2022年の「主な地震」をまとめてみた【平年値との比較などを通じて未来への教訓を】

【はじめに】
この記事では、2022年に起きた「主な地震」について、国内外のデータを通じて未来への教訓を探っていきたいと思います。私が集計した「地震の『平年値』(1991~2020年)」と比較をすると、2022年の地震活動が平年並みだったのか平年よりも多かったのかが浮かび上がってきますよ! 早速みていきましょう。

2022年の主な地震など(5弱以上:15回)

まずは、目立った地震活動からピックアップしていきます。2022年に起きた「最大震度5弱以上」は、15回(うち震度6弱以上2回)でした。主な活動として、春に「福島県沖」で最大震度6強の地震があったほか、夏を中心に年間を通して「石川県能登地方」での群発地震が続きました。

地震の発生日時震央地名深 さ最大震度
2022/01/04 06:08:51.5父島近海77 km6.1震度5強
2022/01/22 01:08:37.5日向灘45 km6.6震度5強
2022/03/16 23:34:27.0福島県沖57 km6.1震度5弱
2022/03/16 23:36:32.6福島県沖57 km7.4震度6強
2022/03/18 23:25:16.3岩手県沖18 km5.6震度5強
2022/04/19 08:16:00.3茨城県北部93 km5.4震度5弱
2022/05/22 12:24:11.3茨城県沖5 km6.0震度5弱
2022/06/19 15:08:07.5石川県能登地方13 km5.4震度6弱
2022/06/20 10:31:34.4石川県能登地方14 km5.0震度5強
2022/06/26 21:44:48.4熊本県熊本地方9 km4.7震度5弱
2022/08/11 00:35:20.0上川地方北部2 km5.2震度5弱
2022/08/11 00:53:00.1上川地方北部5 km5.4震度5強
2022/10/02 00:02:32.8大隅半島東方沖29 km5.9震度5弱
2022/10/21 15:19:46.3福島県沖29 km5.0震度5弱
2022/11/09 17:40:12.5茨城県南部51 km4.9震度5強

それでも後述しますが、3月の地震を除いては局所的な地震が多く、マグニチュードという観点で見ても日本近海で起き、強烈な揺れを齎した大地震は1回のみで、大半がマグニチュード6クラス以下の中規模だったことを考えると『幾分穏やかな年だった』という感想を抱く人が多いのも頷ける結果です。

津波警報・注意報:3回(噴火に伴う警報1回を含む)

一方、津波警報・注意報に関しては、2022年のうちに3回発表されました。ここ数年、0~1回だったことを思うと、実は多い部類であり、3回以上発表されたのは2015年以来7年ぶりだった模様です。

なお、2022年1月にトンガで起きた噴火に伴う海面変動で発表された『津波警報』についてもカウントしています。厳密には地震に起因するものではありませんが、俗に「津波」だと説明される現象だったことを加味して基本的には区別せずに記事を書かせてもらいます。

(1)フンガ・トンガ=フンガ・ハアパイ火山【遅れ】

  • 22/01/15 13時過ぎ
    フンガ・トンガ=フンガ・ハアパイ火山の大規模噴火
  • 22/01/15 19時
    気象庁が「若干の海面変動が予想される津波予報(若干の海面変動)」で、『日本への影響なし』と発表
  • 22/01/15 20時台
    気圧の急激な変動を日本列島全域で観測。直後に海面変動が開始(潮位観測データのみで確認可)
  • 22/01/15 21時台【津波注警報のタイミング・その1】
    父島で「津波注意報」に相当するクラスの潮位変動を観測
  • 22/01/15 22:52【津波注警報のタイミング・その2】
    父島で「津波警報」に迫る90cmの潮位変動を観測
  • 22/01/15 23:55
    鹿児島県奄美市小湊で1.2 mの潮位変化を観測
  • 22/01/16 00:15
    奄美群島トカラ列島津波警報(07:30まで) 北海道から沖縄にかけて津波注意報
  • 22/01/16 02:26
    各地で1mに迫る潮位変動を観測していたところ、岩手県久慈港での潮位変化が1.1mを超える(実測値ベースで警報級)
  • 22/01/16 02:54
    岩手県沿岸部が津波警報に切替え(11:20まで)
  • 22/01/16 04:07
    長崎県西方と鹿児島県西部に津波注意報を追加
  • 22/01/16 14:00
    発表から半日あまりをかけて全ての注意報が解除

(22/01/19)トンガでの火山噴火 津波警報が遅れた理由|ウェザーニュースLiVE

(2)福島県沖地震

  • 22/03/16 23:34 M6.1の前震(緊急地震速報1回目)
  • 22/03/16 23:36 M7.4の本震(緊急地震速報2回目)
  • 22/03/16 23:39 宮城県、福島県に津波注意報
  • 22/03/17 02:14 石巻港で0.3mの津波を実測(最大波)
  • 22/03/17 05:00 両県で解除

