昭和のヒット曲をYouTube再生回数で時代ごとに並べてみた【1945~1989年】

【はじめに】
この記事では、戦後・昭和のヒット曲の「YouTube再生回数」を時代ごとに並べて、ヒット曲の指標について考えていきます。

参考にさせて頂いたツイート と 本記事の趣旨

今回の記事で参考にしたのは、昭和歌謡大好き院生 → 昭和歌謡大好き若人(@utatorinrigaku)」さんが2020年4月にTwitterに公開し話題を呼んだ『昭和のうた限定! YouTube再生回数ランキング』です。(↓)

そして、この記事を見た私が率直にいって感じた「素朴な疑問」というのが、

面白いなぁ~ でも、もしこれを時代別(年別)に再編したらどういう結果になるだろう?

(↑)これでした。Top10を占めているのは昭和60年代の曲が多く、また殆どを1970年代以降の楽曲が占めています。そんなラインナップの中で上位にランクインしてくる古い曲(特に昭和40年代以前)は、その時代における『突出したヒット曲』なんじゃないか? と直感的に思ったからです。

似た考え方で纏めたのが(↓)の記事になります。【主に平成中盤以前にリリースされたのに、RIAJ(日本レコード協会)のストリーミング再生「シルバー認定」を受けているヒット曲】

イメージとしては、今回は公的な集計で漏れてしまっている「非公式な昭和ヒットソング版」だとお考え頂ければ大きく間違っていないかなと思います。注意点を挟んで、早速みていきましょう!

本記事の注意点【& ざっくりとした集計方法と除外した部分】

  • 集計範囲:私(Rx)がYouTubeで曲名(+歌手名)を検索して、御本人が歌唱されている動画から再生回数上位3本を選び、その単純合計を対象としています。
    (例えば、令和での「ドライフラワー」や「紅蓮華」のように、動画の人気が分散してしまって、1本の動画では実態をつかみにくいケースを避けるための措置です。これは他の時代でも同様。)
  • また、本集計では「非公式」な動画も必要に応じて集計対象としています。それは、実態として、非公式動画に視聴者が流れてしまっているヒット曲が実態としては多くあるためです。
    ((まずあり得ないとは理解していますが、)もし仮に視聴者のニーズを「公式」がほぼ完全に充足するようになれば、非公式を完全除外しても構わないと思います。純粋に今はそうなっていないというのが私のスタンスです。公式動画だけで綺麗な分布となる体制が整備された段階で、改めて基準を見直せば良いと今の段階では思っています。)
  • そして、意識して除外したのが「海外でバズった動画(外れ値の傾向が窺えるもの)」です。母数が全く異なり、外れ値となってしまっている虞れのあるものを個人的判断のもと除外しています。あくまで「国内での人気を図りたい」というのが重要なコンセプトであるためご了承ください。
  • 個人の手集計・手計算であるため「抜け」が相当数あるものと思われます。その点、ご理解ご容赦いただきたく存します。【深掘りしたい方はぜひご自身でどうぞ】
  • 数字については「ざっくりとしたイメージ」を掴むものとして捉えていただくために、かなり大胆に「丸め」ています。正確な数値はYouTubeなどを各自で検索して頂ければ幸いです。

《 副産物 》
一口に昭和(今回は戦後のみに限定)といっても、時代ごとに「実質的な上限」のような値が求まり、これに基づくと『時代ごとの補正値』みたいなものを算出できるのではないかと考えています。興味のある方は参考になさってください。

昭和20年代(補正値:÷10):『青い山脈』ほか

再生回数楽曲名/歌手名
1945575万リンゴの唄/並木路子・霧島昇
1946700万かえり船/田端義夫
1949850万青い山脈/藤山一郎
1952500万赤いランプの終列車/春日八郎
(参考)お祭りマンボ/美空ひばり

戦時歌謡、軍歌などを除いて、いわゆる「戦後歌謡」に絞ると、昭和20年代はこういった感じとなりました。1940年代の数曲は、戦後を振り返るテレビ番組などでもBGMに流れる印象の楽曲たちです。1,000万を上限としているので、ここは「1,000万再生≒ミリオン相当」としたいと思います。

昭和30年代(補正値:÷10):『柔』ほか

まずは昭和30年代前半です。ここから発表年ごとに、「年間1位」みたいな感じで数曲をピックアップしていきます。おおよそ500万回以上を目安としています。

再生回数楽曲名/歌手名
1955450万おんな船頭唄/三橋美智也
1956700万哀愁列車/三橋美智也
1957850万
550万
有楽町で逢いましょう/フランク永井
港町十三番地/美空ひばり
1958800万花笠道中/美空ひばり
1959875万
550万
東京ナイト・クラブ/フランク永井・松尾和子
古城/三橋美智也

私が探した範囲では、三橋美智也、フランク永井、美空ひばり らがYouTube上は強い時代でした。

そして1960年代(昭和30年代後半)に入ると、1,000万再生を突破する楽曲たちが誕生してきます。表では『柔/美空ひばり』ですし、ここでは除外している英語圏の方向けの動画『Sukiyaki』が2,300万再生を突破している『上を向いて歩こう』です。

