【冬・植物】季語「蜜柑/ミカン」

【はじめに】
この記事では、冬の植物(果物)の季語の代表格である「蜜柑/ミカン」について、ウィキペディアでその概要を知ると共に、俳句歳時記やプレバト!! に登場する名句を幾つかご紹介していきます。

貴方はもう今年、ミカンは召し上がりましたか? もし食べられたら、その時の思い出と共に1句捻ってみるのも良いかも知れません。早速、「蜜柑」の基本情報からおさらいしていきましょう!

果実(原義)

  • ウンシュウミカン – 温州蜜柑。現代日本において一般的にもっとも「ミカン」と呼ばれるもの。
    • ミカン科 – ミカン亜科(ミカン属、キンカン属、カラタチ属など)に属する植物の総称。
    • 柑橘類 - ミカン科ミカン亜科ミカン連(カンキツ連)の、ミカン属など数属の総称。
ミカン (曖昧さ回避)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

ウィキペディアに学ぶ「温州みかん」

ウンシュウミカン(温州蜜柑、学名Citrus unshiu)は、ミカン科常緑低木またはその果実のこと。柑橘類の一種。様々な栽培品種があり、果実が食用にされる。

名称
現代において「みかん」は、通常ウンシュウミカンを指す。和名ウンシュウミカンの名称は、三国志演義中で蜜柑の産地とされる中国浙江省の温州市から取られ、江戸時代の後半に名付けられた、温州から入った種子を日本で蒔いてできた品種であるとの俗説があることに由来するが、本種の原産地は日本の薩摩地方(現在の鹿児島県)の長島であると考えられており、温州から伝来したというわけではない。2010年代に行われた遺伝研究により、母系種は小ミカン、父系種はクネンボと明らかになっている。

「蜜柑」「みかん」について
「みかん」は蜜のように甘い柑橘の意で、漢字では「蜜柑」「蜜橘」「樒柑」などと表記された。

植物学的な特徴
花期は5月ごろで、花径3センチメートルほどの白い5花弁のを咲かせる。
 →【蜜柑の花】は夏の季語

秋になると果実が結実する。果実の成熟期は9月から12月と品種によって様々で、5 – 7.5 センチメートル程の扁球形の実は熟すに従って緑色から橙黄色に変色する。

日本の主要産地とブランド

  • 愛媛県
    • 西宇和みかん
    • 宇和みかん
    • 明浜みかん
    • 興居島みかん(ごごしまみかん)
    • 中島みかん
  • 静岡県
    • 三ケ日みかん
    • 丸浜みかん
    • 浜名湖みかん
    • 西浦みかん
    • 静岡青島みかん

用途

ミカンのおいしさは、含まれている糖と酸の量・バランスやホロの薄さなどによって決まる。糖度が高いことは重要だが、酸の量も同様に味の決め手になる。

生食されることが多く、内皮(瓤嚢膜)を丸ごと食べる人と食べない人で個性も分かれている。また、むき方も「へそ」から剥く方法と、へたから剥く方法と、刃物で切る方法とさまざまある。

他に北陸地方東北地方九州地方など地域によっては焼きミカンといって焼いて食べる所もある。また凍らせて冷凍みかんにしたり、お風呂に入れて食べたり、下記のように用途に応じて様々な加工品も作られている。ミカンの全生産量の約2割はジュースや缶詰に加工されている。

薬用
漢方では熟したものの果皮を陰干しにしたものを陳皮(ちんぴ)と称して利用する。陳皮とは、「1年以上経過したもの」を意味する陳久品(ちんきゅうひん)を使用しなさいという意味、すなわち「古い皮」の意で名付けられている。陳皮は漢方で健胃利尿鎮咳、鎮吐などの目的で処方に配剤されるほか、七味唐辛子の材料としても用いられる。また、製薬原料としても大量に用いられている。

ミカンを使った遊び
ミカンの搾り汁はあぶりだしに用いることが出来る。特に冬には手軽に手に入れることができるため、年賀状に使うこともある。また、ロウソクの炎に向かってミカンの皮を折り曲げ、飛んだ油脂で炎の色が変わるのを楽しむ遊びもある。

ミカンの皮は剥きやすく、すぐに剥がれ、剥いた皮は様々な形になるので、意図的な形に切ることによって動物などの形を作ることができる。典型的なものとして「8本足のタコ」がある。

ミカンにまつわる話

ミカンと歌

  • ミカンにまつわる歌として最も知られている『みかんの花咲く丘』は終戦直後の1946年に生み出された。急ごしらえで作られた曲であったが大反響を呼び、以後童謡として現在まで歌い継がれている。歌の舞台は静岡県伊東市である。
  • 1996年にヘヴィメタルバンドのSEX MACHINEGUNSが、愛媛みかんに対する感情を『みかんのうた』として歌い上げた。
  • 2006年にはGTPのシングル『冷凍みかん』が静岡県を中心にヒットし、連動して冷凍みかんの売上が急増した。
  • 1970年代から活躍していたフォークデュオ、あのねのねの10枚目のシングルとして『みかんの心ぼし』(1980年9月25日)が発売されヒットした。後にPART2も発売された。
  • 2001年にシンガーソングライターの福山雅治が『蜜柑色の夏休み』という楽曲を発表している。長崎みかんの産地である大村湾沿岸が楽曲の舞台である。

その他

  • 日本の代表的な果物であり、冬になれば「炬燵の上にミカン」という光景が一般家庭に多く見られる。
  • 腐りやすい上に箱詰めされて出荷されるため、1つでも腐ったミカンがあるとすぐに他のミカンも腐ってしまう。この様子は比喩として使われることもある。ドラマ『3年B組金八先生』でそのたとえが使われた。腐ったリンゴも参照。

俳句歳時記にみる「蜜柑」の例句

まずは、俳句歳時記にある「蜜柑」の例句から幾つかご紹介していきます。例句をみていたら「海」の句もかなり多く見かけられたのですが、やはり自然とか生活とかそういった身近なものを取り合わせた作品が多く、家族などの存在を覚える印象です。

  1. 『かの夫人蜜柑むく指のほそかりしが』/安住敦
  2. 蜜柑ぐ海の半ばの色しづか』/飯田龍太
  3. 『共に剥きて母の蜜柑の方が甘し』/鈴木榮子
  4. 『水を飲むやうに蜜柑を食べる鳥』/木原苑生
  5. 『青空や神も蜜柑も八百萬』/山本紫黄
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そして、「プレバト!!」でも2桁に及ぶ『蜜柑』の句が披露されています。その中でも、名人・特待生が昇格を果たした作品を見てみましょう。

  1. 蜜柑「け」とばっちゃが降りた無人駅』/梅沢富美男
  2. 『婆やは蜜柑食べ続ける妖怪』/立川志らく

偶然にもどちらも『高齢の女性』が登場するといった設定の作品です。確かに、りんごやバナナと比べても、お婆さんの印象が強い果物のような気がします。一方で、お婆さんと違う人間を登場させると、その意外性が素敵かもしれないのでぜひ皆さんも作句する時は色んな人物を想像してみてください!

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