「新歓」を使ったプレバト!! 俳句(鈴木光&森迫永依)をまとめてみた

【はじめに】
この記事では(季語ではないものの、季語に準じる語として)「新歓」を使った「プレバト!!」の俳句をまとめましたので一緒に見ていきましょう。

ウィキペディアにみる「新歓コンパ」について

コンパは、仲間と親睦を深めるために行う飲み会のこと。主に日本学生や若者の使う俗語で、語源はドイツ語Kompanie英語companyフランス語compagnieなどに由来する。1950年代には「コンパ」という名称のパブも流行した。コンパには、合コン(合同コンパニー)新歓コンパ、追いコン(追い出しコンパ)、意見交換会などの種類がある。

コンパ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

歴史
明治期に学生・書生の風俗が確立すると、同じクラスなどに属する者が互いに親睦を深めるために酒席をともにする習慣が生まれた。もっとも明治期ではは必須でなかったらしい。生方敏郎『明治大正見聞史』の81、85頁には、お金を出し合ってパンや餅菓子、焼き芋を買って食べながら歓談する「コンパニー」という集まりが記されている。

これが旧制高校大学を経て、戦後の新制大学に受け継がれ、大学進学率の上昇とともにひろく一般的な習俗として受け入れられるようになったのが現在のコンパである。

( 同上 )

コンパニー、コンパという言葉の歴史は、日本でも歴史は古く俳句歳時記に載っていてもおかしくないレベルですが、「新歓」を含め、俳句歳時記には載っていません。

例えば、「入学」などは春の季語として認められて広く俳句歳時記に掲載されています。これは完全に『4月=年度始まり』という風習が定着していることを表しています。『卒業』なども『4月=年度始まり』という学年暦に沿っていることが俳句歳時記をみれば明らかです。

「新歓コンパ」なども基本的には年度初めに行われるため、上の基準に則れば、季語に準じるものなのだろうとは思うのですが、俳句歳時記で「春 > 人事・生活」の欄にある季語と比べると流石にレベルが一段落ちるということなのかも知れません。

「新歓」を詠んだプレバト!! 女流特待生の2作品

1例目:2020年・鈴木光(季語として使った例)

最初に「新歓」を詠んだのは、2020年の春光戦予選で7人中3位となり、ライバル【立川志らく】さんを4位の予選敗退に追い込んだ【鈴木光】特待生3級です。

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その時に詠んだ作品が、こちらでした。添削アリではありましたが、このチャレンジ精神が高く評価をされました。

春光戦・予選3位『新歓の部室カップ麺の匂いかすか』/鈴木光
↓
『新歓の部室カップ麺の匂い

1998年9月生まれで当時21歳。東京大学に入学しTBS「東大王」に出演し大注目を浴びた鈴木光さんが、『新歓』が俳句歳時記に載っていない(≒季語ではない)ことを知った上で披露したのがこちらの作品でした。

夏井先生も「私たちの生活の中に『新歓』という言葉が“市民権”を得はじめている」と評し、無季の句として発表したことを高く評価していました。

俳句には「季語」だけでなく季語として俳句歳時記に載っていなくともその季節を感じさせる「季感」という考え方があります。これは間違いなく「春(新学期)」を感じさせる“春の俳句”です。

そして、多くの人々が俳句歳時記に載っているかだけを基準とするのでなく、『今は季語となっていないが、積極的に詠まれたことで後に季語として俳句歳時記に認められた』事例が多いことを加味すれば、鈴木光さんのチャレンジ精神は高評価に値するものだったのでしょう。

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2例目:2023年・森迫永依(季語でなく使った例)

そして、鈴木光さんが芸能活動を終了して少し経った2022年度に、かつての鈴木光さんのスーパールーキーぶりを思い起こすような快進撃を見せたのが、鈴木さんより1つ年上(1997年生まれ)で、上智大学を経て女優として社会人となった【森迫永依(もりさこ・えい)】さんです。

偶然の一致かは分かりませんが、そんな鈴木光さんと森迫永依さんが共通して作って、春光戦の予選を通過したのが「新歓」という語を使った俳句でした。

春光戦・予選2位『新歓を断る理由春眠し

フジモンがかつて披露した『マンモスの滅んだ理由ソーダ水』と形としては確かに同じなのですがww こちらも『取り合わせ』という俳句の型を理解していれば、「滅んだ理由【が】ソーダ水」や「断る理由【が】春眠し(だから)」ではないことが理解できると思います。

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『新歓を断る理由』という12音の季語を含まないフレーズに、『春眠し』という5音の季語を取り合わせただけで、「=(イコール)」の関係でないことが重要です。

そしてその『取り合わせ』の持つ意味を、出場数回で特待生4級という地位の【森迫永依】さんが熟知した上に自分で作句して予選2位(再び立川志らくさんを1つ下の順位に抑える)となったのはお見事でした。

こちらの句は、鈴木光さんの句と違って、『季語として新歓を使っていない』点でも特筆に値します。鈴木さんの句は、新歓の他にも季語らしい語はありませんでした。しかし、森迫さんの句には、堂々と下五に「春眠し」という伝統的な季語があります。

  • 鈴木さん:「新歓」が季語でないことを知った上で、無季の句として作った
  • 森迫さん:「新歓」が季語でないことを知った上で、他の季語と取り合わせた

ここをぜひ抑えて、2つの句を鑑賞してみてください。新たな発見があるかも知れませんし、「新歓」にポジティブな思いを持っているのが、自分だけでないのだということを確認・共感できるはずです。

そして、もしチャレンジできるタイミングがあれば、「新歓」を使った俳句を作ってみて下さい。もし宜しければコメント欄にぜひ発表していただけると嬉しいです。

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