(3)台風の特別警報の中の「台湾付近」の地震での注意報【津波なし】

  • 22/09/17 22:41 台湾でMw6.5の前震(最大震度6強)
  • 22/09/18 15:10 鹿児島県の3つの特別警報に加えて、宮崎県に大雨特別警報が発表
  • 22/09/18 15:44 台湾でMw6.9の本震(最大震度6強)
  • 22/09/18 15:49 宮古島・八重山地方に津波注意報
  • 22/09/18 17:15 津波注意報が解除【内陸地震でやはり津波観測せず】

津波注意報を発表すること自体は理解できるものの、メディアの報じ方としては『津波注意報』より、災害が差し迫り既に災害が発生している可能性の高い『大雨特別警報』を最優先に報道すべきではなかったかと感じました。

有感地震の「Rx 平年値」との比較

地震が起きるたびに『最近、地震が多い気がする』というコメントをSNS上などで見かけますが、実際のところ『過去どれぐらいが平均か』なんて覚えている方は殆どいらっしゃらないでしょう。

そこで私が1991~2020年の値を特段調整せずに作った「地震の『平年値』」(以下「Rx 平年値」)をもとに、2022年は地震が多かったのか振り返って行きたく思います。

有感地震(震度1以上):1,964回【平年並み】

まずは気象庁の「震度データベース」から、2022年の有感地震(震度1以上)の回数を表にしました。

期間震度1震度2震度3震度45弱5強6弱6強合 計
2022/0110843142167
2022/02855181145
2022/0317271198111273
2022/0411345971175
2022/0597311731149
2022/0612144133111184
2022/07893592135
2022/081063014511157
2022/0910235132152
2022/109629122139
2022/11104231721147
2022/128938113141
合計1,2824751563676111,964
(出所)気象庁 震度データベース検索
・地震の発生日時 : 2022/01/01 00:00 ~ 2022/12/31 23:59
・地震回数の集計 : 月別回数

実は着目すべき点として、月ごとのばらつきの少なさが2022年の特徴だったかも知れません。上記の福島県沖の大地震が起きた2022年は273回と若干多めですが、その他の月は100回台に綺麗に収まっています。能登地方の群発地震などは月によって回数にブレがあったはずですが、そういったことを含めて回数は平準化されていた……こういった年は実は珍しいように思います。

(出典)地震の「平年値」を考えてみた(全国・有感地震編)|Rxのnote(以下省略)

この年間で2000回弱というのは、今の観測網においては決して多い部類ではなく、むしろ少ない部類かも知れません。単純な過去30年平均でいくと「2000回未満」は平年並みに分類されますので、2022年は、令和の時代が引続き穏やかだったと言えそうです。

震度4以上:51回【平年並み】

震度4以上は51回となり、単純に言ってしまえば『週に1回』平均という値になりました。これも決して『多い』とはいえず、高く見積もっても『平年並み』という値です。

一方で、令和に入ってからでみると、確かに50回を下回る年が多かったことを加味すれば、若干多く感じる面もあったかと思います。地域によっても多く感じるかは様々だったことかと思います。

ポイントとすべきは、均せば『週に1回』は震度4以上が起きていても、それが『平年並み』だということです。偏りによって『週に2~3回』起きても、それが年間を通じて続かなければ、決して『多い』部類ではないということも合わせて覚えておきましょう。

震度5弱以上:15回【多い】

そして、震度5弱以上に関して、年15回ということで、文字通り『毎月のように震度5弱以上があった』という計算になります。

群発地震が顕著だった年に比べれば少ないですが、震度7クラスがあった2018年よりも多いことを考えると、強い揺れを齎す地震は比較的多かったのかも知れません。

震災翌年の2012年(16回)とほぼ同じだったと考えると、2000年以降で6番目に相当するという2022年は、全国的に多くの地点で地震が起きたことが特徴といえそうです。

震度6弱以上:2回【やや多い】

そして、震度6弱以上とすると、複数回起きたのは2019年以来のことであり、観測網の拡充を踏まえると、ほぼ『平年並み』と言えそうです。

内訳をみると、前年に続き強烈な揺れに襲われた福島県沖も、前年から群発地震となっていた中でこれまでで最も強い揺れに襲われた能登地方(珠洲市)は、どちらも決して警戒を解いていた訳ではないでしょうが、想像以上の強烈な揺れであったことは想像に難くありません。

東北地方太平洋沖地震の余震域以外でも強烈な地震が全国的に分布していることは、令和の時代に注意すべきかと思いますね。

(参考1)有感地震のマグニチュード別:多め

noteの平年値に示した記事から、有感地震のマグニチュード別にみても、平年並みからやや多めだったようです。M5以上の中規模地震は100回を超えており、マグニチュード7以上の大地震は2回(前述の福島県沖地震と、台湾付近の地震(Mj7.3) )というカウントとなっています。

有感地震の規模2022年判定平年並みの範疇
マグニチュード3以上1,385回【多め】976~1265回
マグニチュード5以上109回【多め】81~101回
マグニチュード7以上2回【平年並み】2~3回

