「伊勢湾」を震源とする地震についてまとめてみた

【はじめに】
この記事では、気象庁の「震度データベース検索」を利用して、「伊勢湾」を震源として起きた、過去の地震についてまとめていきます。

「伊勢湾」を震源とする地震って珍しくない?

という感想を抱く方も多かったと思います。早速みていきましょう!

(!)2022年5月9日に起きた深発地震は、気象庁の暫定値での解析で、「震央:遠州灘」と変更されていましたので、そちらの地震については下の記事に移しました。あわせてお読みください。

「伊勢湾」を震源とする有感地震は100回あまり

気象庁の「震度データベース検索」でマグニチュードが特定されていて、「伊勢湾」を震源とする有感地震をプロットしてみました。おおよそ東経137度以西を対象地域としてて、これより東は「三河湾」という区分になるようです。

気象庁 震度データベース検索 より以下の条件で画像引用
・地震の発生日時 : 1919/01/01 00:00 ~ 2021/12/31 23:59
・地震の規模 : M 0.1 以上、M 9.9 以下
・震央地名 : 伊勢湾

気象官署「名古屋」や三重県北部の観測点がある関係で、北側では小規模な地震でも多くの有感地震が記録されていますが、松阪市付近から知多半島南端あたりにかけては規模の大きめな地震が中心という感じを受けます。

規模のやや大きめな地震:最近は深発地震が中心

次の図は上記基準を「M4以上」に引き上げたものとなります。実は、21世紀に入ってから、深さ100kmより浅いM4以上の地震は起きておらず、平成でも1例のみ。殆どがここ半世紀より前に起きた地震なのです。

気象庁 震度データベース検索 より以下の条件で画像引用
・地震の発生日時 : 1919/01/01 00:00 ~ 2021/12/31 23:59
・地震の規模 : M 4.0 以上、M 9.9 以下
・震央地名 : 伊勢湾

変わって、青色で示したような「深発地震(この領域では深さ300km台)」が、21世紀に入ってからは少し目立つような印象です。下に中規模地震を纏めていきます。

M5以上の中規模地震は1桁回数

M5以上の中規模地震に限ると、浅い地震は1940年代に3例あり、最も大きかったのは1946年7月13日に起きたM5.9という地震です。東海・近畿地方では震度3(弱震)でしたが、震源から遠く離れた長野県「諏訪」では震度4(中震)を観測しています。

気象庁 震度データベース検索 より以下の条件で画像引用
・地震の発生日時 : 1919/01/01 00:00 ~ 2021/12/31 23:59
・地震の規模 : M 5.0 以上、M 9.9 以下
・震央地名 : 伊勢湾

一方、深発地震は、1970年代以降に複数回観測されていて、近年では、2000年代に2度「M5クラス」の地震が起きています。このうち最も大きかったのは、1970年に起きたM6.0の地震です。

(出典)https://www.data.jma.go.jp/svd/eqdb/data/shindo/index.html#19701110092620

他の地震でもそうですが、こうした深発地震では、やはり関東地方など東日本で有感となっています。

これはある種、中日本などで起きる深発地震においては宿命のようなものす。

一般に「異常震域」とは言われますが、昭和以降を生きる皆さんは、『深いところで起きた地震だと、こういう風に同心円状でなく関東地方などで震度が大きくなる』ことを知っているはずですから、大正時代頃の原因が特定できていなかった頃の人のような「異常震域」という言葉に惑わされないようにしていただければと思います。

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