【はじめに】
この記事では、「プレバト!!」に3連続“才能アリ”で特待生に昇格しました【大和田獏】さんの才能アリの俳句を振り返っていきます。
2015年:2位70点『傷心の旅の車窓にチューリップ』
初挑戦となったのは、2015年5月(ゴールデンウィーク直後)の放送回。『富山のチューリップ畑』を兼題とする中で、『残雪や』と大胆に詠んだ【髙田万由子】さんに次ぐ2位(才能アリ)70点となったのが始まりでした。
福井県敦賀市の出身で、名古屋の学校に通った大和田さんにとって比較的近い土地の写真だったこともあってか、句の内容は初登場とは思えぬ安定感がありました。
2位70点『傷心の旅の車窓にチューリップ』
夏井先生は助詞の使い方に関する添削例として『車窓の』や『車窓や』を示しましたが、こうした技巧的な部分を学べば、特待生の可能性があると感じました。
2017年:1位72点『行く春や学び舎の影踏んでみる』
ドラマへの出演が増えた2017年、2度目の挑戦となった『卒業式』の回で、自身初の1位となります。
1位72点『行く春や学び舎の影踏んでみる』
『行く春』と言うと、厳密にいえば「立夏(5月上旬)」直前にあたり、寧ろ4月になってからという時期を指す晩春の季語ではあるのですが、この作品は兼題写真も相まって卒業式の感じも出ています。
添削例としては、下五の『踏んでみる』を『踏み行きぬ』や『踏み過ぎぬ』、『踏み仰ぐ』などと微妙なニュアンスを描けると幾つか提示されていましたが、これは平場参加者には十分な内容でした。
ちなみに、この回では、兄【大和田伸也】さんとの直接対決となりましたが、伸也さんが凡人(4位・48点)に沈み、弟【大和田獏】さんに軍配が上がる形となりました。
2019年:1位73点『旅芝居はねて今宵は加賀おでん』
そして3回連続“才能アリ”となれば「特待生」が見えてくるのが通例な俳句査定にあって、その慣例をピッタリと達成したのが、2年置きでの出場となり初出演から4年で特待生昇格を果たします。
しかも、これまでで最も得点の高い73点での1位。当時の流れからして文句なしの特待生昇格でした。初(であり平成時点で唯一の)添削ナシの句となりました。
1位73点『旅芝居はねて今宵は加賀おでん』
この句を見た瞬間に個人的には「特待生」文句なしと思いましたが、その通りとなりました。
『旅芝居』と上五が(人によって日常ですが)非日常な所から始まり、それについて『旅芝居はねて』と句またがりで繋ぎ、『今宵は』と一気の場面転換。そして出てくる下五の季語が『加賀おでん』と、地名を含んだ『おでん』(の派生型)です。やはり地名の持つパワーというのは大きいですね。
これが平成31年1月のことであり、平成年間のうちに2度、特待生として出演しますが、結果は出ず。
以上の2度の出演のうち、直近の春光戦予選があったのは2019年4月4日であって、実はこれが最後の出演となっています。令和に入ってからは出演実績がありません。
大和田 獏(おおわだ ばく、1950年10月13日 – )は、日本の俳優、司会者、タレント。本名、大和田 芳朗(おおわだ よしろう)。スタッフ・アップ所属。妻は女優の岡江久美子(2020年に死別)。
……2020年、妻の岡江が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による肺炎で死去。同年9月、娘の美帆の勧めでインスタグラムを開始。
大和田獏
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
最後に1句。実は【岡江久美子】さんも2018年9月に出演し、才能アリ1位を獲得していました。
2位70点『魂祭父の香を追う書斎かな』
コメント