再生回数楽曲名/歌手名
1960 600万潮来笠/橋幸夫
1961 650万上を向いて歩こう/坂本九
1962 350万下町の太陽/倍賞千恵子
1963 700万
長崎の女/春日八郎
夕陽の丘/石原裕次郎&浅丘ルリ子
19641150万
 950万
 850万
柔/美空ひばり
あゝ上野駅/井沢八郎
東京の灯よいつまでも/新川二朗
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ユニバーサル ミュージック (e)

昭和40年代(補正値:÷20):『喝采』ほか

昭和40年代前半(1960年代後半)は、その前の時代の傾向を受け継いでいるような数値感です。ただ当時の大ヒット曲の動画が軒並み削除されていることもあり、昨年集計した段階では、これらの楽曲が「年間1位」相当となっています。

再生回数楽曲名/歌手名
1965 600万ふるさとのはなしをしよう/北原謙二
1966 600万二人の銀座/和泉雅子・山内賢
1967 600万虹色の湖/中村晃子
19681150万
 950万
 550万
小さなスナック/パープル・シャドウズ
イムジン河/ザ・フォーク・クルセダーズ
グッド・ナイト・ベイビー/ザ・キング・トーンズ
19691150万
1100万
 750万
ドリフのズンドコ節/ザ・ドリフターズ
風/はしだのりひことシューベルツ
長崎は今日も雨だった/内山田洋とクール・ファイブ

昭和40年代後半(1970年代前半)に入ると、再生回数が桁違いとなり始め、これまで少なかった1,000万回以上の楽曲が頻出するようになります。

再生回数楽曲名/歌手名
19701250万
1200万
人生一路/美空ひばり
京都の恋/渚ゆう子
19711600万あの素晴しい愛をもう一度/加藤和彦と北山修
1972?000万
2000万
1700万
喝采/ちあきなおみ
ふりむかないで/ハニー・ナイツ
宗右衛門町ブルース/平和勝次とダークホース
19731400万
1100万
夜空/五木ひろし
神田川/かぐや姫
19742450万
2000万
1000万
22才の別れ/伊勢正三(風)
空港/テレサ・テン
人生を語らず/よしだたくろう

ちなみに、現在YouTubeで検索しても削除済みですが、平成時代には再生回数1,000万回を超える動画が複数アップされていたといいますから、実はこの時代に最も再生回数を稼いだのはちあきなおみさんの『喝采』ではないかと思います。

昭和50年代(補正値:÷30):『初恋』ほか

昭和50年代に入ると1,600万回再生を突破する動画2本の合算として、3,000万を突破する楽曲が誕生します。それは中島みゆきの『時代』です。その後も1970年代らしい楽曲(サボテンの花は平成に入っての財津和夫さんバージョンを含んだ参考値)が名を連ねています。

再生回数楽曲名/歌手名
19753250万
1500万
1250万
時代/中島みゆき
昔の名前で出ています/小林旭
サボテンの花/チューリップ+財津和夫
19762000万
1900万
1500万
酒と泪と男と女/河島英五
大阪ラプソディー/海原千里・万里
遠くで汽笛を聞きながら/アリス
19771950万
1500万
1400万
秋桜/山口百恵
冬が来る前に/紙ふうせん
北国の春/千昌夫
19781500万
1000万
オリビアを聴きながら/杏里
夢一夜/南こうせつ
19792600万
1700万
1600万
異邦人/久保田早紀
片想い/浜田省吾
おもいで酒/小林幸子

そして、1980年代(昭和50年代後半)になると、更に再生回数の増加が顕著となります。ここからは冒頭に示したツイートの方を参考にして頂ければと思いますが、『初恋』『PLASTIC LOVE』が5,000万回再生を突破しています。

再生回数楽曲名/歌手名
19801800万大阪しぐれ/都はるみ
19812000万
1000万
まちぶせ/石川ひとみ
恋人がサンタクロース/松任谷由実
19822400万
1000万
for you…/高橋真梨子
夏をあきらめて/研ナオコ
19835000万
3750万
3000万
初恋/村下孝蔵
踊り子/村下孝蔵
15の夜/尾崎豊
19846000万
1750万
1750万
PLASTIC LOVE/竹内まりや
2億4千万の瞳/郷ひろみ
ジュリアに傷心/チェッカーズ

※ただし、PLASTIC LOVEは動画のコメント欄をご覧頂ければ分かるとおり、海外からの流入が大半とみられ、私の集計上は参考値とさせていただいています。こういった事情を加味すると、実態としては、村下孝蔵さんの2曲(初恋、踊り子)の強さが際立つように感じました。

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昭和60年代(補正値:÷50):『もうひとつの土曜日』ほか

再生回数楽曲名/歌手名
19856000万
4250万
4000万
もうひとつの土曜日/浜田省吾
ダンシング・ヒーロー/荻野目洋子
愛人/テレサ・テン
19866000万
3000万
フレンズ/レベッカ
J.BOY/浜田省吾
19874250万
2500万
2400万
Get Wild/TM NETWORK
別れの予感/テレサ・テン
北の旅人/石原裕次郎
19882750万
2500万
1400万
愛が止まらない/Wink
GLORIA/ZIGGY
ガラスの十代/光GENJI
19894000万目を閉じておいでよ/BARBEE BOYS

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