「1週間に震度4以上が5地点」以上だった事例をまとめてみた

【はじめに】
この記事では、「1週間に震度4以上が5回(地点)」観測された、地震活動が活発な週について取り上げていきます。

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調べるキッカケになったネットニュース

今回の記事を書くキッカケになったネットニュースがあります。2022年4月1日(エイプリルフール)にYAHOO! JAPANニュースでも取り上げられた「tenki.jp」の記事です。画像をスクショしました。

(出典)ここ1週間の地震回数 震度4以上が5回 きのう31日は千葉県と京都府で|tenki.jp

いつ発生するかわからない地震に備えて、日頃から身に周りの安全を確保するようにしておきましょう。tenki.jpの「万が一に備えて」、「地震を知る」なども参考にしてください。

(出典)同記事より引用

というのが主な結論になった訳ですが、「ここ1週間で震度4以上が5回」というのがどの程度珍しいのか、気になったので過去のデータを、気象庁の「震度データベース検索」を使って調べてみました。

調査方法について

tenki.jp さんの記事と、本記事のタイトルで少し変えた部分があります。それが「5回」か「5地点」かという点です。

例えば、「熊本地震」などに代表されるように、群発地震だったり大地震の後の活動においては、震度4以上の地震が何度も起きることは全く珍しくありません

むしろ、今回の事例で特筆すべきは、【すべて別の震源で】だったという点ではないかと思うのです。

  1. (3/25)福島県沖
  2. (3/27)十勝地方南部
  3. (3/30)岩手県沖
  4. (3/31)千葉県北西部
  5. (3/31)京都府南部

こういった具合に、場所を問わず震度4以上の地震が起きていることから、全国的に注意を促す意味での記事に意味が無いとは言いません。事実5度目の地震は東日本ではなく西日本で起きた訳ですから。

過去の事例を調べるにあたって、気象庁の「震度データベース検索」で任意の期間を調べ、(原則)別の震央地点となっているものを1カウント、それが5地点となっているものをピックアップしました。

また、現行の基準で揃えるため、2011年の「東日本大震災」では極めて活発な活動となったことを考慮し、2012年以降の約10年間を対象としています。

ここ10年の事例

以下、すべて気象庁の「震度データベース検索」を使って、任意の対象期間+「震度4以上」で検索した出力画面を画像引用しています。日本地図の位置は調整していますが、基本的にはスクショのみの無加工となっています。

2013/4:6日で5回、8日で6回

東日本大震災以降で初めて、西日本での震度6弱以上となった「淡路島付近」の地震から数えて、6日で5回、8日で6回という数値になったことがありました。

この中には2013年4月17日、別の地点で震度5弱以上が2回(一般向け緊急地震速報も2回)という珍しい日が含まれています。 (↓)noteの記事でもこの日については降れていますのでぜひどうぞ。

そして、2013年4月13~17日で4回に達した2日後、千島列島でM7.0の深発地震が起きています。

2014/7:5日で4回、福島県沖でM7

茨城県以北に集中することとなった2014年7月の活動。岩手県沖と胆振地方中東部では震度5弱を観測しています。そして、7月3日から数えて8日で5回に達した2日後の7月12日には、福島県沖でM7の地震が起き、高さ20cm未満の津波も観測されました。

※偶然2回続きましたが、こうした大地震や強い地震に繋がるケースばかりではないので、不必要に不安視し過ぎる必要もないのかなと個人的には感じました。

※また、一連の熊本地震は一旦除外しています。ご了承下さい。

2020/5:3回で4回、6日で5回

少し期間が空いて2020年5月中旬からの活動です。特にこの年は、ゴールデンウィークに緊急地震速報が連発したり、長野県・岐阜県の県境付近で地震活動が活発になったことで印象に残っています。

それなりに活発な地震活動が見られた時期ではありましたが、上記のような大地震には繋がらず、やや活発といった具合で推移した印象でした。

2021/3:4日で4回、7日で5回

2021年3月中旬(14日から17日にかけて)の4日間で計4度、震度4以上の地震が発生し、そして、それから3日後の3月20日、最大震度5強の宮城県沖の地震が発生しました。M6.9(速報値:M7超)で、津波注意報も発表されましたが、津波は実測されませんでした。

※2021/12:4日で5回、7日で6回(4地点)→トカラ5強

上で示した抽出基準には当てはまらないのですが、2021年12月上旬には、震度4以上の地震が4日で5回となりました。「山梨県東部・富士五湖」や「トカラ列島近海」で群発化した後で、12月9日には「最大震度5強(M6.1)」という大きな地震が発生しています。

2022/3:7日で5回

そして冒頭に挙げた記事のキッカケとなった2022年3月を迎えます。3月16日に福島県沖でM7.4の大地震が発生し、その2日後には岩手県沖で震度5強の地震が発生しました。そこからも断続的に東北地方などでは地震が発生していました。

2022年3月25日から数えて7日間で5回、また3月27日から数えて5日間で4回発生、地域を問わず広域で地震活動が見られました。

個人的には、
◯ 10年という短いスパンだと、不必要に恐れずとも……?
◯ そもそも週に5回ぐらい起きてれば、山は超えてる説
◯ 「全国どこでも地震に注意」は間違いではないけどねぇ。

という感じがします。大地震の事例はありますが、顕著な地震は既に発生しているケースもあります。「震度4以上が5回以上」起きたからといって、其即ち凶兆と判断するのは少し早計な気もしました。

2023/5:7日で5回

地震の発生日時震央地名深さ最大震度
2023/05/05 14:42能登半島沖12 km6.5震度6強
2023/05/06 02:47青森県東方沖56 km5.7震度4
2023/05/11 04:16千葉県南部40 km5.2震度5強
2023/05/11 12:11トカラ列島近海13 km4.3震度4
2023/05/11 18:52日高地方東部55 km5.5震度4

いわゆる「能登群発地震」がこれまでで最も活発化した2023年5月5日(こどもの日)からの1週間で『震度4』が5エリアで観測されています。5月11日には南北離れた3地点で震度4~5強の地震が発生をしており、全国的に活発な印象を受けました。

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