【プレバト!!】オノマトペを使った俳句

【はじめに】
この記事では、「プレバト!!」で披露された俳句のうち、いわゆるオノマトペが詠み込まれたものをピックアップしてご紹介していきます。

オーソドックスなオノマトペを使ったプレバト!!俳句

雲の峰ぱんっと乾いたピザの薪/藤本敏史

最初にご紹介するのは、☆2つ前進するという名人10段での快挙を達成したフジモンの句から。これはまさに薪の音を脳内再生させる様な作品で、下五で答え合わせをするタイプです。

これが仮に「ぱんっ」というオノマトペが無かったら、魅力は半減してしまいそうです。そうした意味で、オノマトペと句の魅力が切っても切り離せないタイプの句は素晴らしいです。

ここからは、同じ音を2つ続けるタイプのオノマトペの句を取り上げていきたいと思います。

しゃくしゃくと踏む足楽し霜柱/渡辺満里奈

こちらは、一般参加者の渡辺満里奈さんが才能アリを獲得した作品です。名人・特待生に限らず、こうしてオノマトペを使う人は少なくないのですが、高評価(平場ならば才能アリ)を取ることは珍しく、まして印象に残る作品を残すことは稀です。

三菱鉛筆 ゲルインクボールペン ユニボール ワンF05 霜柱

フジモン名人の句と同様、いわゆる「奇を衒った」様な表現ではなく、最もオーソドックスな表現かと思うのですが、それでも「しゃくしゃく」という音がまさに霜柱を『踏む足楽し』と形容する様子にマッチしていて素晴らしいです。楽しさが上五から伝わってくる様ですよね。

実はオノマトペの名手? 梅沢永世名人

永世名人の他2人がオノマトペに比較的消極的な中で、オノマトペを全参加者の中で最も多用しているのが、実は梅沢永世名人なのです。そういった印象をお持ちでしたか? 列挙すると、

  • しんしんと仏の白き息あおぐ
  • ゆるゆると鷹鳩と化す日のリフト
  • ざくざくと空切りひらく雪下ろし
  • 藻の花やペットボトルにさやさや
  • やわやわと陽のあくび巻く春キャベツ

などと(ボツになった句も含まれますが)オノマトペを含んだ句を複数作っています。永世名人になる御大とはいえ、その表現自体が凝っている訳ではなくて、むしろオーソドックスな感じすらします。

その結果、先ほどご紹介した「一般参加者」の渡辺満里奈さんとほぼ同じ表現を使っている句が披露されています。もちろん視野を全国に広げれば幾千万とこういったオノマトペが詠まれてきたでしょう。

爪革の紅のさくさく霜柱

( 梅沢富美男 )

ただ、永世名人の威厳を保つべく一つ技巧的な点をご紹介します。ここまで披露してきた句はすべて「○○○○」という形で繋げられてきましたが、「爪革」の句は「さくさく」と中七で前後に繋げています。ここが他の句とは違った工夫といえるかも知れませんね。

千賀名人もオノマトペ句を披露

千賀さんは、2016年の特待生5級の時や、2019年の春光戦決勝でオノマトペ句を披露しています。 Mr.プレバトジュニア……を狙っている訳ではないでしょうが(^^ いわゆる梅沢名人の様な、ストレートな表現でのオノマトペで高評価を得ている感じが好印象ですよね。

  • 風鈴のリンリンと鳴く青き夕
  • ぽこぽこと酒に口割る蛤ら

どちらの句も、「鳴く」とか「口割る」とか寧ろ動詞の面で評価された感もしますが、まあここはオノマトペの句を紹介する記事ということで大目にみてください~

オリジナリティあるオノマトペを使ったプレバト!! 俳句

ここまで、結構素直というかストレートなオノマトペを使った句を紹介してきましたが、そうではない代表格の名人をお2人、最後にご紹介しましょう。

千原ジュニア名人:とぅるとぅる、ぐぅわんぐぅわん

俳句という「17音の器」に対する勉強を実直に(本人嫌がるかもですが^^)続けてきた千原ジュニア名人。その独特な感性をオノマトペに託した作品を2句ご紹介しましょう。これら覚えていますかね?

  • とぅるとぅるの求肥に透けている苺
  • 台風やぐぅわんぐぅわんと信号機

「つるつる」ではなく「とぅるとぅる」であり、「ぐわんぐわん」でなく「ぐぅわんぐぅわん」です。ここにある種のクリエイターとしての嗅覚とこだわりのようなものがあると強く感じました。

森口瑤子名人:しゅぱんしゅぱん、ぴこんぴこん

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そしてやはりご紹介すべきは、オノマトペの名手と言って良いでしょう。森口瑤子名人です。これらの2句は、タイトル戦だけを見ているという「プレバト!!俳人」の方々でも、記憶に残っているのではないでしょうか?

  • (2021年冬麗戦優勝)
    風花へしゅぱんしゅぱんとゴム鉄ぽう
  • (2022年炎帝戦3位)
    メールぴこんぴこんシャワー中だってば

個人的には後者の句の方が好きですが、いずれにしてもオノマトペが前半に登場することによって、17音全体を覚えやすくなり、印象にも残りやすくなったのではないかと感じます。

こういった印象に訴えかける効果というのも、“17音”の俳句の世界では武器になるのかも知れません。リズムも良くなりますし、選者を引き付けるものが出てくれば……勝ちですからね。

【まとめ】
皆さんも、「プレバト!!」俳句を参考に、オノマトペの句を積極的に詠んでみては如何でしょうか? 今回みてきて明らかな様に、平凡な表現でも使い方をマスターすればプラスに働きます。もちろん決して簡単な技ではないですが、17音のうちの数十%を占める音数を使う価値があれば、それはきっと効果の高いオノマトペとして機能してくるはずですから。

この他、皆さんの好きなオノマトペ(俳句)があれば是非コメント欄でお寄せ下さい。以上Rxでした、ではまたっ!

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