プレバト!! 金秋戦の予選で披露された添削ナシの句

【はじめに】
皆さんどうもこんばんは、Rxです。今日は、「プレバト!!」俳句査定のタイトル戦「金秋戦」の予選で披露された“添削ナシ”の秀句を振り返っていきたいと思います。

名人・特待生がブロック分けをして行われる金秋戦の予選では、決勝戦に出しても上位に進出していただろうと思わされるような俳句がたくさん披露されてきました。皆さんはどの句が好きですか? 最後にコメントで教えて頂ければと思います。

2018年:石田明さんのコントラバスの句!

詳しくは、石田明さんの記事(↑)もご確認頂ければと思います。特待生の増加にともなって、初めて「予選 → 決勝」形式で行われた2018年の金秋戦では、名人も唸る名句で予選を1位通過しました。

『紅葉ふるコントラバスを弾くはやさ』

この時に予選を通過した3人のうち、3位は中田喜子さん、2位は千原ジュニアさんで、どちらも当時はまだ特待生でした。石田さんは出演が減ってしまった関係で今も特待生1級で止まっていますが、後に名人上位に昇格した2人を抑えての1位だったことを思うと、その才能と素質は番組中期屈指のものだったと想像できます。

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2019年:添削ナシでも4位 → 予選敗退の激戦

2019年も「予選→決勝」の制度で行われた金秋戦。5位に鈴木光さんが沈み、前年以上に気合が空回りして千賀さんが最下位と沈んだこの年は、9人中上位3人のみが決勝進出というルールでした。

  • 4位:別れ蚊を払う一人の台所/皆藤愛子(5級)

そんな中、4位の次点と沈んだのは、当時特待生5級だった【皆藤愛子】さん。9人中2人が挑戦した女性特待生は4・5位と敗れ、1~3位と6~9位を男性が占めるという両極端な結果に。
名人たちからは3位の石田さんと比較して女性陣の句の方が良いとの声が響きますが、夏井先生の評価したとおり、『独自性』という観点で目新しさに欠けた点で上位3句に劣り、予選敗退となりました。

  • 1位:駆け抜けた残暑の泡のハイボール/松岡充(2級)
  • 2位:長き夜のジャーの隣に立つ杓文字/千原ジュニア(1級)
  • 3位:明日もまた生きるチルド室に葡萄/石田明(1級)

特待生5級だった皆藤愛子に比べて、ランクが上だった3人が接戦を制しての予選通過。石田さんは、2年連続の金秋戦・予選通過となり、勝負強い存在に成長していました。

2020年:4ブロック、1位は添削ナシ

前年までは1ブロックで行われてきた金秋戦の予選ですが、2020年は参加希望者の増加にともなって、実に4つのブロックに分けて5つの通過枠を争うという厳しい戦いとなりました。

各ブロックの2位は補欠として「4分の1」の更に狭き門でしたが、千原ジュニア名人が『鍵盤図弾く兄の背や秋の暮』の句で敗者復活。最終的には『吾子』俳句で決勝戦で史上初の敗者復活優勝を達成しました。

一方で不運だったのは、予選2位の中で唯一添削が無かったものの、予選敗退となった岩永徹也さん。添削でないものの、『色のなき風』(通常「色なき風」)と季語をアレンジしたり、「ボーカロイド」を「ボカロ」と略すことにジェネレーション・ギャップもあってか、評価はいま一歩でした。

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さて、このハイレベルな金秋戦予選を各ブロック1位で制したのは以下の4句でした。

  • (A)『ちゑさんの被爆ピアノや秋はきぬ』/森口瑤子
  • (B)『休暇明アルトのビブラート太し』/横尾渉
  • (C)『夏の海を描くスプレーの秋思』/千賀健永
  • (D)『泡ポンプの英知秋天を仰ぐ』/中田喜子

後から振り返れば、全員がタイトル戦の優勝経験者となる4名。そして横尾名人の句は、国語の副読本に夏井先生が選んで掲載される快挙も果たしています。

個人的には、Aブロックの森口名人の句や、Cブロックの千賀名人の句に衝撃を受けました。月間MVPでも良いのではないかと感じられるほどに技巧的で、映像や感情が伝わってくる秀句だったと思います。