(参考2)緊急地震速報(警報):15回【やや多い】

制度が始まって以降の「緊急地震速報(警報)」の平年値も考案していますが、それに基づくと2022年の「15回」というのは『やや多い』部類のようです。

下に示したように、震度5弱未満の地震での発表は5回で、震度3での発表も2回ありました。
(4以上:86.7%、5弱以上:66.7%)

発生日時震央地名観測
最大
震度
2022/11/14 22:27石川県能登地方4.2
2022/10/02 00:02大隅半島東方沖5.95弱
2022/08/11 00:53上川地方北部5.45強
2022/06/20 10:31石川県能登地方5.05強
2022/06/19 15:08石川県能登地方5.46弱
2022/05/22 12:24茨城県沖6.05弱
2022/05/09 15:23与那国島近海6.6
2022/03/23 09:23石川県能登地方4.3
2022/03/18 23:25岩手県沖5.65強
2022/03/16 23:45福島県沖4.8
2022/03/16 23:36福島県沖7.46強
2022/03/16 23:34福島県沖6.15弱
2022/03/08 01:58能登半島沖4.8
2022/01/22 01:08日向灘6.65強
2022/01/04 06:08父島近海6.15強

このうち顕著だったのは、2022年3月16日の「福島県沖地震」での『続報』の有効性でしょう。2分前に前震による警報が発表された後、本震の揺れを的確に捉え、次々と『続報』で更新していき、震源から離れた首都圏などにも情報を提供することができました。

震央別にみる有感地震の回数ランキング

これまでと同様、気象庁の「震度データベース検索」から、エリア別に35回以上の震央(領域)を纏めてみました。(↓)

震央震度1震度2震度3震度45弱5強6弱6強合計
福島県沖1155824621206
石川県能登地方1123013411161
宮城県沖813462123
日向灘511761176
トカラ列島近海599775
茨城県沖28921141
茨城県南部181452140
茨城県北部22861138
上川地方北部255411137

やはり大きな地震のあった地域や、群発地震となっている箇所が目立ちますが、福島県沖や宮城県沖と並ぶ100回超の地震を観測した「石川県能登地方」の群発地震の凄まじさを感じます。

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主な海外の地震

ここからは、英語版ウィキペディアと「USGS(アメリカ地質調査所)」のデータをもとに、日本語にざっくり訳しながら、全地球的な地震活動をみていきたく思います。

M4以上の地震は世界で1.5万回

Number of earthquakes worldwide for 2017–2022

Magnitude201720182019202020212022
8.0–9.9111030
7.0–7.9616991611
6.0–6.9104118135111141117
5.0–5.91,4471,6711,4841,3152,0461,603
4.0–4.910,54412,78211,89712,13514,64313,707
Total12,10214,58913,53013,57216,84915,438

USGSによると、M4以上の地震は世界で約1万回発生しているとのことで、2022年は1.5万回を数えました。M8以上の巨大地震こそなかったものの、平年かそれを多少上回るペースで地震が起きていたことが窺えます。

モーメント・マグニチュード(Mw)順

2022年は、2年ぶりに巨大地震が起きなかったものの、9月にM7中盤の地震が2度起きました。上半期でみると世界で最も大きな地震だったのが、3月の福島県沖の地震(Mw7.3)だったようです。

Mw発生日震央(国)MMI深 さ
7.622/09/10パプアニューギニア震度VIII116.0
7.622/09/19メキシコ震度VIII15.1
7.322/03/16日本・福島県沖震度VIII63.1
7.322/11/11トンガ震度V37.0
7.222/05/26ペルー震度VI252.0

人的被害の大きさ順

対して、犠牲者が3桁にのぼる人的被害の大きな地震は、内陸のごく浅いところで起きた中規模地震が並んでいます。

犠牲者Mw発生日震央(国)MMI深さ
1,163名6.022/06/22アフガニスタン震度VIII4.0
数百名5.622/11/21インドネシア・ジャワ震度VIII10.0
約100名6.622/09/05中国・四川省震度IX10.0

以下、メルカリ震度階級で「IX」といった激烈な揺れをもたらした事例をまとめていきます。

「震度IX」を観測した事例

USGS(アメリカ地質調査所)への体感報告(Did You Feel It?)で「震度IX」を観測した地震をピックアップしました。手元で確認できただけで10例以上となります。

気象庁震度階級に単純な対応をさせることは困難ですが、経験則からして『Did You Feel It?』での「震度IX」となれば、日本でいう「震度6強」ぐらいの破壊力があったと見做されます。

発生日震源地MwDYFI?Shake備考
22/01/08中国・青海省6.6
22/02/25インドネシア6.1
22/03/14インドネシア6.7
22/03/16日本・福島県沖7.3気象庁:6強
22/06/22アフガニスタン6.0
22/07/27フィリピン・ルソン7.0
22/09/05中国・四川省6.6
22/09/18台湾・台東県6.9台 湾:6強
22/09/20メキシコ7.6
22/11/09イタリア中部5.6
22/11/21インドネシア5.6
22/11/30ニュージーランド5.3

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