【プレバト!! 俳人列伝】森口瑤子 名人

【はじめに】
この記事では、『メールぴこんぴこんシャワー中だってば』などオシャレな俳句から、穏やかで本格派な作品まで幅広く詠んでスピード出世を続ける女性名人・森口瑤子さんを特集します。

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貴方はどの句が好きですか? ぜひコメント欄で教えてください。それでは、一般参加者時代だった2019年から振り返っていきましょう。

(2019年)一般参加者時代

令和に入って3ヶ月。昭和の末期から平成にかけて幅広く活躍してきた「森口瑤子」さんが「プレバト!!」の俳句査定に初出演します。

森口瑤子
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

当初、若き日の浜田雅功さん(や的場浩司さん)と共演していたドラマ『ADブギ』でのエピソードや、ご主人・坂元裕二さんが脚本家であることから「ゴーストライター」疑惑を浜田さんにかけられていたことも懐かしいですが、3回連続ストレートで才能アリを重ね、初出場から4ヶ月で特待生昇格を決めます。

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  1. (19/08/01)『仏壇の向日葵までもくたばりぬ』
         → 『仏壇の向日葵もくたばつてゐる』
  2. (19/09/19)『唐黍は縦一列をむしり食む』
         → 『唐黍まず縦一列をむしり食む』
  3. (19/12/05)『ブティックの鏡うそつき落葉蹴る』

現代感のない2句を2019年8~9月に重ね、添削はあったものの70点を連続。そして3回目の作品で初めて「添削ナシ」となり、72点の1位というハイレベルな結果となりました。

(2019~21年)特待生時代

特待生に昇格した2019年12月、月末にして年末放送の「冬麗戦」予選にいきなり挑戦し、段位を思えば大健闘の6位。1~2文字の平仮名の添削のみというハイレベルな特待生デビューでした。

2020年:『ちゑさんの被爆ピアノや秋はきぬ』

その翌月には通常査定でいきなり昇格(『道草は砂町銀座おでん食ふ』)を決めると、タイトル戦予選では予選通過には至らないものの着実に成長していることを示す結果となり、前年も好調だった秋を迎えると、3級に昇格して迎えた「金秋戦」の予選で初の1位・予選通過を果たします。

(20/10/29)『ちゑさんの被爆ピアノや秋はきぬ』

放送時期としては10月だった訳ですが、季語の「秋来る」は『立秋』の傍題で、まさに8月上旬の「原爆忌」に前後します。広島県出身の父親を持ち、2020年8月に映画『おかあさんの被爆ピアノ』に出演した森口瑤子さんならでは作品でした。

本戦では8位となるも、助詞1文字の添削のみという立派なデビューであり、女性プレバト!! 俳人の中でも屈指の実力者であることを感じさせる1年となります。

2021年:『風花へしゅぱんしゅぱんとゴム鉄ぽう』

上記『ちゑさん』の句が2020年の年間優秀句に選ばれたことで、冬麗戦の本戦に出場が決まった2021年1月。3年前に千賀さんが特待生時代にタイトル戦優勝して以来、ずっと名人がタイトル戦を制してきた流れの中、フルポン村上名人以下を抑えまさかのタイトル戦初優勝を決めます!

プレバト!!
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
(2021/01/14)『風花へしゅぱんしゅぱんとゴム鉄ぽう』

この作品での『しゅぱんしゅぱん』といったオノマトペはインパクトが強く、やや雅で古風なイメージと静かな印象を受けることが多かった森口さんの作風の転換点ともなったような印象を受けました。

いわゆる「音」や「動」といったワザを取得しながら、引続きノスタルジーと穏やか作風の句が高く評価され、2021年8月には名人昇格を決めます。番組初挑戦から2年、特待生昇格から1年半での昇格は性別を問わずのスピード出世だったといえます。

(2021年~):名人時代

2021年の金秋戦も予選は通過しますが、本戦では10位と惨敗。名人初段で2022年を迎えます。

2022年:『メールぴこんぴこんシャワー中だってば』

2022年は通算で2桁回数登場し、概ね好成績だったこともあり充実の年となりますが、通常査定では昇格を勝ち取ったのは1回(2022/11/17)で、名人初段から2段への昇格にとどまります。

しかし、その本領発揮について、年間4度のタイトル戦すべてで活躍したことに尽きるでしょう。2度目のタイトル戦優勝こそ一歩届きませんでしたが、名人10段にも負けないほどの抜群の安定感でした。

  • 冬麗戦決勝3位:『嚔してスペードの位置忘れたり』
  • 春光戦予選1位:『春愁をエスカレーター地下へ地下へ』
  • 春光戦決勝2位:『馬の子に弄られてゐるアナウンサー』
  • 炎帝戦決勝3位:『メールぴこんぴこんシャワー中だってば』
  • 金秋戦予選1位:『秋晴や「アリクイさんぽ三時より」』

冬春夏秋と、予選・決勝は問いませんが全てで3位以内に入るというのは、名人10段・永世名人でも成し遂げることが容易ではありません。並べてみると、全ての句で「カタカナ」語が使われていたり、他の参加者では思いつかない発想だったりが目立ちます。

その中でも、森口さんの代名詞的な作品となったのが『シャワー』の句。上の記事にも書きましたが、3位ながら1・2位を上回るインパクトでファンも多い作品となっています。

2023年:『覚えなき青痣きっと春のせい』

2023年の冬麗戦には、上記『シャワー』が優秀句に選ばれ本選出場。夏井先生からは『メールぴこんぴこんの貴方ですから』と言われつつ、森口さんの作風を意識した添削がなされるなど、すっかりお馴染みとなっていきます。

冬麗戦決勝4位
『マフラーにきら失くしたはずのピアス』
↓
『マフラーのフリンジあらここにピアス』

2023年は、1ランクしか昇格できなかった前年と異なり、通常査定に積極的に登場し、その殆どで昇格を勝ち取るなど、あのスピード出世を彷彿とさせる1年となっています。

  • 2→3段『覚えなき青痣きっと春のせい』
  • 3→4段『白粥は三日目春の風邪飽きた』
  • 4→5段『水筒の底にゐる春愁の澱』
  • 5→6段『木洩れ日に晒され空蝉のしずか』

2段から5段までは3回連続昇格でしたし、通常査定ではカタカナ語を封印するかのごとく当初からの穏やかな作風。しっかりと目的をもって使い分けているあたりも本当にしたたかです。

To Be Continued…

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