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2021年:今回も添削ナシだけが予選通過

2021年は3ブロックに分かれ、「スポーツ・食欲・読書」の3つの秋を兼題に予選が開催。各ブロック5人のうち1人しか確定していない決勝通過枠、今回も結果的には「添削ナシ」の句でしか予選通過をできませんでした。

  • (A)『しぶき上げ復活の秋ひとりじめ』/中田喜子
  • (B)『魚群探知機朝寒のがなり声』/藤本敏史
  • (C)『秋声や台詞をなぞる蛍光ペン』/北山宏光

予選を1位で通過したのは2人の実力者(名人)と、特待生3級ながらチームメイトの千賀さんを含む名人2人をやぶる金星をあげた北山さん。結果的には、2年連続での「予選」からの本戦優勝の偉業となりました。

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そして3人の名人同士の2位による補欠戦は、立川志らく名人の思い切った俳句が強烈なインパクトと共に決勝進出を決めました。

《首つりの家》には林檎は無いのか』/立川志らく
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2022年:添削ナシの2位でも予選落ち!?

前年に続いて3ブロックに分かれての予選。各ブロック1位は無条件での通過となるものの、それ以下はブロックの区別なく「上位4名」が敗者復活となるルールでした。

  • (A1位)『マネキンの坐骨デニムに入るる秋』/藤本敏史
  • (B1位)『秋晴や「アリクイさんぽ三時より」』/森口瑤子
  • (C1位)『豚饅の油染むべい独楽の紐』/千原ジュニア

予選1位通過の3名は全員がタイトル戦の優勝経験者。Aブロックは『ファッション』、Bブロックは『行楽』、Cブロックは『食欲』と、昨年とは少し違ったラインナップで揃えた『◯◯の秋』の兼題の写真の外に取り合わせる情報を見出した印象でした。

そして、中田喜子名人や千賀健永名人がハイレベルな争いの中で予選敗退していく中で、“添削ナシ”の評価を得たのが以下の5句(↓)。敗者復活は4名ですから、添削ナシの中から敗退者が出るという、非常に厳しい戦いとなりました。

  • (A2位)『錦秋のショーウィンドーに映る黙』/春風亭昇吉
  • (B2位)『解熱剤効き秋晴の午後を知る』/ミッツ・マングローブ
  • (C2位)『丸善の古書フェア檸檬ケーキの香』/横尾渉
  • (A3位)『星月夜ファーストピアスの重力』/松岡充
  • (C3位)『梨噛んで潤う両耳の鼓膜』/皆藤愛子

『行楽の秋(=Bブロック)』はテーマが広かったのか3位以下は選外でした。

初の決勝進出を決めた春風亭昇吉さんは『錦秋』と『黙』という固い単語を使って、手堅く纏め上げ、これまでの予選での成績を払拭するに十分なクオリティーでした。

また、『丸善』と『檸檬』と来れば梶井基次郎を連想させると共に、『檸檬』の漢字表記と『フェア』や『ケーキ』といったカタカナ語のバランスも絶妙で、最後に『香』で落とすことによって季語としての『檸檬』の鮮度を保った横尾渉名人も予選通過。

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そして、3位通過者で微妙かと思われた松岡充さんの破調の句と、皆藤愛子さんのやや大袈裟にも捉えられる句も、夏井先生のお眼鏡に叶い、最後の2枠を確保して決勝進出となりました。

個人的には非常に残念だったものの、惜しくも予選2位ながら落選となったのがミッツ・マングローブ名人。『解熱剤効き秋晴の午後を知る』という句は、奇を衒った様なところは無かったかも知れませんが非常に実直で好印象だったので、添削ナシでの予選落ちにはショックでした。

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ミッツさんに厳しいということは当然ないのでしょうがww かつて、予選落ちした時に決勝進出用に用意していた作品が『夏井先生絶賛の幻の名句』だったことがあったミッツさんだからこそ、この句で予選通過をして、『兼題:大谷翔平』という最高難度の兼題にどんな作品を作ってきていたのか楽しみだったのですが……無念でした。

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