【はじめに】
この記事では、ウィキペディアで歳時記と題し、「こどもの日/端午」について簡単に触れると共に、「プレバト!!」俳句のうち、『鯉のぼり』が兼題だった過去3回を振り返っていきます。
ゴールデンウィーク後半の俳句づくりや俳句鑑賞のヒントになさって下さい!
ウィキペディアで歳時記「端午」
端午(たんご)は、五節句の一つ。端午の節句、菖蒲の節句とも呼ばれる。日本では端午の節句に男子の健やかな成長を祈願し各種の行事を行う風習があり、現在ではグレゴリオ暦(新暦)の5月5日に行われ、国民の祝日「こどもの日」になっている。少ないながら旧暦や月遅れの6月5日に行う地域もある。尚、日本以外では現在も旧暦5月5日に行うことが一般的である。
端午
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』( 以下略 )
端午の意味
旧暦では午の月は5月に当たり(十二支を参照のこと)、5月の最初の午の日を節句として祝っていたものが、後に5が重なる5月5日が「端午の節句」の日になった。「端」(はし)は「始め・最初」という意味であり、「端午」は5月の最初の午の日を意味していたが、「午」と「五」が同じ発音「ウ-」であったことから5月5日に変わった。同じように、奇数の月番号と日番号が重なる3月3日、7月7日、9月9日も節句になっている(節句の項目を参照のこと)。
日本
単語や五月に関連した作品
ウィキペディアで歳時記「こどもの日」
こどもの日(こどものひ)とは、日本における国民の祝日の一つで、端午の節句である5月5日に制定されている。日本において端午の節句は江戸時代以降は男の子の記念日となっているが、「こどもの日」は男女の子供の区別はない。また、子供を産んでくれた母に感謝する日でもある。
祝日法2条によれば、「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」ことが趣旨である。1948年7月20日の祝日法の公布および即日施行により制定。ゴールデンウィークを構成する日の一つである。
こどもの日
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
(参考)世界の「子供の日」
子供の日(こどものひ、英: Children’s Day)は、子どもの権利を尊重し、成長を祝うことなどを目的にした記念日。国際連合の世界こどもの日をはじめ、多くの国・地域で祝日が制定されている。
1920年にトルコが4月23日を国家主権と子どもの日と制定、その後の1925年にジュネーブの子どもの福祉世界会議で、6月1日が国際子どもの日(International Children’s Day)と制定された。1954年には国連総会により、11月20日が世界こどもの日(Universal Children’s Day)と制定された。
国により日付は異なるが、旧共産圏諸国を中心に、6月1日としている国が多い。学校が休校になったり、催事が行われたり、また子どもにプレゼントが贈られる習慣がある地域もある。
子供の日
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
『俳句歳時記』的には夏の季語
日本においては、「こどもの日」が太陽暦5月5日に固定されていて、「端午の節句」も現代では陽暦5月5日に行われることが殆どです。
また二十四節気の一つとなる「立夏」は、ここ100年はずっと毎年5月5日か6日のどちらかに訪れることとなっていて、年によって、「立夏(5月5日)当日」か「立夏(5月6日)前日」となります。
年を4で 割った余り | 立夏 |
---|---|
0(2020年) | 5月5日 |
1(2021年) | 5月5日 |
2(2022年) | 5月5日 |
3(2023年) | 5月6日 |
『俳句歳時記』的には、二十四節気などを基準として季節を5つ(春夏秋冬+新年)に分けています。この「5月5日」というのは厳密には(「節分(春分の前日)が冬」であるように、)「立夏」を跨ぐ年があるので季節を定義するのが微妙なのですが、歴史的な背景などもあって「夏の季語」とされています。(旧暦5月5日であれば、夏のど真ん中にあたることなども影響していると思われます)
ただ4で割った余りが3の年(今後は2023・2027・2031・2035・2039年)、実は「立夏の前日で、春の最終日」にあたるというトリビアも抑えておくと凄いかも知れません(^^
「プレバト!!」俳句を振り返る
ゴールデンウィーク期間中でも、休止されることなく放送される「プレバト!!」の俳句査定。5月3日から5日にかけての連休時期の回には、『こどもの日』や『鯉のぼり』などが兼題写真として出題されることが良くありました。
2016年5月5日:千賀さん、木久扇師匠が才能アリ
2016年5月5日の「こどもの日」当日の放送では、印象深い才能アリの句が2作誕生しています。今や名人としてお馴染みの千賀健永さんが75点で2度目の才能アリを獲得。『舞う』を『行く』と動詞を変えるだけの添削でした。
また、林家木久扇師匠の俳句も、半分「一物仕立て」のようで、非常に清々しく印象に残っている作品です。どちらも「鯉のぼり」と「初夏の青空」との対比が目に浮かび、歳時記に載せてほしいくらい!
ちなみに、当時まだ特待生1級だった梅沢富美男さんが「名人昇格」を目指して挑戦しますが、
算用数字を使うセンスを厳しく咎められて、名人昇格はお預けとなりました。『背伸びの空や』なんて中七は非常にオシャレだと感じたのですが、勿体ない~
2017年5月4日:千原ジュニア才能アリ、フジモン名人3段へ
2017年5月4日も、昨年に続き、「鯉のぼり」が兼題となりました。凡人2人、才能ナシ2人という厳しい査定となりましたが、この回で千原ジュニアさんが久々に才能アリを獲得し、フジモン名人は3段に出世することとなりました。
千原ジュニア名人は、人生の「逆風」などといった意味を暗示させる作戦もありましたが、添削後の様に、淡々と「山風」とすることで風薫る季節の自然な光景が描けて、有季定型な俳句っぽさが増しました。原句が好きな方も、添削後の句が好きな方も両方いそうな感じがします。
そして藤本敏史名人の句は、17音の全体を読めば、光景が想像できうる句だとして高評価。堂々と名人3段に昇格しました。この句は「鯉のぼり」と「ランドセル」に、動詞『挿す』と「五つ」という数の情報だけで構成されています。直接的に「人」を描いている訳ではないのですが、この間接的な描き方が「俳句」とは相性が良いことを名人は良く理解していたのだと思います。
2018年5月3日:東国原名人、賽の河原で現状維持
3年連続で「鯉のぼり」が兼題となった2018年5月3日の放送は、才能アリ1名ながら凡人4人というハイレベル(?)な回。北山宏光さん(後の特待生)が最下位とはいえ凡人50点でしたし、2位の中村仁美アナは67点、こちらも後に特待生となる柴田理恵さんも63点で3位という刻む得点分布でした。
細かい添削のみだったのですが、添削後の方がシャキッとして良い句だなという風に感じます。ただ、「窓枠」に着目したそのセンスはお見事だったと思います。(後日、昼のラジオで共演した時も、夏井先生はそこの点は褒めていらっしゃいました。)
対して、東国原英夫名人は、惜しくも名人7段で現状維持でした。もったいなかったのは「賽の河原」という言葉の背景を知っていれば『吾子』と書く必要が無いという真っ当な指摘でした。
特に、添削2つ目の「空蒼し」の「蒼」の字は、この回に最下位のKis-My-Ft2北山さんが使いたがった「蒼」というカッコ良い一字の本来の意味(生気のない様な、くすんだ青色)に近いということで採用され、北山さんも「北山ブルーだ!」と喜んでおられましたね。
以上のように、『鯉のぼり』だけを題材としても、様々な切り口があることが分かります。皆さんも、ぜひ上記の俳句などを参考に、ゴールデンウィーク終盤の俳句をお楽しみください!
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