない星雲で、非常にもうろうとしてきれい。径は6’あるいは7’。うしかいの左手とおおぐまの尾の中間にある。視野の十字線が光っているときはむずかしい」と記している。
M104:ソンブレロ銀河
- ソンブレロ銀河(ソンブレロぎんが、M104、NGC 4594)はおとめ座にある銀河である。おとめ座のスピカの約 11° 西に位置する。通称はソンブレロを横から見た姿に似ていることから付けられている。月の約 1/5 の視直径があるが、暗いため肉眼で見ることはできない。
- これまでこの銀河は非常に大きなバルジを持つ渦巻銀河だと考えられてきたが、2012年、スピッツァー宇宙望遠鏡による観測結果から、楕円銀河の中に円盤が収まった複雑な構造を持つことが明らかとなった。
- 1783年5月6日のフランスのピエール・メシャンの手紙にこの天体を発見したことが記されている。M104はメシエカタログの初版の発行後に追加された最初の天体である。シャルル・メシエ自身は 1784年に自分のカタログに手書きでこの天体のことを「非常に淡い星雲である」と追記している。
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