【はじめに】
この記事では、冬の行事の季語である「クリスマスツリー」について、ウィキペディアで概要を知ると共に、俳句歳時記やプレバト!! に登場する名句を幾つかご紹介していきます。
ウィキペディアに学ぶ「クリスマスツリー」
クリスマスツリー(英: Christmas tree)は、クリスマスのために飾り付けられた木である。「知恵の樹」の象徴とされる。別名の聖樹(せいじゅ)とも呼ばれる。
クリスマスツリー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
歴史
クリスマスツリーはキリストとはおよそ無関係である。原型は北欧に住んでいた古代ゲルマン民族の「ユール」という冬至の祭で使われていた樫の木である。冬でも葉を枯らさずにいる樫は生命の象徴とされていた。このドイツの民をキリスト教に改宗させる試みがなされたが、樹木信仰が根強かったので、樫を樅(モミ)に変えることでキリスト教化した。樅の木は横から見ると三角形で「三位一体」を表していると教えた。父なる神が頂点で、子と聖霊が底辺の両端に位置する。
1600年代には、ドイツ各地で記録が残されている。ベルリンには1800年頃にツリーが伝わっている。
イギリスへは1840年、ヴィクトリア女王を通じて伝わった。夫のアルバートがドイツ出身であったため、彼のためにクリスマス・ツリーに飾って見せたところから。1860年代に一般にも広まるようになった。
アメリカ合衆国で最初のツリーはドイツ移民によって1746年に飾られた。アメリカで導入された当時はアメリカ建国当初からいたイギリス系清教徒のアメリカ人から、「クリスマスツリーは異教の文化だ」と断じられて、反発されたこともあった。
現在では、キリスト教徒が少ない日本のような国でも、この風習は根付いている。ロシアのヨールカは、日本の門松と同じく新年を祝うものだが、クリスマスの時期から飾られ、クリスマスツリーと何ら変わるところはない。
2021年現在、ギネスブックに登録されている世界最大のクリスマスツリーは、イタリア共和国ウンブリア州のグッビオのもので、街に面した山腹に電飾を使って描かれる、高さは約650メートル、幅は350メートルの大きさのものである。生木や擬木を使ったものではない。
日本
日本では1860年、プロイセン王国の使節オイレンブルクが公館に初めて飾った。1874年には原胤昭(はら たねあき)により築地大学(明治学院の前身)で行われたクリスマス・パーティーに、日本初のサンタクロースとともに登場している。
1885年に横浜で開業した明治屋が、1900年に東京銀座へ進出すると、銀座のクリスマス飾りは広く行われるようになり、同じころには、神戸でクリスマス用品の生産が始まった。日本のクリスマス行事は、1928年の朝日新聞紙上で、「クリスマスは今や日本の年中行事となり、サンタクロースは立派に日本の子供のものに」と書かれるほど定着していた。
太平洋戦争中は影を潜めるが、戦後すぐに復活、1948年12月14日には無所属参議院議員で僧侶の来馬琢道が東京駅など鉄道各駅のクリスマスツリーが、(当時は国営鉄道であったため)宗教活動ではないか、憲法違反だと問題にし、内閣に質問書を提出し、運輸省が「季節的な装飾のひとつで宗教活動ではない」と釈明するひと悶着もあった。12月15日、運輸省は撤去を司令し、12月17日、内閣は季節的装飾であると解釈した。現代の日本においては季節的な装飾として定着している。
俳句歳時記と「プレバト!!」にみる『聖樹』の例句4句
多くの俳句歳時記では、冬の行事の季語『クリスマス』の傍題として『クリスマスツリー』と『聖樹』が収録されています。本来の言い方では8音も使ってしまうため、17音の俳句で使いやすい3音の漢語が編み出されたのだろうと思われます。
今回紹介する例句はいずれも『聖樹』の方で作句されたケースとなります。早速みていきましょう。
1・3句目の様に『クリスマスツリー』が設置されている場所や環境によって、そこから見えるドラマも大いに変わってきます。ある意味で、華やかなクリスマスツリーに指す影の部分に着目した2句目も聖樹の「一物仕立て」として非常に参考になります。
そして「プレバト!!」より夏井先生から高評価を受けていた千原ジュニア名人の句を紹介しましょう。
残業中に『クリスマスツリー』が眩しいという労働の哀歌は巷に溢れていますが、それを少しリアルに描いた点で千原ジュニア名人の独創性が出ています。漢語が多いことで勢いがついて、普通の俳句とは少し雰囲気の違った印象を覚えます。
皆さんのご家庭では「クリスマスツリー」を飾りますか? 飾る方は身近なもので、そうでない方も外で見かけた時などの感情を素直に1句捻ってみましょう。ついつい、想像が凝り固まってしまいそうな季語ですが想像の余地は上でみたようにたくさんあります。皆さんの仕事場などに妄想のクリスマスツリーを立てるだけでも面白い発想が出てくるかも知れません。労働哀歌でも(・д・)チッ と言いたくなるような甘々なエピソードでも、1句できたらぜひコメント欄にお寄せ下さい!
コメント